子狼、自己紹介するが
イケメン死すべし!! と考えていたら。
「アナタたち、いい加減にしなさい」
と灰色の長めの髪を、ポニーテールにしている少女? に言われた。何故「?」なのか、それは……身長はハクや銀髪少女と同じくらいなのだが……お胸様がね。……チラッ
ヒッ!? め、眼が恐い!? 二人から殺気を感じるデス。……そ~っと離れましょう。そ~っと――ガシッ!
……あれれ~? 体が動かせないぞ~? ……スーさんや、離して、後生だから!! ハッ、金髪少年、ヘルプ!!
……スッ。
目ぇ逸らした! 裏切り者~~!? ――ガッ――ビクンッ。……ギギギッと振り返る。
「シロ君?」
……ハクのエガオはカワイイ、デスヨ? デモ、メがワラッテナイヨ?
「……シロ、君?」
イィィィヤァァァァァ~~~~!?
――――
数分後。ビクンッビクンッ。と痙攣しながら、眼が虚ろなシロウが横たわっていた。
…………もう、お婿にいけないよ。グスン。
更に時は経ち、やっと立ち直りました。……ナニがあったかは、聞かないでください……。
とりあえず、ジト目で金髪少年を睨もう。
「…………すまない。あの状況は、俺にはどうにもできない」
……クッ。逆の立場ならボクも、同じことしたよ。くそぅ。
「……ハァ。気はすみましたか? なら自己紹介ぐらいしましょう。お互い名前すら知らないのですから」
あっ。そういえば銀髪少女と金髪少年の名前すら知らなかったっけ。それに灰色髪の娘ともう一人、……金髪の青年? いや体格がガッシリしてるけど、周りの子らと同い年くらいか? ……う~ん金髪少年の髪の色は自然な金色だけど、こっちは白に近い金色?
「ハハハハッ。中々面白そうな面子が揃ったな!」
お、おお。豪快だな。みた目通りってことかな。
「オレから自己紹介といこうか、オレはレグルス。ネメアの子だ」
金髪青年風の名前はレグルスか、でもネメアって誰?
「なら次は私ですね、言いだしたのは私ですし。私はグラニア、スレインの娘です」
……うん、灰色髪のポニーテールはグラニア。っで、スレインって誰ぞ?
「私はハティア、偉大なる母、マーナガルムの子だ!」
「……同じくマーナガルムの子、スコルだ。よろしく頼む」
ふむふむ。銀髪少女がハティアで、金髪少年がスコルね。……でっ、マーナガルムって誰よ。ダレも教えてくれないってことは知名度高い?
「私は……ハク、ハクビ……白虎の、一族」
うん? こっちサイドの自己紹介に移った?
「プ~」
「この子は、スー。私たちの……家族」
…………スライム? って顔してんじゃねぇよ。貴様ら、家のスー侮辱すんならタダじゃオカネーゾ。……刻んで潰スゾ!?
「ンッ、ンンッ。次はキミの番なんだが」
ハッ。グラニアに指摘されてしまった。……だが、スーの侮辱は許さん……。
「え~っと。ボクはシロウといいます、よろしくお願いします」
と、普通に挨拶したのだが。
「ん? クロではないのか?」
「俺も、クロと記憶しているのだが」
「えっ? クロ殿ではないのですか?」
「む? クロではないのか? ならお前の名前はなんなんだ?」
上からハティア、スコル、グラニア、レグルスとなっています……。って――
「――違うよ!? ボクの名前はシロウだよ!! 確かに体毛は違う色だけども、クロじゃなくてシロウだよ!?」
狼狽えているが、原因は解る。……その元凶に鋭い視線を送るが。
「フォッフォッフォッフォッ。クロ坊のほうが、わかりやすいじゃろ?」
こんの糞ジジィ~~!?
お読みいただきありがとうござうます。