第7話 いよいよ女子の制服で通学だーっ。
いまや野党まで、LGBTについて盛り上げようとしています。すごい時代です。性転換希望者にとっては優しい時代になったとは思います。女装、男装で学校に通う生徒が増えるのかな。どうなんだろう?マスコミ報道では、男装で中学、高校に通う女性を取材していたのを見たことがあります。でも、その逆は厳しい感じですね。やはり、女性がズボンを履くのを認めても、男性がミニスカートで学校に通うなんて運用面では受け入れがたいものがあるかもしれません。今後が気になります。
さてさて、今後は週末の土曜か日曜に1話更新のペースでやっていきたいと思ってますのでよろしくです。
如月常葉です。
夏休みが終わって9月です。
ついに、女性への性転換治療を開始しました。
8月下旬から開始しました。
早く始めないと男性化が進んでいくので、一刻の猶予もならないと思って決心したのです。
できれば、高校生のうちに性転換手術をタイでしたいと思っています。
性転換はいろいろ体に負担を強いるけど、もう決めました。
友達の朝陽も応援してくれるし、もちろん家族のバックアップがあります。
私は、夏休み前から、プライベートでは完全に女子の生活をしていたので
「これが自然だ。」と思いました。
さて、女子の制服で高校に通う件ですが、
両親が粘り強く交渉して結果が出ました。
結局、
今通っている高校では認められなかったのですが、別の高校に転校すれば認められることになりました。
別の高校とは
朝陽が通っている高校です。
今通っている高校と同じ県立高校なのですが、校長がLGBTの支援に積極的なようです。
高校のレベルはほとんど同じで、問題はありません。
しかも、
制服が今の高校より可愛いの。
これは嬉しいな。
気持ちがハイになりました。
そして、私は希望を出します。
「朝陽と同じクラスがいい!」と。
友だちでかつ私の事情を理解してくれる朝陽のそばにいたいと考えました。
朝陽、迷惑かな?
私が近くにいると恋愛しにくくなるかも。
でも、クラスの女子にはふられたって言ってたから気にしなくていいよね?
あ、学校に一緒に行ける。
帰りはともかく、行きは一緒に行けるよ。
家近いもん。
今の学校は朝陽の学校と別方向だから、
通学経路が全然違っていて朝陽と会うことなかったけどこれからは一緒だ。
へへへ、朝陽、一緒に学校行くの嫌かな?
転向するのは10月初めだ。変な時期の転校だけど、うまく溶け込めるか心配。
学校側は私を女性の心をもった男子生徒という位置づけで全校に紹介するみたい。
そして、体の女性化をすすめていることも説明してくれる。
LGBTへの理解を深めるようにという指導もするって。
すごく感謝するけど、反発とかないといいけど。
生徒は私のような人間を受け入れてくれるかなあ?
こういうこと考えると、朝陽が近くにいれば、守ってくれそうって思っちゃう。
だって、夏休みの時に、変な男から守ってくれたもん。
同じクラスにしてくれるといいなあ。
それにしても、ワクワクしている。
制服を着るのが楽しみだし、体の変化も楽しみ。
オッパイができて、ヒップに丸みができて、くびれができるなんて超うれしい。
顔も、もっと可愛くなれそう。
もともと女顔だけどね。
体つきが女っぽくなれば、朝陽はどう思うだろう?
女性に近づけば、やはり男子が恋愛対象になるよね。
でも、誰でもいいわけではない。
安心して一緒に入れる男子がいい。
となると、朝陽が彼氏になってくれるといいなあ。
すごくしっくりくるんだけどなあ。
抱きしめられたときはうれしかった。
まあ、友達として、励ましただけだろうけど。
でも、ちょっとは私のことを女性として、見てくれてるんじゃないかな。
うー、同じクラスになったときに私をどう扱うんだろう?
予想できないなあ。
とりあえず、スタイルがよくなるようにがんばろう。
ホルモン治療すると太りやすくなる可能性もあるしね。
いい女、可愛い女であるようにがんばらなきゃ。
そして、9月の中旬、いろいろ細かいことが決まり、私は朝陽の家に直接説明に行くことにしました。
何と、希望が通り、私は朝陽のクラスに入れてもらえることになりました。
事前に、女子の制服で高校に行けることになったということだけ伝えます。
土曜の夜にあらかじめメールを打ったあと、食事を終えた時間を考え、8時過ぎにお邪魔しました。
かっこは、男装です。
アンクル丈のパンツにカジュアルシャツという、いつもの無難なかっこ。
メガネもかけてます。
「あら、いらっしゃい。常葉ちゃん。
ホルモン治療開始したんだってね。
これから、どんどん女の子っぽくなるわね。
楽しみだわ。」
朝陽のおかあさんが、にこにこして私を迎えてくれました。
朝陽の家族は私の事情を全員知っています。
夏休みの下旬には、朝陽の家で朝陽の家族と食事もしているんです。
うちでの食事会のお返しでした。
そのときに説明したんです。
そのときは、久々に可愛いかっこ、つまり思い切りフェミニンな女子のかっこでお邪魔しました。
朝陽の家族は実に好意的で、お父さんは私のファンになってくれたんです。
「まるで、アイドルみたいだなあ。
可愛いよお。いいなあー。」
なんて鼻の下を伸ばしてほめてくれました。
朝陽の中学生の妹も
「うそ、可愛いっ!
仲良くしてください。」
なんて言ってくれたんで、いまやSNS仲間です。
しょっちゅう連絡を取り合うようになりました。
お母さんは、
「あらー、可愛いっ。
ついに、朝陽に彼女ができたのね。」
なんて、冗談みたいな言い方をしました。
朝陽は
「友達だよ。変な言い方するなよ。」
なんて怒ってましたけど。
話は戻ります。
朝陽の家に説明に行くと、なんとリビングに通され、
朝陽以外に、お母さん、妹さん、そして、お父さんがそろっています。
「わりい。何か、うちの家族さ、常葉が女子の制服で学校に行くことが決まって、
詳しい説明しに来るみたいだっていったら、みんな詳しいこと知りたいって言うんだ。
興味津々なんだよ。ここで説明してくれないか?」
「うん、いいよ。
じゃあ、話すね。
おかげさまで、女子の制服で高校に通えることになりました。」
「それはよかった。」「うん。」「制服姿楽しみだなあ。」「そうかー。」
「でもちょっと条件がついたんです。
実は、女子の制服で通う高校は、今通っている高校ではなく、朝陽の行っている高校になりました。
しかも、同じクラスになっちゃいました。」
「げっ、本当かよ。冗談だろ?まじか?」
朝陽はなんか、軽くショックを受けています。
続けて私が説明する。
「もちろん、普通の女子として、転校するわけではありません。
女子の心をもっている男性として転入します。
女子の制服を着て、女子と同じように行動することが許されるんですが、
トイレや更衣室は職員用のものを使うことになりました。
また。学校側は、全校生徒と全教師に対し、LGBTに対して理解を示し、ふつうに接するように
転校前に指導するそうです。
あ、転校は10月のはじめです。」
「よかったね。常葉ちゃん。うちの朝陽にはちゃんとボディーガードになるように言っておくぞ。」
「常葉お姉ちゃん、お兄ちゃんとラブラブになるね。」
「学校もクラスも一緒なら、勉強も助け合ってね。一緒の大学にいけるように。」
またしても、家族は好意的でした。
妹さんの発言はちょっと問題だとは思いますけど。
(朝陽は全く相手にしていません。無視しています。)
朝陽があきらめたように言います。
「そっか。そうなら、朝は一緒に登校するか?」
「うん。」
とても嬉しかったのは言うまでもありません。
今日、休日ブックオフしてきました。立ち読みしたのが、「父で娘 (パパデコ)」という作品。全2巻。男勝りの母親とサッカー部に所属するイケメンの母子家庭のところに、新しい父親がやってきます。母は再婚です。なんと新しい父親は26才で、可愛らしいフェミニンな服を着た小柄で華奢でとても可愛い女装趣味の男性でした。趣味というか、24時間そのかっこで暮らし、職業も洋服屋さんの店員さんで誰が見ても可愛い女の子なんです。イケメンの息子は父親に対してエッチな感情が湧きそうになって大変という事態になります。でも、さらにヒロインが出てきます。サッカー部のマネージャーをやっている朝霧満という少年です。背が低く、華奢で、髪の毛をのばしていて、メガネをかけている女の子っぽい雰囲気ありありの少年。女装趣味で、女装するととてつもなく可愛くなります。眼鏡を取ってコンタクトにして、ロングヘアのウイッグを被ると別人です。女の子の時の名前はミチルで、最初は誰もが満と気づきませんでした。結局、主人公である息子は男性とわかってもミチルと恋愛することを受け入れていきます。私の物語に出てくる性転換少年と容姿が通じるものがあり、興奮してしまいました。うーん、満足。