表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/15

第3話 デートするか!

女装した友達とのデートってどんな感じでしょうか?

ちょっとびびるかもですね。女装が完璧かどうかがポイントだとは思いますけど。

朝陽です。


もう7月半ばだ。

やばい。もう夏休みだ。

最悪でも夏休み前に彼女を作ろうと企んでいたが、もう無理だ。


実は、クラスの女の子にすでに振られているので、同学年の女の子に早くも手を

出すのはまずいと思った俺は7月の頭に、2年生の女子に告白した。


クラスに一人任じられているある委員の全校集会で知り合った女子だった。


おとなしそうできれいな女子だったのでいけるかな?と思ったが、

大学受験に集中したいから、男子との交際はしたくないという答えだった。


言い訳ではなく、本当にそんな感じの女子だったので、すみませんと身を引いた。


交際申込の件については、誰にも知られないようにやったつもりであるが、

当分、同じ学校で手を出すのは無理だ。

気持ちの面で、参ってしまった。


とりあえず、

夏休み中に出会いを求めるか、9月以降に他の学校の女の子にアタックするか?

と考えこむ。


そんな時、1か月ほど前に再会した中学の友人、如月常葉から突然メールが来た。

如月は男子でありながら、可愛い容姿をもつ個性的な奴だ。



「家族が応援してくれて、最近はプライベートでは女の子になっているよ。

夏休みにデートしてみない?」というメールである。


「まじか?」と俺は思わず声を出す。


冗談で言った女装した常葉とのデート。

その発言を俺は思い出す。


ええーっ?男とデート?冗談じゃない!と瞬間的に思ったが、

俺が言い出したことなのに、やっぱだめだなんて言えない。

デート・・・してみるか・


話のタネになるかもしれないし・・・、つきあってやるか?


それにしても、あいつ本格的に女装しちゃっているのか?

家族が応援してる?

プライベートでは女の子?

なんだそれ?

変態的な家族か?


でも、確かにあいつは可愛い。

どこまで本物の女子に見えるか確かめたい気もする。


俺は返事をした。メールで会話をする。


「まじか?

女装始めちゃったのか?

本当にデートするのかよ?

どこへ行くんだ?」


「秋葉原、原宿、渋谷あたり、うろつこうよ。

メイド喫茶には一度行ってみたいなあ。」


「そ、そうか。

地元じゃないなら、気楽かも。

よし、わかった。行くか。」


話はまとまった。


夏休みに入って最初の土曜日に行くことになる。


なぜ、土曜日というと、デートが終わったら、常葉の家に招かれることになったからだ。

あいつの家族と一緒に食事して、しかも。そのあと、泊まることになった。

まあ、あいつとアニメやマンガの話をすると話がつきないからいいんだけど。


そういえば、中学の時に何回かあいつの家に行って、家族と会話したなあ。

お父さんも、お母さんも明るくてよくしゃべるタイプだ。


お姉さんはすげえ美人だった。


それにしても、一度家に帰ってから泊まりにいくか。

荷物になるのは嫌だからな。


そうだ、今後、本物の彼女ができたときのために、デートの練習になる。下見にもなる。

立ち寄る場所とか、食事できる場所、

名所、景色のいいな場所、研究しとこう。


ところで、デートって、ただ、並んで一緒に観光地や遊園地、公園、映画、ショッピング、食事なんかに行くイメージだけど、いったい何をしたいんだろう?


やっぱり、イチャイチャすることが目的だよな。


お互いに好きあっていることを確認したうえでイチャイチャする。

それで、身体的な接触があると嬉しいものだ。


そういえば、聴いた話だけど、クラスのやつで、正式に交際を申し込まないで、つまり告白しないで、拝み倒して、好きな女の子と映画を見に行ったやつがいた。


やつは、一緒に休日に二人きりで映画を見に行ったんだから、これは付き合ってる状態、もしくは確実に自分に気があると勘違いしてしまった。

そして、帰り際に、今度どこに行く?って聴いて、私、彼氏がいるからだめよと言われて落ち込んだ。


全く交際するつもりはなかったけど、

頼まれたから、一回くらい映画に一緒に行ってもいいかなくらいの感覚の女子だったみたいだ。

女って恐ろしい。

男の下心がわからないわけはないのに、そういう考え方にもっていく。


相手の女子に言わせれば、ちゃんと告白しないで、映画を見に行くって目的だけを伝えられたから、

一緒に行ってあげたという論理みたいだ。


その男は、告白する勇気がなくて、映画を前面に出して誘ったから自業自得だけど。


俺みたいに、玉砕してもいいから、ちゃんと交際を申し込むほうが、変な誤解はなくていい。


気がない相手と一緒に映画に見に行っても、それはデートと呼ぶのは苦しい。


おっ、話がそれたが、つまり、両想いであることが分かったうえでのデートは楽しいはずなんだ。

言い換えれば、両想いでなければ、一緒に行動してもデートっぽくならない。


やっぱり、手をつないだり、腕を組まれたり、肩や腰を抱いたり、デート中に自然にできれば

素敵だ。


そして、うまくいけば、デートの最後の方でキスとかできれば最高だ。


まあ、最初のデートでは手もつなげないケースも大いにあるとは思うけど、相手が好意をもっていることがはっきりわかっているならば、手を触れるのに時間かかってもガマン出来るかな?




ところで、女装した常葉とのデートか。


まさか、あいつとキスはしねえぞ。

ただ一緒に歩くだけだ。


デートは両想いが基本という考え方からいうと、ホントのデートではないしね。

デートの練習ってことだ。


あ、でも、そういえば、あいつ危険なんだよな。


中学の時、同級生の間でちょっと話題になったことだが、

常葉と二人きりになると変な感情が沸きそうになるから危ないぞ、というやつが何人かいたんだ。


あいつ、小柄だし、声高いし、顔可愛いから、二人っきりになったときに、

下の方から上目遣いで会話をされると、女の子と一緒にいるよな気分になるって、

そいつらは言ってた。

抱き寄せて、キスしたくなっちまう。

そんなことも言ってた。


結局、抱き寄せるやつも、キスするやつもいなかったが、単に可愛いだけでなく、

上目使いの表情がやべーってことだ。


実は俺も、何回かそう思ったことがある。


今回は、女装したあいつと一緒に行動するんだから、そういう気持ちがまた発生するかも。


気をつけないと、俺は秘密というか未知の世界の扉を開けちまう。


まあ、俺は、筋金入りの女好きだから、偽物の女にうつつを抜かすことはないだろう。


たぶん。うん、・・・たぶん。


ふざけて、手をつなぐくらいはいいかな。


軽く手をつなぐとか、恋人つなぎとか、いろいろ試してみよっかな。


あくまで練習って宣言してだ。


さて、デートコース研究するか!


デートってやっぱり両想いじゃないと変な感じになりますね。

片想いとか、イマイチ乗り気じゃないデートだと楽しくないでしょうね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ