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異世界転生の女体化無双!!(ヴァルキュリアス・セイヴァーズ!!)  作者: アップル☆パイン
男女あべこべ異世界日常劇
1/2

華麗なる女子会?

※最初から登場人物や用語が多かったりしますが、ご了承ください。


 此処はとある飲食店。


 朝と昼は地域の皆様に愛されるお食事処として繁盛し、夜には冒険者などの荒くれ者達の憩いの酒場としても賑わう。


 巷では『この世界で一番格安で、美味しくて珍しい料理や酒等を提供してくれる素晴らしいお店』として有名だ。


 そんなお店の一角。この店の店主(おかみ)に認められた者達だけが利用出来る席がある。


 その席でとある集団が、打ち合わせと言う名の雑談を交わしていた。


「やだやだやだっ! 絶対にいやぁあああッ!!」


「いい加減にしろよヒビキ! これはもう決定事項だ!!」


 子供の様に駄々を捏ねて泣きじゃくる、超が付くほどの金髪美少女。


【聖導服】越しでも分かるとっても大きな二つの果実を揺らし、どこまでも澄み渡るスカイブルーの綺麗な瞳から、大粒の涙を流して抗議の声をあげる。


 それを呆れながらも、あやす様に説得する赤髪ショートボブの美少女。


 こちらも超が付くほどの美少女で、エメラルドグリーンの瞳が印象的だ。

 感情を表すかの様に、時折動く可愛らしいアホ毛がチャームポイントでもある。

 光の加減で部分的に瞳の色と同じになる箇所もあるが、今は触れないでおこう。


 金髪の美少女──『ヒビキ』と呼ばれた少女は、脹脛まであるキラキラと光沢を放つ、とても長い髪を振り乱し、尚も抗議の声をあげる。


「カナメはいつもそうじゃんか! 勝手に依頼(しごと)を取ってきて、オレ(・・)達の許可もとらずに…。酷いよ…」


「じゃあ言いわせてもらうけどな! お前が『あの村をどうにかしてあげたい』って言うから、報酬の良い依頼(クエスト)を選んできてあげたんじゃねーかッ!!」


 バンッ!!!! っと強くテーブルを叩いて、向かいに座る色白美少女(ヒビキ)を睨み見る赤髪の美少女──『カナメ』。


 そんな転生前から(・・・・・)の大親友(・・・・)に凄まれ、更に大粒の涙を流しながら嗚咽混じりに、隣に座る桃色髪の美少女に助けを求めるヒビキ。


「だって…ひぐっ……だってぇええッ! ──うわぁああ!! ヨシノォオー! カナメがいじめるよぉおお〜!」


「ひゃあ?! ──よしよし…。カナメくんあのね、ボクもその依頼(おしごと)はご遠慮したいなぁ〜って思うの。理由は……分かるでしょう?」


 ヒビキにも勝るとも劣らないその豊満な胸で優しく受け入れて、頭を撫でてくれるハーフツインの美少女──『ヨシノ』。


 どこか雅さを感じさせるは、その身に纏っている神秘的な羽衣と織物のせいだろう。


 髪と瞳の色と一緒で全身桃色だが、不思議と彼女に合っていて嫌悪感を抱かせない。

 ピンク系統の色は全て彼女の為にあるって思わせる程の魅力を醸し出している。


 そんなヨシノに言われ、頭を掻きながら軽く溜息を吐くカナメ。


「ヨシノお前もかよ…。あのな! 【大聖女】様と【大仙女】様が揃いも揃って『ゴースト系魔物(オバケ)アンデッド系魔物(ソンビ)が怖い』っていい笑い者で、【十二星女(ドデカグラミス)】の名折れだぞっ!! ──お前たちホントに“元男(・・)”かよ!」


「そんな事言われたって…。オレもヨシノも望んでそんなもんになった訳じゃないのに…。周りが好き勝手にそう呼んでるだけなんだよ! それに男でもオバケやソンビが苦手な人は沢山いるだろぉ〜!」


「そうだよね、怖いものは怖いんだもんねっ! カナメくんは自分が平気だからって、それを他の人に押し付けるのは、いけない事だとボクは思うな!」


「そうだそうだ! ヨシノ! あの分からず屋にもっと言ってやってくれ!」


「あ”あ”ん”ん”!!」


 ほんのちょっとドスの効いた声でカナメが睨むと、再びヨシノの胸にサッと顔を埋めるヒビキ。時折チラチラとカナメを見る。


 暫く睨んではいたが、本日何度目かの溜息を吐いて、頭の後ろで手を組みながら自分の隣に座る白髪の美少女に話を振るカナメ。


「あんな事ほざいてるんだけどよ…。同じ十二星女(ドデカグラミス)の一人としてどう思う? 【大巫女】のサクヤさんや?」


「うん? 別に良いんじゃないかなぁ〜? 『フォビヨン洞窟の魔物の討伐依頼』だっけ? ゴースト系やアンデッド系の魔物がウジャウジャ出てくるって云う…。なんならその依頼、僕独りで引き受けようか? ──この白玉あんみつおいしぃ〜♪」


 口いっぱいに頬張りながら、頬を紅くして幸せを噛み締める、長髪姫カットの美少女──『サクヤ』。


 ヒビキやヨシノ以上に色白で、全体的に与える印象は『純白』。


 髪や肌は勿論、瞳の色もダイヤモンドを嵌め込んだみたいに透明感があり、キラキラとしている。

 紅と白の巫女服がなんとも様になっていて、どこか神々しい。


 規格外な二人(ヒビキやヨシノ)よりは小さいが、それでも十分大きくて美味しそうな極上───んんん! 失礼…。


 素晴らしい二つの実を軽く揺らし、少し行儀が悪いが(スプーン)を咥えたまま、上を向いて思考する。


 少し間を空けてから、お茶目っ気たっぷりの微笑みを浮かべて、次はどれを口に運ぼうかと視線を落としながら言葉を紡ぐ。


前回(このまえ)は僕不参加だったからさ…。埋め合わせのつもで、僕独りで───」

「それはダメッ! 独りで依頼(しごと)を受けるなんて、絶っっっっ対にダメェッッ!!」


 突然ヒビキが顔を上げて、鬼気迫る勢いで話に割って入った。


「独りで依頼を受けるなんて…。オレは絶対に許可しないからなっ! ──だったらオレも……オレ達も付いて行くっ!!」


 一瞬、呆気に取られるサクヤだが、悪戯を思いついた子供の様に口元をにやけさせて言う。


「ええ〜? でも怖いんでしょう? お化け系やゾンビ系は勿論だし、虫系の魔物もいっぱい出てくるかもしれないよ〜? それに洞窟だから暗くてジメジメしてるだろうしさ。そういった場所、ヒビキくん苦手でしょう? それでも?」


「ううぅ…。──そっ、それでも! サクヤ独りで行かせるくらいなら…ッ!! いくらサクヤが強くて、それに特化した【女神の恩寵(アビリティ)】や【修練の結晶(スキル)】をいくつか持っているからって、『もしもの事』があったらどうするんだっ!」


「クスクス。心配してくれるんだぁ〜。ありがとう〜♪」


「当たり前だろうッ!! 揶揄うなよ…。もしサクヤに……ううん。この中の誰かに何かあったら…オレ……」


 何かを思い出すかの様に声のトーンが徐々に下がり、表情を曇らせるヒビキ。そんなヒビキを見てサクヤは


「やっぱりヒビキくんは優しいねぇ〜。本当に優しい人…」


「だっ、だから茶化すなって──」

「べつに茶化しても揶揄ってるつもりもないよ。素直な気持ちを言ってるだけ。──怖がりだし、痛いのも苦手で、傷つけるのも傷つけられるのもホントは嫌いなのに、でも誰かが困っていたらほっとけないお人好し……。僕はそんなヒビキくんが大好きだよっ♪」


 サクヤにそう言われ、顔を真っ赤にして「あうぅ…///」と悶えるヒビキ。それを見てヨシノは聖母のように微笑み、カナメもクシャっと顔を崩して笑う。



 そこには『なかよし組(・・・・・)』のいつもの光景が広がっていた──。







「しっかし…どーすっかなぁ〜。超少額とはいえ、キャンセル料取られるし……。手っ取り早いのは、お前のその無駄に長い“()”を売った方が一番金になるんだけどなぁ〜!」


「それも絶対にいやぁあああッ!!」


 ヒビキの髪を見つめ愚痴るカナメ。その視線に気付いたヒビキは、大事な物を抱き締めるように自分の髪を触る。


「あのなヒビキ…。ワガママが過ぎんぞっ! べつに良いじゃねぇーか、ちょっとぐらい! それも一応【五ツ星(ウルトラアビリティ)】なんだろう? 【『宝石の聖髪(ジュエリーブロンド)』】だっけか? 切ってもどうせ直ぐに生えてくるんだからよっ!」


「嫌なものはイヤッ!!」


「おいっ…! いい加減にしろよ…ッ!!」


 ヒビキのイヤイヤ攻撃にそろそろ本気でキレそうになるカナメ。それを察知してサクヤが素早く宥めに入る。


「まあまあ落ち着いて。──そうだ! 僕独りでがダメなら、他の人を連れてけば問題ないよね♪ お~い、ツカサくぅーん!」



 そう言ってサクヤは綺麗なソプラノで、別の席に座る人物に声を掛けた。

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