第28話 チーム名「ピースメーカー」
女〇転生というゲームを知っている人は、クスッとするかもしれません。
「中間テストも大事だけれども、体育祭に向けて仲間の連携を高めておいたほうがいいかも」
僕はみんなに、そう提案した。
「そうだな。……というか、中間テスト対策でみんなで勉強して、その後に連携の訓練をしたらどうだ?」
晶がそれに対して、答えてくれる。
「それはいいアイデアですね……そういえば、二年生は『メギドファイア』というチーム名をつけていましたが、私たちもチーム名を決めたほうがよろしいのではないでしょうか?」
漣が晶に続けて、意見を出した。
「みゅ……みかんはそういうの苦手。いいアイデアを募集する」
みかんはどちらかというと、休み時間にもう少し眠りたいようである。
「しかし、メギドファイアに対抗できるくらい、カッコいいチーム名か……なかなか難しいぞ」
久朗が頭を抱える。
メギドファイア――神の炎に対抗できるような名前か……。
「ねえ、『ピースメーカー』というのはどうかな?」
僕がそう提案する。
「平和をもたらすものという意味合いなんだけれども、僕たちに合った名前だと思うよ」
「ピースメーカー……拳銃の名前にもあるが、悪くない響きだな。私は賛成だ」
久朗はわりと、好意的なようだ。
「おっ、それいいね! それで行こうぜ!」
晶も賛意を示す。
「平和をもたらすもの……私も賛成です』
漣も味方してくれる。
「みゃ。ちょっと中二っぽいけれども、いいと思う』
みかんも消極的ではあるが、賛成してくれた。
「それじゃあ、僕たちのチーム名は『ピースメーカー』という事で!」
こうして一年生のチーム名は、ピースメーカーに決定した。
「後は、中間テストの勉強だが……今日は学校の図書室を使おうと思うが、どうだ?」
久朗が意見を述べる。
「僕は賛成だよ。正直少しでも勉強して、いい成績を取りたいから」
「俺もいいぜ。結構資料もそろっているし、芙士西図書館に行くより楽だからな」
僕と晶が、まず賛成した。
「そうですね。みかんの学力を、何とか底上げしないといけないですし」
漣がみかんの首根っこを後ろから捕まえて、逃げられないようにしてから賛意を示す。
「みゃっ! そんなことをしなくても、逃げないにゃ!」
みかんはなすがままに、ぶらりと脱力しながらそう答えた。
この芙士高の図書館には、本を読むスペースのほかに勉強ができるブースが備え付けられている。
授業が終わった僕たちは、そこに集まることにした。
「ヒーロークラスの場合、通常科目に加えてヒーロー関係の勉強があるのが厄介だな……結城もそこで、苦戦しているようだし」
久朗の言葉が、すべてを物語っている。
元々この芙士高は、偏差値の高い学校である。
そのため集まる生徒は基本的に優等生なのだが、ヒーロークラスの場合通常科目に加えてさらに、ヒーロー関係の法律などについても勉強しなければならないのだ。
「ヒーローとして活躍するんだから、通常科目は免除してくれてもいいのに」
僕が思わず、ぼやいてしまう。
「まあ、ヒーロークラスを出たからといって、必ずヒーローとして仕事するとは限らないからな。将来への投資だと思えばいいだろう?」
久朗はそう答えるが、それは「勉強ができる人の理論」だと思う。
「こらみかん、さっそく眠ろうとするんじゃない!」
晶が机にダイブしそうになっていたみかんに、注意と軽いげんこつを加える。
「みゅ……文系は大の苦手」
みかんは文系科目が苦手なようだ。
「理系だけだったら、それなりに頑張れるんだけどにゃ……」
ちなみに僕たちの学力は、こんな感じである。
結城――平均より少しだけ上。ヒーロー科目については苦戦中。
久朗――上位50人に名前が載るレベル。ヒーロー科目もバッチリ。
晶―――平均レベル。ヒーロー科目も平均点を確保している。
漣―――平均よりかなり上。文系科目を得意としており、逆に理系が苦手。ヒーロー科目はやや得意。
みかん―平均以下。理系だけは平均を大きく上回るが、それ以外はかなり苦手。
「目標としては、全員赤点を取らないことを最低レベルに設定しようと思う」
久朗が僕たちに、宣言した。
「そのくらいならば、何とかなりそうですね……みかんも受験を合格できたのですから、もう少し頑張りましょうね」
漣がみかんに対して、諭すように声をかけた。
「みゅ……赤点回避だけならば、頑張れる」
みかんも少しだけ、やる気が出たようだ。
勉強の後は、少しだけ連携の訓練を校庭で行った。
基本的に僕が攻撃担当、久朗が牽制、晶が相手の攻撃を引き付ける役目、漣が回復と支援、みかんが援護射撃というスタンスのようだ。
結構バランスがとれており、チームで戦う上で大きな問題はなさそうである。
体育祭までに更に連携を高めて、少しでも二年生に太刀打ちできるように頑張らないと!




