第11話 企み
草加さんは、ファッションだけギャルという進学校に2、3人はいそうなタイプです。
けっこう頭よかったりするんですよね。
こういうタイプは運動部のスタータイプの男子か、大学生あたりと付き合っちゃうイメージです。
はじめまして、私は草加純菜です。
有名大学への進学率が高いと評価のある県立高校の女子生徒です。
男女共学で、楽しい高校です。
私は1年生。
自慢するわけではないのですが、私は成績優秀な女の子です。
常に学年のベスト3に入っているのです。
また、
生徒会こそ入ってはいませんが、校内の各種委員会に参加していますし、
クラスが関わる学校行事についnては、率先してリーダーをやっています。
ただし、見てくれには賛否両論ある問題人物です。
私の容姿は・・・
ギャル風だと言われています。
陰で私のことを「ギャル純」と呼んでいる男子生徒もいるようです。
そうです。私の制服ファッションは他の生徒のようなまじめ進学校生徒ではありません。
ギャル風なのです。
まず、私は細身です。
その細身の体つきは小学校からモデル体型を作るために、苦労して作り上げた体型です。
そして、制服は、はっきり言って改造しちゃっています。
スカートは超ミニスカにして、ブレザーもセクシーな体型が出るようにちょっと手を加えています。
そして、気崩しています。
髪は茶髪にして、ウエーブをかけています。
ちょっとチャラいギャル風なのです。
私はファッションにはこだわりがあって、ギャル風が大好きなのです。
「ビッチじゃないか?
100%処女じゃない!!」
という男子生徒の噂を私は知っています。
ギャル風イコール非処女という伝説みたいな話をまじめな男子は信じやすいのでしょう。
でも、実は処女です。
私は、そっちの方面は大事にしたいと思っている古いタイプなのです。
まあ、ファッションだけギャルである真面目女子高校生だと思ってください。
そして・・・
先ほど説明したように、クラスのリーダー的存在になっていることにも自負をもっています。
将来政治家になるんじゃないか?なんて声もあるんですが、そんな気持ちはありません。
さて、コミュ力が高く、誰とでも仲良くする私ですが、
一応クラスでは二人の女子と仲良くなって、三人組を作っています。
二人とは山崎秋穂と佐久間麗華です。
二人とも私の影響を受けて、ややギャル風です。
まあ、学校ではちょっと目立つ三人組です。
仲はすこぶる良いです。
でも、この三人で行動しててちょっと悩みを感じるときがあります。
まず、秋穂と麗華の胸が小さいので、二人して私を羨むことです。
秋穂がAカップ、麗華はギリギリのBカップですが、私はDカップあります。
「いいよねーっ、純菜は?」と時々私に二人で言ってくるのです。
また、体育の時など、二人組を作るときは秋穂と麗華の二人を組にさせて、
私はほかの誰かと組むようにしています。
私の方がコミュ力が高いからです。
結局、3人組と言っても、2人プラス1人って感じでしょうか。
私は、秋穂と麗華の上にたつリーダーみたいな感じになっちゃって、
どうも対等な関係でないような気になります。
二人とも親友と言えば親友なんですが、1対1の親友と違って、緩い感じなのです。
秋穂と麗華は堅い絆の親友っぽくなっているので、
その辺がなぜか欲求不満でした。
ところが、
最近、ついに私に対等の関係の親友ができました。
私と同じようにスタイルがよくて、ミニスカートを着こなす転入生と仲良くなったのです。
名前は如月常葉。超可愛い子です。
女性化を目指している男性ということですが、全然女の子にしか見えません。
10月にクラスに転入してきて、今は2月。
もう大親友です。
私と同じように細身で、スカートも同じくらい短くしています。ちょっとギャルっぽい
雰囲気になってきて、仲良し3人組が4人組になりました。
二人組を作る時も苦労しなくなりました。
すごく楽しいです。
常葉はどんどん体つきが色っぽくなってきています。
おっぱいも成長しているみたいで、8月末から始めたホルモン治療の効果があり、
もうBカップあります。
本人曰く、まだ大きくなりそうだということです。
私と同じDカップになってほしいなあ。
そういえば常葉って、私と一緒に下校している時、他校の男子に5回も告白されています。最初の1ヶ月めは2人に告白されてました。
私もけっこうモテる方で年に3回くらいは告白されますが、5ヶ月で5回には参りました。
彼女の可愛さを証明するような出来事としか言いようがありません。
彼女はいつも
「好きな人がいるので、お断りします。」
とはっきり断っています。
すごい。
この辺はちょっと男性的だなぁって思いました。
女の子だったら、あいまいな表現にするもん。
みんなまずまずのイケメンだったし。
でも断られた男子はみんな、
明確に答えてもらって、スッキリしてた。
はっきり言ってもらって、区切りがついたんですね。なるほど。
この話はクラスメイトの石川君に教えちゃった。誰が好きか言っちゃダメだよと口止めして。
あと少しで、2年生。
2年生になっても常葉と同じクラスになれるといいな。
あ、常葉とは恋愛面でも協力関係にあります。
私は、クラスに好きな男子がいます。その名前は石川優人。さっき説明した石川君です。
中学が一緒で、中学から好きなのですが、とんでもないシスコンで私を恋愛対象として見てくれません。
妹ラブで、妹の友梨佳ちゃんととデートをする変態です。
でも、私はある事実を知っているのです。
実は私の妹の環奈と友梨佳ちゃんは中学で同じクラスなのです。
環奈の話だと、友梨佳ちゃんは兄を好きなことは好きだけど、そろそろプライベート
ではベタベタしたくなくなってきているようです。
兄に彼女ができたらいいのに、
私は私で彼氏を高校になったら作りたいなんて言っているようです。
優人、気の毒に。
でも、私はチャンス!
その優人とクラスで一番仲のいいのが高木朝陽君。
常葉と仲のいい男の子です。
中学が一緒でかつ家も近所で、付き合いが長いようです。
朝は途中の駅まで二人で並んで登校しているようです。
たまに、お互いの家を訪問し合うような関係です。
でも、男と女の関係ではありません。恋人ではないのです。
それは、なぜかというと、男の子同志の友達の感覚が続いているからと思われます。
二人ともホモとかゲイではないのです。
高木君は、ふつうに女の子が好きで、入学当初、クラスの中の清楚系(私と対極!)の女子に告白して振られてました。
その後も女の子にアタックして、失敗しているようです。
また、常葉は、
高木君について…
男同志での関係がベースにあり、相手を異性として意識してはいけないというブレーキが
かかっているみたいなのです。
自分の身体も中途半端だと考えています。
でも、私はわかります。
常葉は高木君が好きです。間違いなくラブなのです。
他校の男子に告白されてた時の好きな人とは間違いなく高木君。
石川君に話した時はたぶん高木君だよと話したら、
だよねーって同意してくれました。
ホモとかゲイというよりも
女の子の感情として好きなんです。きっと。
私も説明していて、
わからなくなっちゃうんですけど。
高木君も、常葉を気になってるようなのですが、
やはり、普通の女の子と恋愛したいという考えを捨てきれずにいるようなので、
必要以上の接近は避けているみたい。
微妙な関係です。
そこで、
私は企みます。
私と石川君、常葉と高木君のダブルカップルを成立させることを。
「よし、この4人が、2年、3年も同じクラスになるように、
いろいろ学校側に手を回さなきゃ。
実はコネがあるんだ。
決めた。」
女装が似合う男子の話続きます。
昔はともかく、女装をする男子の中には、ウイッグではなく、地毛で勝負している子がいます。
やっぱり、自分の毛を長く伸ばして、女の子風にカットしてれば、やっぱり自然です。
そういう子は女の子っぽさが増してます。
ウイッグって、傷みやすいし、不自然です。
まず、つむじや分け目がないものがほとんどです。
高級品だと、地肌に見える素材を貼り付けている場合がありますが、これもちょっと不自然かなあ。
あと、ウイッグだと頭が大きく見えるんですよねー。
ただでさえ、男子は女子より頭が大きいケースが多いんだから、ウイッグ使用で余計バランスが悪くなる可能性が高いと思います。
てなわけで、
昔はともかく、最近の若い男子は、女子と同じ髪型にする子がいます。
縮毛矯正というストレートパーマの技術とレイヤーカットというテクニックを使えば女子のような髪型が可能なのです。(昔は男子特有の硬く癖のある髪では女子みたいな髪型は不可能でした。)
ふだん、男として生活しているときは、後ろで束ねて、ロン毛のお兄さんとして過ごせば何とかなる人がいます。
実際私は、そういう人を見ました。
いるんですよ。