表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年は悪魔となる   作者: ルシア
第三章・契約
28/69

26我は王なり

ふう…やっと終わった…。


「終わったし彼らを回収しないとね」


あー…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

sideキトラ

彼らは寝てしまった。


「にしても…」


あどけない寝顔だな…。


「兄様もそう思ってたのかな?」


聞けば聞くほど私達は似ていた。

ユグドラ、彼はここからの脱走者らしい。

22、そんな風に呼ばれていたそうな。

彼はここから追放された21を追いかけていったらしい。

21とはメフィストの事、彼女は優し過ぎたんだ。

虫が死ぬ事すら可哀想と言うような少女。

人間としては良いが兵器としては悪い。

私にもこんな純粋な時もあったんだよねー…。

……………。


「お母さん!お母さん!!!」

「ごめんね…?キトラ」


そう言って母は殺された。

私は王都のスラムで生まれた。

私の父は誰なのか教えくれず、母は優しい人だった。

私の母は、強盗殺された。

仕方の無い事だ、私らが居るここはスラム、弱肉強食の法の無い世界。

唯一の法はここの外の人間には表だって手を出さない事だけ。

私らは弱いから負けたんだ。

ここに居る肉食獣も様々だ、ねずみのような雑魚からライオンのような強者まで様々だ。

私にはそう思うしか無かった。

だから私は肉食獣になった。

最初になったのはねずみ、誰も居ない所か女一人の家を狙い、わずかなパンを手に入れた。

私は人間の住む住宅街の屋根の上で寝た、そして夜になるとまたパンを探しに行った。

だけど、ある日を境に私は変わってしまった。

………………。

…あんな所に子供が…。


「一人でどうしたの?」

「…お父さんが…」

「…そう」


私は袋の中に入れたパンを全てこの子に渡した。

ただの自己満足だった。

私は明日もその子にパンを持って行った。


「え…?」


私がそこで見たのはパンを持って行った布と胸を刺された子だった。

私はあの子に近づく。

鋭いナイフだった。

私はその日、鋭い牙を持つ蛇となった。


「ごめんね…」


………………。

私はその日から肉食獣を襲った。

私は少しずつ力を付けて行き、私は有名になって行った。

スラムの一番奥の屋敷、そこで沢山の弱者と暮らしている。

私が肉食獣を襲うようになってから私に着いてきた草食獣だ。

私は彼らに武器を、居場所と食べ物を与えた。

私はよく死に掛けたが最後に切り札となったのはいつもあのナイフだった。

私はライオンも狼も豹も、殺した。

私はドラゴンだ、この世界の全てを凌駕した。

この力で。

あの子から牙を貰った時、声が聞こえた。

(血の渇望が発動。権能【弱者】がレベル0/1から0/1成長しました。

レベル最大、進化します。権能【適合者】に進化…成功。

スキル【補助者】が成長、権能【ラプラス】に進化しました。)

そう声が聞こえ、私はその日から沢山力を手に入れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ