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第6話 女性になる?

朝陽のドキドキが伝わればいいな。

朝陽です。


食事会のあと、俺は風呂をいただき、俺は

常葉の部屋で待たされている。


今は常葉が風呂に入っている。


俺は常葉の部屋で寝ることになっており、常葉のベッドの横に布団が敷かれていた。


「なんか、やばい。」


俺は思わず独り言を言った。


だって、常葉の部屋は中学の時と全然違っていた。

はっきり言えば完全に女子の部屋だ。

家具、ベッド、カーテン、小物などすべて女子高生の雰囲気である。

本棚に少年向けコミックやアニメ関係のものがあってちょっと安心する程度か。


はっきり言って女子の部屋に女子と二人きりで寝る気分だ。


ドキドキする。


気持ちを落ち着かせるために、

俺は本棚の中からコミックを取り出し、読み始める。

夢中になって読んでいると常葉が部屋に入ってきた。

ドライヤーで乾かしたばかりのロングヘアは色っぽかった。

でも、焦ったのはルームウエアである。


いかにも、女の子っぽい可愛らしいデザインだった。しかも胸が出てる。


こいつ、寝る時もブラ付けてるのか?


「常葉、胸出てるけど、寝る時は

下着外さないのか?」


「うん、外すと胸が無くなっちゃうから寂しくて…

でも寝る時用のブラなんだ。

楽チンなやつ。」


「そう…なんだ…

徹底してるなぁ。」


ベッドに腰掛けていた俺の隣に、少し離れて

常葉が座った。


「驚いたでしょ?私の性転換話。」


「驚くよ。

女子の制服で学校に行くというのも、信じられない。」


「けっこう悩んでるんだ。

女の子になりたいって気持ちはあるんだけどさ。

簡単じゃない。


よくニューハーフの人が言うように、幼いころから男の子が好きだったってことは

全然なかったんだ。」


「おお、そのはずだ。

常葉が男が好きだなんて話は聞いたことがない。」


「ふつうに女の子がずっと好きだった。

でも、矛盾するんだけど、家族や周りの人たちに女の子みたいだとか、

女の子に見えるってずっと言われてきて、

自分は女の子として生きていく方が向いているのかなって思う気持ちも

幼いころからあったんだ。

誰にも言わなかったけど。」


「確かに、女の子みたいだったからな。

ずっと。」


「でもね、中学生になったら、身長が伸びて、体格が変わって、男っぽく

なるだろうから、女子にみえるのは小学校までか中学1年くらいまでかなって

予想してた。だから、女の子になっと方がいいかなっていう気持ちは封印してた。


ところが、中学3年生で身長が止まっちゃってさ、

男性としては貧弱で、女子に見える容姿のまま高校1年になっちゃった。


これは、性転換したほうがいいってことかなあって思い始めたんだ。」


「そうだったんだ。

それで、どうなんだよ。

好きな性別は女性なのか?男性なのか?」


「うーん、それが、最近わからなくなってきたんだ。

女の子好きになっても、全然男性として見てくれないのに。

女の子のかっこで外出すると、すごく男性に注目される。

男性のこと好きになっちゃおうかな?

なんて思い始めた。


ごめん、せっかく泊まりに来てくれたのに、こんなこと言って。

気持ち悪いよね?」


「いや・・・(確かに、俺、好かれてるんじゃねえか?と思うと

変な気持ちになるけど。)。

まじめな話だからな。真剣に悩んでくれ。」


「容姿的には女の子になった方が似合うと思うんだけど、

でも、性転換って、体のホルモンバランスを変えるような治療をするし、

体を作り替えちゃうから、健康ではいられないんだよね。

いろいろ問題ありあり。

健康でいたいのなら、やるべきではないんだけど。


でも、最近、無性に女性の体になりたくってさ。

女性として生活すると、いろいろしっくりくるんだ。

どう思う?」


「いや、一生のことだから、自分で決めるしかないだろう。

ホルモン剤を体に入れるとか、手術をするとか、すごいことだからさ。

やらない方が、健康でいられるのは間違いないだろうけどさ。

でも、一生は一回しかないし、

納得できる生き方っていうのも大事かも。

あとは家族の考え方かな。」


「すごい、いいアドバイスだね。

家族は女の子になってほしいっていう意見で一致している。

後は、自分の決心かな。


どうしよう?」


そこまで言うと常葉は、急に黙ってしまう。


そして、涙を流し始めた。

どうしていいかわからなくて、苦しくなったようだ。


俺は急に体に衝動が走った。

思わず常葉に近づき、抱きしめてしまう。

電車の中でも抱きしめてしまったが、今回は完全に自分の意思だ。


「どう決心しようと、俺は常葉を応援するよ。

友達だろ?

よく考えて、進むべき方向を決めろよ。

見守るよ。」


「ありがと。」


常葉は俺を抱きしめ返してきた。

「朝陽って、大きいよね。

男っぽい。

たくましい。

こういう体だったら、女になりたいなんて思わなかっただろうな。

うん、何か勇気が出てきた。


女の子になる方向で進むと思う。

これから、よろしくね。」


常葉は俺に強く抱き着いたままで動こうとしなかった。


その瞬間俺は、

しまったーと思った。

この流れで行くと常葉の恋人になっちまうぞ。

でも、そんなことは言えない。

やや強引に、常葉から離れ、

「さあ、少し元気になったようだな。

アニメとコミックの話でもしようぜ。」


「うん。」


そこからは、いつもの男同志の友人に戻った。


危なかった。


二人きりでいるから、キスでもしてしまいそうだった。


それにしても、抱き心地いいし、可愛いし、困るなあ。


これで、体が女性化、オッパイとかできて、股間がスッキリしたりすれば、

俺、好きになっちゃうかも。

俺の方もどうしよう?だよ。



そして、夏休みは経過していく。


夏休み中、俺と常葉は数日に一度は会って遊んだのだが、その際の常葉の服装は男装だった。


男装っていうのも変だが、ジーンズや男性用のハーフパンツにカジュアルシャツという

かっこで、女装ではなかった。


髪の毛も、後ろで束ね、メガネを装着。


おなじみのスタイルだった。


それでも女子に見えるのだが、俺の方の心は安定する。


可愛いかっこされると、心が乱れるのだ。


そして、夏休みの終盤、ついに常葉から聴かされる。


「性転換の治療を本格的に始めたよ。ホルモン投与開始した。

もう、後戻りはできない。

これから、ちょっと顔も体も変化するけど、よろしくね。

2~3か月すれば、変わってくると思う。


私、決心したんだ。


女子の制服で学校に行けるかまだわからないけど。

とりあえず、9月になったら、男子の制服で高校に行く。」



ついに、変化の時期が来たか!

俺は、一人の人間の決断力に感心せざるを得なかった。



常葉はそのあと、スカート姿でうちに遊びにきた。

可愛すぎる姿に、うちの家族が驚いたのは言うまでもない。


女性化って簡単ではない話ですが、あくまでフィクションなので、好きなように書いています。

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