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【書籍化・コミカライズ連載中】グランアヴェール~お守りの魔導師はラスボスお兄様を救いたい~  作者: 彩戸ゆめ
第ニ章 学園に入学しました

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第63話 初めてのお友達

 分かんないなら聞けばいいよね。


「大丈夫ですわ。私、レティシア・ローゼンベルクと申します。一年間どうぞよろしくね」


 ふっふっふ。

 さすがにレティシアになってから十三年間経ってるからね。


 お嬢様言葉も完璧よ!

 それに加えてお母様譲りのこの愛らしさ!


 自分で言うのもどうかと思うけど、結構可愛く育ったと思うの。

 お兄様の完璧な美貌には負けるけど。っていうか勝負にすらなってないけど。


 にっこり微笑むと、目の前の女の子の顔が真っ赤になった。


「あっ、あっ、あの、私、マリアって言います」


 マリア……やっぱり聞いたことがあるなぁ。よくある名前だからかな。


 名字がないってことは平民だ。


 平民がこの学園に入るのは、アベルのように勇者だったり、特別な魔力があったりと、かなり特殊なケースに限られる。


 基本的にここは、貴族の子女のための学校だからね。

 だからこの子も何か特別な魔力を持ってるんだろう。


 それに記憶にないけど多分、原作小説にも登場している。


 だったら友達になるしかないよね!


「よろしかったら一緒に座りませんか。あそこなんて良さそう」


 そう言って、さっさと窓際の席に座って手招きする。

 マリアちゃんは「え」と固まった後、ぎくしゃくと私の横に座った。


 さっきのお兄様目当ての三人は、悔しそうにマリアちゃんを見ていた。


 あ~。これは逆恨みされちゃうパターンだ。


 ごめん、マリアちゃん。私が短絡的過ぎた。


 そうだよね。貴族無視して、いきなり平民に声をかけたらおかしいもんね。


 でも別にローゼンベルク公爵家は貴族の評判とかどうでもいいから、気にしなーい。


 それよりも、マリアちゃんがいじめられないように私が見張ってあげなくちゃ。

 だって私がお友達になれそうな子って、マリアちゃんくらいしかいなさそうなんだもん。


 一方的に私からお友達認定されたなんて思ってないマリアちゃんは、学校指定のカバンから教科書を取り出した。


 アベルもそうなんだけど、この学校に入学する平民は、カバンとか制服の値段が高すぎて揃えることができない。


 だからそういう、学校で使うものは支給されるのだ。いわゆる、特待生みたいなものかな。


 貴族はもちろん自腹で揃えるんだけど、貴族といっても名前だけで平民みたいな暮らしをしている人もいる。


 その場合は、中古の制服なんかを伝手を使って手に入れるしかない。

 このクラスにも、何人かそういう人がいそう。


 それに比べると、平民のマリアちゃんの制服は新品でピカピカだ。


 確かアベルはその新品の制服を着ているのを妬まれて、同級生に無理やり中古の制服と交換させられちゃったんじゃなかったっけ。


 マリアちゃんがそうならないように、私が気をつけてあげなくちゃ!


「私、今まで体が弱くて外に出なかったので、こういう人の多いところにくるのは初めてなんです。だからちょっと緊張してしまって……」


 私が話しかけるとビクっとしたマリアちゃんだけど、私が友好的で、かつ世間慣れしていないと思ったのか、少し肩の力が抜けた感じがした。


 うむ。良きかな良きかな。

 これで友達一人、ゲットだね!


「そうなんだ……じゃない、そうなんですか。あの、今は体調は……?」


 やーさーしー!

 まず私の体調を心配してくれるなんて、良い子じゃない?


 私の目に狂いはなかった!


「今はもう完治しましたの。魔力過多の特効薬ができましたから」


 これは周りにも聞こえるように言う。


 今まで病弱だったのは魔力過多だったからで、今はもうすっかり元気なんですよ、ってアピールをするためだ。


 お兄様に萌えすぎなければ大丈夫。

 ちょっとピカピカ光るけど、空の魔石を持っていればいいし、モコもいてくれるしね。


 そのモコは私の膝の上で丸まっている。

 気になるのか、マリアちゃんがさっきからチラチラ見ていた。


 一人だけペット連れて学校に来ていたら、なんだろうと思うよね。

 モコはペットじゃないけど。


「この子は精霊の一種でモコって言います。完治したとはいっても、いつまた急に発作が起きるか分からないので、念のために学校に許可を頂いています」


 今度ははっきり周りを見回しながら言う。


 モコが動物じゃなくて精霊だって言っておけば、無駄に怖がられることもないし、危害を加えられることもないからね。


 まあこの国でローゼンベルクに歯向かう人なんていないだろうけど、一応、念のため。


 私はちゃんと根回しができる子なのだ。えっへん。


「そうなんですね。可愛い……」


 マリアちゃんが青いたれ目をさらにたれさせてホンワカしている。


 そうよ、こういう子と仲良くなりたいの。

 さっきの貴族三人娘みたいに腹の探り合いみたいな会話しかしないお友達はいりません。


 はっ。

 もしかして、前世も含めて、初めてのお友達じゃないかな。


 少し胸がドキドキする。

 私は慌ててポケットの魔石を握った。


 大丈夫、そんなに魔力が漏れ出てない。セーフセーフ。


「私の幼馴染も魔力過多だったんですよ」

「まあ、それは大変だったでしょう」


 平民で魔力過多だと厳しかっただろうなぁ。それともそんなに症状が重くなかったとかじゃないと、生き延びられなさそう。


 マリアちゃんのこの言い方だと、亡くなってはいなさそうだけど。


「今はすっかり良くなって、この学園に通ってるんです」


 え。

 ちょっと待って。


 平民で、魔力過多で、この学園に通ってる?


 そんなの、一人しか――。


「アベルっていうんです」


 それ、勇者じゃーん!!!


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どうぞよろしくお願いします!

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