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0’S  作者: ぽかねこ&フレミィ(仮)
第一章 始まり
3/3

雀とゴキブリ

昨日家に帰ると物凄い倦怠感と眠気が襲い、


そのまま倒れるように寝てしまった。


ピピピピピピ


「ん?朝か」


いつもの携帯のアラームの音に目を覚ました。


「そういえば昨日そのまま寝ちまったな」


朝から風呂に入る気力も無いのでシャワーを浴びようと服を脱いだ時に違和感を感じた。


「なんだこれ?」


右腕に三本の線上に黒い痣が!


「こんなの昨日まで無かったはずだが、まさか!昨日のアレで…いやアレは疲れて見た夢だったはず」


不安を断ち切るように急いでシャワーを浴びて学校へ向かう。

白息を吐きながらいつものコンビニへ向かい、いつものパンを買い。

ストレスの原因の学校へと出勤する。


「おはようございます、教頭先生」





「元気がないな、そんなんだから生徒に舐められるんだよ」





「はあ」





「言っとくがクラスの問題の原因のほとんどは君のせいなんだから」





いつものように教頭のお説教だ、自分じゃ何もしないくせに!





「すみません、朝のホームルームの準備が…」





「ああ、くれぐれも問題は起こすなよ」





やっと解放された。





「○○君、あんまり気にしちゃだめよ」





一個先輩の○○(女性先生)が声をかけてれる。





「はい、ありがとうございます」





御礼を言いながら準備をしてホームルームへ向かった。





「はい、おはようございます」





クラスに入って声をかけるが誰も聞いて無いいつものことだが。





「ちょっと静かにしなさい!」





委員長が全員を叱りつける。


「ホームルームの時間でしょうが!」


「いや、そうだけどさ~別にどうでもいいでしょ先生の話なんて」


「ダメよ!そもそも毎回言ってるけどホームルームっていうのは…」


とても出来た子だが話が長いんだよなこの子。





「はいはい、分かったからもう~一体どんだけしゃべんだよ、先生しゃべる時間ほとんどなくなってるぜ」





ハッとして委員長が時間を見て顔を真っ赤にしながら。





「そもそも先生がいけないんです!もっとしっかりしないから私が!」





ガラガラ





その時後ろのドアが開き黒髪に少し青い色を染めたやや長めの髪を揺らしながら一人の生徒が入って来た。





「ちょっと!布九君遅刻よ」





委員長が叫ぶ。





「いやいや、ギリギリセーフっしょ」





「おお!超セーフだぜ」





彼の取り巻きが騒ぎ出す。





「も~~!先生しっかりしてください、だからこんなにクラスが荒れてるんですよ」





「はあ」





そこからまた暫く委員長のお説教が続き。





キンコーン カンコーン





「ははは、今日も委員長のホームルームが終わったな」





「うるさい!」





時間も無いので急いで出欠だけとってクラスを後にし、職員室に戻ると買ったパンを片手に屋上へと向かう。


 イラつく気持ちを抑える為にホームルームが終わるといつもココで朝飯を食べている。








「いつもの事とは云え、やってられないな」





パンを齧りながら空に向かって叫ぶが意味など無い、


そんな俺に寄って来るのはパン屑を食べにくる鳥位なものだ。





「お前たちが生徒だったら良いのにな~」





ダメだな~ストレスで病んでから昨日みたいな幻覚をみるんだ。





「情けないよな、一泡吹かせてやりたいがそんな勇気も無いしな…イタ!?」





その時右腕にズキッとした痛みを感じた。





「何だ?」





痛んだ右腕の袖を見てみると朝見た3本の痣が1つになっていた。





「この痣が痛んだのか?」





恐る恐る触ってみるが痛みはなかった。





「気のせいか?」





特に異常も見られなかったので、又痛むようなら湿布でも貼ろうと思いつつ、食事を切り上げて次の授業の用意に社会科準備室へと戻った。


 結局のところそれ以降午後になっても痛みはなかったので何ともないんだろ。


そしていつものように一日は過ぎて行き。





「では、ホームルームを始める。委員長、生徒会からの連絡を」





「はい。現在学園周辺で変質者の報告があり…」





やっと今日も終わるな~





「布九君、あなた私の話聞いてるの?」





ああ、また委員長の悪い癖が。





「ああ、聞いてる。聞いてるから早く終わらせてくれよ。帰りにゲーセン行きたいし」





「ちょっと、ゲームセンターへの入店は校則で禁止されているでしょ」





「あーわかった、わかった」





もう、何でも良いから事を荒げないでくれないかな~


また、昨日みたいに精神的に疲れて変なモノ見たくないし…





「先生」





「あ、はい」





「はあ〜ボーっとしてないでしっかりして下さいね」





「えっと職員会議の方から変質者が…」





「それ委員長から聞いたし」





「ははは、しっかりしてよね○○先生」





「それにその変質者先生なんじゃないの?先生昨日スリッパで帰ったよね」





犯人はコイツか、昨日帰る時に靴が無くてメチャメチャ困ったし、


なんか昔苛められたことを思い出して…ああ、昨日あんな幻覚みたのはそのせいだったかもな、


トラウマで精神的に追い込まれて、昔もそんなことがあったような気がするし。





「嘘!超ウケる~写メとかないの?」





「あーソレな、忘れてた今度撮っとくわ」





「ちょっと静かにしなさいよ!先生も先生らしく注意して下さい」





うるさいな!人の気も知らないで!お前等なんかみんな敵だ!





「なんだよ!うるせえな!」





「きゃあああーー!」





「おおお前背中に…」





「なんだよ⁉︎」





「ごっごっゴキブリが居んだよ!!超気色悪りー」





「嘘だろ⁈おッオイ取れよ」





「ギャ〜〜!近寄らないで、こっち来んなっ来たら酷いわよ!」





「おい!委員長イスを置け危ないから」





「ゴキブリが居ないぞ、どこ行った!超怖いんだけど」





「イヤーー!来んなーーっ」





委員長がイスを振りかぶった!





「委員長待て!」





 良い気味だな、しかしゴキブリ如きでキャーキャー騒ぐなよ、


そんな風に思いながら滑稽な状況を見ながら心の中で久しぶりに笑った。


 最終的に布九が飛び出して行って事態は収拾したが。





「先生!ゴキブリの駆除を申請して下さい」





「ああ、わかった」





「なに笑ってるんですか」





「あ、いや用務員さんには言っておく」





「お願いしますね!」





しまった、自然の笑みが出てしまった。


ちょっと爽快な気分になりながら用務員室に向かったが誰も居なかった為、


後日にしようかと思いつつ、むしろまた出てくれないかと思った。





その後、溜まっている書類と、明日の準備をして帰りの準備をしていると。





「あら、○○君めずらしいわね。今日は笑顔で良い事でもあったの?」





「え?そうですかね、まあそんなとこですかね」





「そう、よかったわね」





○○先生は優しいな~そんな風に思いつつ仕事を終えて、


いつも通り下校しようと最下段の下駄箱を開くと。





「またか」





下駄箱に靴が無い、気持ちがまた落ち込んできたが…





「あれ?」





下駄箱の下の地面に小石が不自然に並んでおり、ずっと続いている。


そしてソレを辿って行くと近くの倉庫へと繋がっており、


倉庫を開けると俺の靴が投げ込まれていた。





「一体誰が?」





不思議に思いつつ靴が戻って来たことに安堵して車に向かった。





車を開けて荷物を後部座席に乗せたときに、


強い風が吹いてきて葉っぱか何かが入り込んでしまったが、


今日は気分が良いので気にもせずそのまま家路を急いだ。





「今日こそはゲームクリアするぞ」





買ったばかりのゲームを昨日できなかったので、今日はその分思いっ切りやろうと思っていた。


内容はRPGで魔王を倒すというオーソドックスなモノだが、このゲームの売りはテイマーが主人公で魔物を駆使しながら戦うというとこだ。





「テイマーって好きなんだよな、敵だった魔物が起き上がって味方になる!その仲間にするときのドキドキ感も良いし、弱いモンスターがレベル上げて強くなって強敵を倒すってのも醍醐味だよな」





そんなことを考えつつ気分よく運転していたが…





「そういえば、昨日ここで幻覚見たんだよな」





昨日幻覚を見た道を走って居た時だった。





「あなたも上手くやったようね」





「!」





誰も居なかったはずの助手席から女性の声が聞こえそちらを見ると。


そこには和服で、黒髪を綺麗結った女性が!





「あ、あなたは!?」





「あら、まだ記憶が曖昧なのかしら?まあ良いわ、どうやら僕も2体確保したようだし」





「し、僕?」





「ほら」





そう言って後部座席をに目をやったのでそちらを見ると、


そこには一羽の雀が!





「あとはそこね」





俺のカバンからゴキブリが!





「まだ、私の方は力が戻ってないの。準備が出来たらまた会いましょ」





そして、次の瞬間女はスウッと消えた。


慌てて車を路肩に止めて辺りを見回したが誰も居ない。





「また幻覚なのか?」





そう思って車に戻ったソコには、幻覚では無い


『雀』と『ゴキブリ』が居た。



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