27猛毒が毒を制す
sideキトラ
ある日の朝、屋敷のドアは開かれた。
そこからは黒い大鎌を持つ白髪の少年が歩いて来る。
「お前がキトラねぇ…」
そう言って彼は大鎌を構える。
「そうだけど?」
「…なら俺はお前を殺さないとならんのだが、俺は嫌なんだよ」
「だから降伏してくれよ」
私は椅子に刺した剣を引き抜いた。
「私を弱い奴が止める事は出来ない」
「なら倒せって事かー…」
「いいだろう【血界操血】」
そう彼が言うと大鎌に赤い線が入って行きバキっと音がして大鎌の刃が大きく広がりプシューと音がなって白い蒸気が吹き出た。
「ここにはデストラスもあるんだ、負けはしないさ」
そう言っている彼に私は斬りかかる。
「お前弱いじゃないか?」
「っ!…殺す!!」
「隙が多いぞ?」
そう言って奴は私の腹を蹴飛ばす。
「私は負けられない!私は強く在るんだ!」
「そうか…」
「【火炎魔術フレイムウェポン】【大海魔術アクアウェポン】」
そう奴は言って大鎌から蒸気のような物が出てくる。
そして私の視点が回った。
「【血界操血】」
…………………………。
そして私はレイに弄られて鬼人キトラになった…っと。
あの日から楽になったなぁ…全てから解き放たれたようにね。
私は力の盲信から救われ力は信念となった。
扉が開かれ私はまた今日も
「おかえり、お兄様」
っとお兄様をまた迎えるのだった。
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「ただいま、キトラ」
「この子らも酷い過去だねぇ…」
「まぁ仕方ないね」
そう言って俺は頷いた。
「あいつらはもう良いのか?」
「うん、いいよ!」
「なら良いか、ありがとなキトラ」
そう言って俺はユグドラを背負って帰った。
…。
「エンド、もうそろそろ新しい戦場に行くんじゃない?」
「あぁ…そう言えばそうなるんじゃないかな…」




