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【書籍化・コミカライズ連載中】グランアヴェール~お守りの魔導師はラスボスお兄様を救いたい~  作者: 彩戸ゆめ
第ニ章 学園に入学しました

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第85話 あっちの兄妹の間にはブリザードが吹き荒れていそう

「レティ!」


 アベルにちょっと遅れてお兄様がやってきた。

 お兄様も後始末を無視してきた可能性が高そう。


 でもよく考えたら騎士団の人たちがいるんだから、きっと後始末はそっちでつけてるよね。


「みんな無事か」


 って、エルヴィンもいるし。


 ちょっと待って。エルヴィンは騎士団のほうで後始末してるんじゃないの?

 なんでここにいるの⁉


「お兄様、騎士団のほうはよろしいのですか」

「フィオーナ」


 私の疑問をフィオーナ姫が代わりに聞いてくれた。


「騎士団は団長に任せてきた。それよりも学園での被害を把握しろという命令だ」


 硬質なエルヴィンの声は、二人の仲がそれほど良好じゃないのを表している。


「そうなのですね。ご無事で何よりですわ」

「お前も無事で良かった」


 ひいいいい。

 二人の間にブリザードが見えるよ。


 おかしいなぁ。小説ではもっと仲良しの兄妹だったのに。


「レティ、怪我はないかい? 無理はしなかった?」

「お兄様の魔力をこめたこれで倒せました!」


 私は指輪をお兄様に見せる。


 お兄様の魔力をこめた指輪の魔石は、ケルベロスの首を粉砕してくれた。これがなければ同時に三つの首を落とすことはできなかっただろう。


「もう一つは風刃のお守りで、もう一つはフィオーナ姫が倒してくれました」


 小さな声でお兄様に説明をする。


「ケルベロスは首を同時に落とさないといけないからね。よく知っていたね」

「ランが教えてくれました」


 そう言うと、お兄様はなるほど、という顔になった。

 そして預けた聖剣指輪をするりと外す。


「役に立ちました?」

「使い勝手のいい剣だったよ」


 なるほど。お兄様は聖剣の形にして使ったらしい。

 聖剣だってバレなかったかな。


 ほら、世間では聖剣は勇者が持つものって思われちゃってるから、お兄様が持っていたのが聖剣だってバレると、お兄様が勇者として祀り上げられちゃう可能性があるじゃない。


 そうするとアベルとお兄様のどっちが勇者だってことになって、対立の芽になってしまうかもしれない。

 それはやっぱり避けたいんだよね。


「聖剣だってバレませんでした?」

「見かけは素朴な剣だから大丈夫」


 お兄様によると、むしろ装飾がなさすぎて、こんな普通の剣であんな剣技を見せるなんて凄いと評価が高かったのだとか。


 お兄様の評判が高くなったのなら、何も問題はないかな。


『我の素晴らしさが分からないなど、騎士団の目は節穴ではないのか?』


 なんだかランが憤慨してるけど、お兄様が目立たないことのほうが大事だから、何の問題もありません。


『お主はちょっと我の扱いが軽すぎる』


(いや、だって聖剣だし……。お兄様とは比べ物にならないよ)


「じゃあこれは返しておくね」


 私はお兄様から指輪型聖剣を受け取った。

 フィオーナ姫と話してたエルヴィンも、私のところにきた。


 見た感じ、怪我はしてないみたい。


「レティもありがとな。これ助かった」


 そう言ってエルヴィンはポケットからしわくちゃになった折り紙君一号を取り出した。

 そのヨロヨロ具合に、折り紙君の奮闘の跡が見える。


 ケルベロスよりも強いヘルケルベロスと戦ったんだもんね。エルヴィンが怪我をしていないのは奇跡なのかもしれない。


 というよりお兄様がいなかったら、きっと倒されていた。


 ちょっぴりだけ、何でも切れる聖剣のおかげもあるかもしれないけど。


『やっと我のありがたみが分かったのだな。少々遅すぎるような気もするが我は寛大ゆえ気にせぬぞ。もちろんそなたの兄に頼まれた執事の職はまっとうするが、やはり聖剣たるもの世界の危機に際して――』


(ごめん。今忙しいから、また後でね)


 私はシャッターを下ろすイメージで、長くなりそうなランとの会話を終了させる。


 見かけはイケメン執事になったけど、中身はやっぱりお爺ちゃんなのか、語り出すと長いんだよねぇ。


 ごめんね、ラン。また後でゆっくり話を聞くから。


「役に立ったみたいで良かったです」

「それで、悪いけど、ちょっと話を聞かせてくれるか?」


「万が一倒れても大丈夫なように、お兄様も一緒ならいいですよ」

「ああ。そうか。魔力過多が治ったっていっても、死ぬ危険がなくなっただけで例の現象があるのか」


 そうなんだよねー。

 最初はピカピカ光る仕様です。


「お兄様、一緒に行ってもらえますか?」

「もちろん」


 私はお兄様と腕を組んで、学園の用意した応接室へ向かった。


 そこには既に入学式で見た学園長ともう一人、知らない先生がいて、エルヴィンの姿を見るとすぐに立ち上がって頭を下げる。


 あれ? フィオーナ姫も当事者だけど、ここにいなくていいのかな。

 私がキョロキョロしていると、お兄様がこっそり教えてくれた。


「フィオーナ姫は魔力の枯渇で貧血を起こして来れないらしいよ」


 エルヴィンと対峙してた時はあんなに元気そうだったのに?


 確かにあれだけ大きな魔法を使ったから、魔力が枯渇するのは分からないでもないけど、ただ単にここに来たくなかっただけじゃないのかな。


 考えすぎかな……。


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