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再審の男  作者: 藤澤トオル
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説明

 開拓済地域最東端の街まで移動する馬車の中で、陽介はアリシアにあることを尋ねる。

「そういやさ、『個人スキル』ってことは『個人じゃないスキル』もあるのか?」

「そういえばあなた何にも知らなかったわね。いいよ、教えてあげる」


 アリシアが教えてくれた事をまとめると次の事だ。

・まず、スキルは3種類あり、『個人スキル』、『種族スキル』、『職業スキル』に分かれる。

・『個人スキル』はその名の通り、その人の趣味や知識などに基づく能力のこと。最も数が多く、総数を把握できていない。

・『種族スキル』は、獣人やアンデッド、エルフなど種族毎に与えられるスキルで、原則通常の人類にはない。このスキルランクが高いほど種族としての影響が大きく働き、メリットにもデメリットにもなりうる。

・『職業スキル』はその人が専門としている職業の経験の中で得られるスキル。転職などを多く繰り返す者はこれの該当数が多い代わりに平均値が低いことが多い。

・趣味で職業の域まで極め、『職業スキル』を『個人スキル』として獲得するものも少なからずいる。


 「じゃあ俺はまだ開拓者としてはなにも経験していないから『職業スキル』はなにもないのか」

「そうね、まあ私も開拓者に関しては知識としての段階で、本格的な開拓経験はないから低いよ」


 陽介はついでに他のことも尋ねる。

「他にも知りたいんだが、総合レベルってことは何かのレベルの合計なのか?」

「その通り」


・総合レベルは先程の3種類のスキルのランクと成長度によって決定する。

・総合レベル上昇による恩恵はスキルレベル上限の上昇、基礎身体能力の上限上昇などである。あくまでも上限のみであって、訓練を積まなければステータスの向上はない。

・経験値とレベルが一致しない場合は、才能あれど腐らせている場合か、偏った経験を積んでしまっているせいでスキルが上限に達してしまっている場合など様々である。

・スキルランクによるレベルの目安はSが11以上、A~Eへ10から2刻みで変化である。


 「だからヨースケの場合は、レベルに対する人生経験足りてないから力をもて余してる状態。強制的に基礎身体能力にロックがかかってる」

「勉強になる。じゃあ俺が『高速学習』で身につけたことはレベルには反映されないのか?」

「そうなんじゃない?どんなに学習してもスキル取得による総合レベルは上昇しない。逆に言うと、スキルで判断する相手に対してあなたは滅茶苦茶強いわ」


 その後も様々な話をしていると、やがて最東端の街へと到着した。ここにも宿泊施設や武器店があるが、ビザンティスのに比べると大分劣る。2人はまず情報収集を試みた。いくら情報が宛にならないと言っても、目安にはなるはずだ。

 そんな中である話を聞く。

「あんたら開拓者か。だったら『開拓者組合』に行くといい。色々良くしてもらえるよ」


 教えてもらった通り『開拓者組合』に行くと、集会所とは似て非なる空間になっていた。集会所よりも多種多様な人達がいるうえ、開拓者らしからぬ人もちらほら見えた。

 とりあえず受付に行き、何をしてもらえるか尋ねる。

「すみません、これから開拓に向かいたいのですが、ここなら様々な効果を得られると聞いて訪れたもので...」

「ああ、それならこれらをどうぞ」

白紙の多い地図と、方位磁石らしき物と剣の様な物を渡された。

「これらは?」

「現時点で判明している地域を記した地図です。これは地図に書かれている地域にのみ有効な方位磁石。そしてこれが『固定剣』です」

方位磁石の使い方はさすがに知っているが、最後の道具は知らない。元いた世界にそんなものはなかった。

「『固定剣』はなにに使うのですか?」

「自分が『最初の開拓者であることの証明』に使います。これを未開拓地域で突き刺すことによりそれまで通った道と共にこの地図に反映されます。また、この効果は全ての所有者に反映されます。魔術や専用施設による検索を用いれば開拓者の名称も知れますよ」

 『セルフ伊能忠敬キット〈異世界版〉』というところだろうか。なんにあれ、あらゆることに役立つだろう。


 2人は礼を言ってからそこを後にし、地図を確認する。

「ここからだと...真東は開拓者が多そうね。ルートが色んな線になってて気持ち悪い」

「安全だが新しいことは発見出来なさそう...と。こっちはどうだ?北東ルート」

「防寒装備ある?」

「現地調達でいいだろ」

「わかったわ。頼んだわよ、『高速学習』使いさん」




 街を出てから北東に進むこと数日、未だ他開拓者の開拓済みルートを進んでいるところでそれは

起きた。

 草むらからなにかが飛び出してきたのだ。2人はすぐに臨戦態勢をとる。未開拓地域では一瞬の判断の遅れが生死に繋がるからだ。だが、すぐに解いた。飛び出してきたそれが明らかに手負いであったからだ。

 それは...彼女は概ね人の姿ではあるが、ところどころに獣に見られる特徴を持つ、所謂『獣人』であった。

彼女は片足を引きずりながら2人に懇願する。

「お願いします...私を...私達を...助けて!!」

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