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【書籍化・コミカライズ連載中】グランアヴェール~お守りの魔導師はラスボスお兄様を救いたい~  作者: 彩戸ゆめ
第ニ章 学園に入学しました

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第70話 マリアちゃんと仲良くしよう

コミックファイア様にてコミカライズ連載開始です。

漫画・夏河もか先生

ぎゃんかわレティと麗しのお兄様の物語をぜひご覧くださいませ!

 ふんっと鼻息を荒くして逃げる三人を見送ると、教室中の人が私に注目していた。しかもちょっと引かれている。


 しまった。思わず撃退しちゃった。

 やりすぎちゃったかなぁ。


 でもああいう有象無象な人たちが周りにいてもロクなことにならないもんね。


 学園で一人ぼっちでも、お兄様がいるからいいの。

 心の中に推しがいれば、どんなに辛いことだって乗り越えられるんだから。


 高位貴族らしくツンと澄ました顔で着席すると、隣のマリアちゃんがキラキラした目で私を見ていた。


「それ凄いね……じゃなくて、凄い、ですね。紙でできてる、の……ですか?」


 平民として育ってるマリアちゃんは、うまく敬語を使えないみたい。

 なんとか敬語にしようとして、変なカタコトになってる。


 私に引いていたクラスメイトたちが、今度はマリアちゃんの言葉遣いに眉をひそめている。


 いや、今まで使ったことがないんだから、敬語を使えないのは仕方がないでしょう。

 いくら言葉遣いがちゃんとしてても、さっきの三人組のほうが失礼だったよ?


「ええ、そうよ。紙を折って作るの」

「紙を折る?」


 不思議そうなマリアちゃんに、私はカバンから折り紙を取り出す。


 これはお父様にお願いして作ってもらった正方形の色紙だ。折り紙よりちょっと厚いけど、そんなに細かいものじゃなければ十分に折れる。


 むしろ折り鶴のくちばしのところは、きっちり折れて気持ちいい。


「まずこの紙の角を合わせて三角形にするの。もう一回三角形に折って、それから――」


 折り紙の説明をしながら折っていく。途中で羽と足だけみたいな格好になると、マリアちゃんは変なものを見るような目になった。


 でもそこから頭と尾を作っていって鳥の形になると、再び目が輝く。

 さらに羽を広げて見せると、マリアちゃんは「凄い!」と感嘆の声を上げた。


「この鳥がさっきみたいに飛ぶの?」

「これは飛ばないわ。どうやって飛ばすかは、秘密なの」


「そうなんだ」


 素直に頷くマリアちゃんは、やっぱり敬語ができてない。

 さっきアベルはお兄様にちゃんと敬語を使ってたから、アベルから教えてもらえるかな。


 でもアベルって確か寮に住んでるんだよね。


 基本的に魔力を持つ貴族はこの学園に通う義務がある。

 だから馬車で何週間もかかる場所に住んでいる生徒たちのために、寮が完備されているのだ。


 寮は上位貴族のために豪華に作られ、初代国王クライス・ハイクレアの名前を冠したクライス寮と、貴族からの寄付でまかなわれていて貧乏な貴族や平民の特待生が住むフィッツ寮に分かれている。


 もちろんアベルとマリアちゃんはフィッツ寮に入っているんだけど、建物の中は男女でしっかり分かれてるから交流はできない。


 というか、交流できる方がマズイもんね。


 となると、アベルから敬語を習うのは無理かもしれない。

 同室の子たちが優しくて教えてくれるようならいいだろうけど、どうなんだろう。


 なんか、気になったら止まらなくなっちゃったよ。


 できればお兄様を殺す可能性のあるアベルの関係者とは、お近づきになりたくないんだけどなぁ。


 でもこんな風に折り鶴に興味を持って目をキラキラさせてるマリアちゃんを見てると、貴族たちの害意にさらされて傷つくのは可哀想だって思っちゃう。


 貴族だけど前世の平民の意識がある私なら、いい感じにフォローしてあげられそうではあるのよね。


 だけどマリアちゃんと仲良くなると、必然的にアベルとも近くなるわけで。


 今のところ魔王は復活してないから、お兄様とアベルの関係は、ただの先輩後輩だ。

 小説では学園の実地訓練でパーティーを組んだ流れで、一緒に戦うことになったはず。


 もしこれから小説の通りに魔王が復活するとしても、このままの関係なら、お兄様が必ず討伐パーティーに入るとは限らない。


 だからマリアちゃんとは、ただのクラスメイトでいた方がいいのは分かってるんだけど……。


 でも、たくさんの人の好意で私は生かされた。

 お兄様を筆頭に、お父様やロバート先生、ドロシーたちがいてくれたから、私はこうして魔力過多を治して学園に通うことができた。


 だったら、私に差し伸べられる手があるんだったら、差し伸べるべきじゃないだろうか。


「マリアさんは回復魔法が使えるのね」


 そうやって話しかけることで、暗に私、レティシア・ローゼンベルクがマリアちゃんを認めたということを示す。


 それが分からない貴族はいないだろう。

 そっと視線を巡らせると、みんなサッと目を伏せた。


 多分……分かったんだよね……?

 私が怖がられてるだけとかじゃないよね……?


「うん。そうなの。アベルが……、あ、さっき来た私の幼馴染と一緒に遊んでる時に魔獣に襲われて、私をかばったアベルが怪我をしたの。その時にパアッと光って怪我が治ったんだ」


「魔獣に襲われた?」


 え、ちょっと待って。

 魔獣に襲われたの?


 そしたら瘴気が残るから、普通の回復魔術じゃ回復できないはずだよ。


 それを治せるのは、神殿で修業を積んだ神官か――。


「そう。なんかいっぱい血が出て傷のとこが紫色になって」

「それを治したのですか?」

「うん」


 傷口が紫って、それやっぱり瘴気じゃない。

 ということは。


「聖女……?」


 もしかしてマリアちゃんって、聖女なの!?



もしも「面白かった」「続きが気になる」などと思って頂けましたら、

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どうぞよろしくお願いします!

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