第1話 彼女ができない!
ひさびさに、全年令向けの作品にしました。彼女を作ろうとしてもできない高校生の気持ちになって読んでいただけると面白いと思います。容姿がある程度よくても、彼女ができない男子っていますよね。アイドルみたいな女の子に交際を申し込んでも、全然相手にされないっていうケースは山ほどあります。そんなときに仲のいい男の友達が可愛かったら???女装が似合う男の子の方の気持ちも描きたいと思います。ワンパターンですが、よろしくお願いします。
俺は焦っていた。
高校に進学して2ヶ月半。
まだ、彼女ができない。
こんなはずではなかった。
高校生になったら、すぐ彼女を作って、ラブラブ生活を送るのが俺の目標だった。
何もしなかったわけではない。
4月は、通学時に見かける他校の同学年の可愛い子に交際を申し込んだ。
5月は、クラスで仲良くなった可愛い子に告白した。
6月は、中学のときにいい感じで話していて、今は違う高校に通っている女の子に付き合ってほしいと
メールと電話で、打診した。
すべて玉砕だ。
なんてことだ。
他人がこの状況を聞けば、どうせモテナイ男なんだろう?ブ男なんだろう?もしくは軽いんじゃないか?とか高望みなんじゃないか?と冷たい分析をするだろう。
高望みは当たっているかもしれないが、決してモテナイ男ではない。
その証拠に、高校進学してから、2回ほど告白を受けている。同じ高校の生徒と、他校の生徒一人づつだ。
でも、全く好みではなかったので、丁重にお断りした。
俺は、小柄でかつ華奢な体型で、髪の毛がセミロング以上の長さの女子が好きだ。
簡単に言っちゃえば、女の子っぽさがあふれている感じかな。
運動神経悪そうな感じが好み。
でも、俺は、なぜか、背が高くて、ショートヘアの女子に好かれる。
スポーツ系のさっぱりした女子が多い。
運動神経よさそうなタイプ?
まあ、おれは身長178センチあって、スポーツが得意なので、
つり合いは取れるのだが・・・
今回もそうだった。
だから断った。
性格がよければいいだろうと言う意見もあったが、そうは行かない。
俺のこだわりだ。
大柄な女は好みではない。
俺は、どうしたら希望のタイプの彼女ができるだろうと考えながら学校帰りに繁華街を歩いた。
(いい考えが浮かばないなあ。とりあえず本屋に寄って、コミックでも買っていくか?)
俺は、マンガやアニメが大好きなオタクでもある。
外見はまあまあリア充っぽい容姿をしているが、そういう趣味が彼女ができない理由につながるのかなあと思ったりもする。
まあ、好きなものはやめられない。
本屋で、コミックを物色していると、
「朝陽、ひさしぶり!元気だった?」とかわいい声が背後から聞こえてきた。
あ、言い忘れたが、俺の名前は高木朝陽なんだ。
この声は知っている。
知らない人が聴いたら、女子だと思う可愛い声だが男子の声である。
俺と小学校、中学校が一緒で、高校は違う学校に通っている友達の如月常葉の声だった。
けっこう仲がいい友人だ。
「おおー、常葉か。常葉もコミックの新作見に来たのか?」
「まあね。」
常葉はくりくりしたつぶらな目で俺を見ながら、ニコニコと笑っていた。
やべえっ、こいつ男なのに可愛すぎる。
こいつは男だが、声だけでなく、女の子みたいな容姿をしている。
まず身長が低い。たぶん157センチくらいだ。かつ、華奢で細い。
そして、髪の毛が長い。背中の真ん中くらいまで伸ばした髪の毛を後ろで束ねている。
男なのにそんなの許されるのか?と思うだろう。
許されたのだ。
中学のときに軽く注意されていたが、長い髪の毛が好きだから切りたくはないと言い張って、
結局スルーしてきた。常葉は優等生で、髪の毛以外は全く問題なく、成績も良かった。
長い髪の毛はコスプレ趣味のためらしい。
アニメやゲームの長髪のキャラになりきるために便利らしい。
顔も、小さくて愛嬌のある顔だ。
同級生の女子たちに、「常葉に負けた。可愛さではかなわない。」と言わしめる可愛さだ。
そういえば、髪の毛は中学のときより伸びている。より女の子っぽくなっている。
いつも後ろで束ねているが、おろしたらどうなるんだろうか?
それから、常葉はいつもメガネを掛けている。
コスプレでやるキャラが長髪メガネなのである。
キャラに合わせて、普段からメガネなのだ。
でも、メガネを外したらどうなるんだろうか?
もっと可愛くなっちゃうのではないか?
ちょっとドキドキする。
でも、結局は男子である。
女の子っぽい容姿とはいえ、着ている制服は男子の高校生の制服だし、胸があるわけではない。
華奢でも男子の体型だ。
男装した女子に見えないわけでもないが・・・
「そうだ、ちょっとハンバーガーショップで、話しないか?
久々だし。」
常葉は俺を誘ってきた。
俺と常葉はアニメやマンガの話をすると止まらないのだ。
違う高校に行くようになって、最近話をしてなかったので、俺もおしゃべりしたくなってきた。
「よし、行くか。」
二人で、近くのハンバーガーショップで話し込むことになった。
約1時間、俺達はアニメとマンガについて話しまくった。
とりあえず、お互いに話したいことを話しきったときに、俺は、常葉にいう。
「それにしても、髪の毛伸びて、また女の子っぽさが増したなあ。
女の子に間違われないか?」
「そうだね、
でも、制服を着ているときは間違われないよ。
やっぱり制服は性別を明確にするからね。
問題は私服の時。
よく間違われるんだ。
この間、家族と温泉旅行に行ったときなんか、男湯に入ろうとして、
従業員の人が、そこは男性用ですよ!と大きな声を出して止めようとしたよ。
そういえば、駅とか、ファッションビルとか商業施設なんかでも、トイレに入るときに、
男性用にはいろうとして、係員が飛んできたことあったなあ。
もう、説明がめんどくさくなって、
はいはい間違えましたって答えて、女子用トイレにはいっちゃうこともあるよ。」
「まじかよ!すげえなっ!
常葉って、女の子カッコしたほうが自然なんじゃないの?
スカート履いて歩いたら似合いそうだぜ。」
「ほんとにそう思う?
実は、家族にもよく言われているし、自分でもそうかなって思うようになってきたんだ。
女の子のカッコして歩いてみようかな?」
「おおっ、女の子のカッコしてみろよ。
めいっぱい女の子のカッコした常葉とデートしてみたいな。
俺、彼女いないから、彼女とデートしたことないんだよ。
デートの練習させてくれ。」
「えっ、朝陽、まだ彼女できないんだ。
高校入学したらすぐ作るって言ってたし、
けっこうもてるのに・・・
そっか・・・面食いだからなあ。
ふーん。
じゃあ、家族と相談して、家族の承諾があれば、女の子のカッコしてみようかな。
似合いそうだったら、朝陽に連絡するよ。
デートの練習相手になってやるよ。」
「おお、よろしく頼む。」
俺は、軽口をたたいたが、まさか、本当に常葉が女装するなどとは思わなかった。
なんだかんだ言いながら、冗談を言っているのかと思った。
家に帰ると、その話はもう忘れる。
今度はどの女の子に交際を申し込もうかと作戦を練り始めるくらいだった。
そして、夏休みが近くなったある日、常葉からメールが来たときは驚いた。
そこには
「家族が応援してくれて、最近はプライベートでは女の子になっているよ。
夏休みにデートしてみない?」と書かれていた。
この作品は全然プロットを作っていないので、先行きが作者もわかりません。どうしよう?
成人向け作品をずっと書いていたので、要領がわからないんです。
成人向けを読まない人で、私の作品を読んでる方がいるようなので頑張って書くことにしました。
よろしくお願いします。