表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/15

第5話 楽しいデートと衝撃の告白

ただの女装好きの友達だと思ってたら、とんでもない事実が・・・

お決まりのパターンですが、よろしく。

朝陽です。


今、東京に向かう電車に常葉と一緒に乗りこんだところだ。



待ち合わせの時は驚いた。


すごく可愛いロングヘアの女の子が、悪そうな男二人にからまれていて、やべえなって思ったら、女の子は常葉だったんだから。


メガネかけてないことや、髪を下ろしていないことで、わかりにくかったけど、長年友だちとしてつきあった関係性からか勘が働いた。


勇気を出して助けることができてよかった。


常葉の変身はすごすぎる。

髪型違うし、メガネもかけてないし、

服装やメイクが女子そのものだ。

ほぼ100%俺のタイプの女の子になっちまってる。


どうしよう?

扱いに困るかも…




ところで、電車は結構混んでる。満員だ。


今、二人は中途半端な場所に押し込まれた。


背の高い俺は吊り革に掴まることができるが背が低い常葉は手が届かない。


常葉は

「ごめん朝陽。

つかまっていい?」

と訊いてきた。


「おお、混んでるからな。いいよ。」


常葉は俺にしがみつく感じになる。


その後、さらに人が乗ってきて押された常葉は、

上半身だけ俺の方に体を強く預ける形になった。遠慮して、足を俺に近づけないようにしたからだ。

不安定で危ない。

常葉はヒールのあるサンダルを履いていてなおさらだった。


「ごめん。朝陽。」


「気にするな。このカッコだと安定しないから、安定させるぞ。」


俺は常葉が安定するように、吊り革につかまってない手を常葉の腰に手を回し抱き寄せる。

前傾姿勢だった常葉は足を俺に近づけ、しっかり抱き抱えられる感じになった。


「ありがと。」


恥ずかしそうに、顔を赤らめ、上目遣いで俺を見上げる常葉。


可愛いいっ!


俺の心臓はドキドキした。


そして抱き心地がよかった。


小柄で華奢な常葉は俺にぴったりだ。

これだよこれっ。

小柄な女の子っていい。

体格のいい女の子だとこうはならない。


身体が密着すると、常葉の頭が俺の顔の下に来るのでシャンプーリンスのいい香りがしてきた。


俺はクンクンしてしまう。


また、ニセモノとわかっているが胸の膨らみが当たる。これにも興奮する。


さらに常葉を抱いている手は、電車が揺れるたびに安定を確保する為、上下したのだが、

その時に、常葉の着ている薄手のブラウスと薄手のスカートに触ってしまった。


女性の服独特の柔らかい感触が気持ちいいと思った。

そして、下着のラインもわかってしまう。


背中.…ブラしてる…


尻は…女もののパンツだ…


と感触でわかるのだ。


まあ、これだけ完璧に女子になりすましているのだから、下着も女物で当然か?


変態だな。


でも許すよ。


この容姿なら、

全く問題ない。



満員電車を下車して、息苦しさから解放される俺たち。


俺は常葉に謝る。


「ごめん、身体、いろいろ触っちゃったよ。

悪い。」

嫌な気分をさせたかもしれないと思った俺は頭を下げる。



「ううん。全然嫌じゃないよ。

友だちだから大丈夫。

気にしないで。

友だちなんだから、気軽に触ってよ。」

ニコニコ笑顔で返答があった。



「わ、わかった。」


よかった。

怒ってない。

むしろ喜んでる?


よし、それなら、気軽に触ろう。


彼女ができた時のいい練習になる。



その後のデートは実に楽しかった。


手を繋ぎながら歩いたり、

ゲーセンのシール写真機で身体を寄せ合って撮影したり、

景色のいい場所では肩を抱いて、景色を一緒に眺めたりした。

常葉は嫌がらない。積極的に応じた。


つまりベタベタするラブラブカップルをやってしまったのだ。


俺みたいに好きな女子を口説けない男子にとって、やってみたいことを全部やってしまった気がする。

さすがにキスはしないけど。


カップルでしか行けないようなオシャレな飲食店にも行った。

会話も元々気が合う友人だから弾む。


楽しいデートだった。


そして夜、俺は常葉の家にお泊まりセット持参でお邪魔する。

我が家から200メートルくらいしか離れていないので気軽な感じだ。


明るくおしゃべりな常葉の両親、大学生の美人のお姉さん、そして常葉と食事をする。

お母さんは張り切って準備したみたいでご馳走が並んだ。


常葉のお父さんが、話しかけてきた。


「どうだった?

女装した常葉とデートは?

可愛いだろう?

近所でもこれだけ可愛い女子高生いないと思うよ。」


お母さんも続けた。


「ウチはお姉ちゃんが美人なんだけど、妹も美人なの。誇らしいなあ。」


あ、この人、息子を「妹」って表現したぞ?

何なんだ!


トドメはお姉さんだった。


「私、妹が欲しかったの。

実現して嬉しい。」


ええっ?何言ってるんだ?


お父さんが笑いながら、

説明する。


「ははは、我が家では常葉はもう女性扱いなんだ。驚かせてごめん。

でも朝陽君、常葉は単に女装している男子じゃない。性転換を検討している男子なんだ。

学校も女子の制服で通えないか、僕と家内で学校に交渉を始めた。」


「ええっ!常葉、本当かよ?」


「うん、本当。性転換についてはお医者さんと相談中。学校の件は親に任せている。」



「性転換が決まればホルモン治療から始めるの。そして、ある程度時間が経ったところで手術するんだよ。こんな可愛いんだもん。

ちゃんと身体を女の子にしないとね。」

お姉さんがすごい説明を加えてきた。


常葉が自分で気持ちを吐露した。

「私、胸が欲しいの。

ペッチャンコなのは、

恥ずかしいんだ。

パッドはもう嫌。

本物のおっぱいが欲しい。


それから

下も余計なものがついているけど

要らない。

作り変えたい。」


俺は衝撃の告白に驚き過ぎて声が出ない。


そこでお父さんが俺に頭を下げた。

打って変わって真面目な口調だった。


「驚いたかもしれないけど、

常葉は今、人生の岐路にいる。

いろいろ悩むし、苦しむかもしれない。

朝陽君にいろいろ支えて欲しい。

頼みます。」


大人に頭を下げられるのは初めてだ。

俺は緊張して返答した。


「常葉は友だちです。

相談に乗りますし、支えます。」


「ありがとう。」


常葉が小さな声で礼を述べた。






友人である身長が高い男性と低い男性が満員電車に乗ると、低い男性はつかまるところがなくて、あたふたします。でも、背の高い男性は別に低い男性を助けないでしょうね。背が低いほうは何とか足を踏ん張って頑張るんでしょう。

女装して可愛いかったら、背の高い男性は抱きしめちゃうかもですけど。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ