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【書籍化・コミカライズ連載中】グランアヴェール~お守りの魔導師はラスボスお兄様を救いたい~  作者: 彩戸ゆめ
第三章 魔王の出現

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第99話 旅は順調……?

 旅は順調に進んでいった。


 アレンとマリアちゃんは王族のエルヴィンや貴族の私たちが、野宿するような旅に耐えられるのかって思っていたみたいだけど、前にも商人に身をやつして黄金のリコリス探しの旅をしているから問題ない。


 それに今回は私のお守りが凄く活躍しているの。


 馬車に「防御」と「快適」をつけたのから始めて、寝袋に「安眠」をつけて、全部の服に「清潔」のお守りをつけた。


 あらかじめ大量に用意しておいたんで、旅の間中、困ることはない。


 小説では途中で魔物が襲ってきてたけど、そもそも北と東でルートが違うしどうなんだろう。


 その疑問はすぐに解決された。


 王都からは東西南北に大きな街道がつくられていて、一般にそれは王の道と呼ばれている。


 私たちが進むのは東の王の道と呼ばれる街道だ。


 大きな馬車がすれ違えるほどの大きな道は、行き交う人も多く安全だ。

 でもその分、盗賊達に狙われやすい。


 そこで私たちは余計なトラブルを避けるために、野宿をするときは街道沿いじゃなくて少し森の中に入ったところで休むことにした。


 大きな馬車は、ランの無限収納の中に入れてもらっている。


 さすが聖剣おじいちゃん。頼りになるよね。


 アベルとマリアちゃんは凄く驚いていたけど、ローゼンベルク家の秘宝を使って収納してるって説明をしたら納得していた。


 ランは元々聖剣で、我が家の秘宝みたいなものだから、間違ってはいない。


 その日も馬車をしまって森の中へ入った。


 森の中を歩くと、木々の枝葉が頭上で大きく広がっていて、まるで緑の天蓋のようだった。


 木漏れ日がその隙間から差し込み、地面に小さな光の斑点を散らしている。

 風が吹くたびに光が揺れて、足元に光と影の舞が描かれる。

 柔らかい光が、冷たい森の空気を優しく包みこんでいた。


「綺麗……」


 思わず呟くと、隣を歩くお兄様も上を見た。


 そういえば、こんなシーンが小説にもあったなぁ。

 森の中を歩く勇者一行。


 先頭を歩くアベルはほんの少しの違和感も見逃さないように気を張り、エルヴィンは風魔法を使って周囲の気配を探る。


 その後ろにフィオーナ姫と侍女が続き、お兄様は後ろからの襲撃に備える。


 そんな、小説で見た挿絵の勇者パーティーの中に、自分が入っているっていうのがとても不思議な気がした。


 街道から外れ進むと、少し開けた場所があった。

 今日はここで野営の準備だ。


 お兄様とエルヴィンが馬を木につないで、ランが魔法で草を刈って地面を平にする。


 それからアベルが中心になって、野営のためのテントを張った。

 毎日やっているので手慣れたものだ。


 私とマリアちゃんは邪魔になるので、少し離れた場所に料理用のかまどを作る。


 土を集めて形をつくり「固」のお守りを貼り付ければ完成だ。

 ついでに椅子も作っておく。机はさすがに大きいので無理だった。


 野営の準備が終わると、みんなで椅子に座って一息つく。


 お気に入りのマグカップに水を入れて、お兄様特製の氷を入れてもらう。

 冷たいお水が乾いた喉に染み渡る。


「もうすぐネヴィル領だね」


 お兄様の言葉に、エルヴィンが「そうだな」と素っ気なく答える。

 やっぱりまた、襲撃があるんだろうか。


 マリアちゃんが不安そうに私を見るけど、安心できるような言葉は思いつかなかった。


 それよりも襲撃があると予想して備えていたほうがいい。


 今までは順調すぎるくらいの旅で、盗賊が襲ってくることも、強い魔物が襲ってくることもなかった。


 でもこれからは、そうはいかないだろう。


「魔物の襲撃にも注意しないといけないですよね。やっぱり魔王の近くに行くと魔物が多くなるのかしら」


 ランからの答えを期待してそう聞くと、木にもたれかかって休んでいたランがふっと顔を上げた。


「そうですね。魔物も強くなっていくと思います」


『小物であれば、我の魔力を恐れて襲ってはこぬ。襲い掛かってくるとしたら、相当強いぞ』


 声に出すのと、声に出さないのとの両方で返事をしたランに、今まで魔物が襲ってこなかった理由を知った。


(えっ、じゃあ弱い魔物は襲ってこないの?)


 小説では普通に、角ウサギみたいな強くない魔物が襲ってきてたけど。


『今の我はお主との契約によってすべての能力を使えるようになっておるから、弱い魔物は我の魔力に恐れをなして近づいては来ぬ』


 そういえばゲームとかでも、自分のレベルが高いと、弱い魔物はさっと逃げて行っちゃってた。それと同じかなぁ。


 だとするとこれから遭遇する魔物はかなり強いってことだから、油断しないようにしなくっちゃ。


 そう思いながら、剣の手入れをするアベル、小さな聖なる光を手のひらに集めて練習を続けているマリアちゃん、そしてこれからのことを話し合っているお兄様とエルヴィンを見ていたその時――。


 ランが、突然鋭いまなざしで森の奥を見る。

 遠くから、地響きのような音が聞こえてきた。


「お兄様、何か来ます!」


 腕の中のモコも唸りを上げている。


 お兄様とエルヴィンとアベルが剣を構え、マリアちゃんは私の横に並んだ。


 森の奥から、巨大な影が現れた。


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