子狼、再会する
どうも~。母さんこと四神、白虎にお呼ばれされたのですが、どうやら手合わせ……試合をすることになったようです。
ハクやスー、翁以外で初めてデス。……ってなんでこんな急に!?
「手合わせ……、ここにいない翁とってことじゃないよね」
『ええ、違いますよ』
「そっか。結構急な話だけど、何かわけがあるの? それに、ボクだけじゃなくハクも手合わせするみたいだし」
『そうですね、ただ……ハクビだけじゃなく、スーも含めて……三人に手合わせ、試練を受けてもらいます』
「スーも? って試練?」
試練って、どうゆうことだろう? ボクの……ボクたちの修行に必要だからなのかな?
『この試練は、我々のいるこの森で、ある程度の力を付けた者が受けるものです』
なるほど。ボクとハクはその試練を受けるだけの力を付けることができたからか。でもまさか、スーもそれだけの強さになってたんだな~。なんだか感慨深いものがあるなぁ。
『フフフッ。スーはアナタたちと一緒に修練していましたからね、進化していてもおかしくは無いのですが……。初めて会った時と、姿形に変化はありませんね。それはそれで異常な気がしますが』
おぅ、また心読まれた。それにしてもスー……ホントにスライム? なんだか不安になってくるよ。まあ、見た目は完全にスライムではあるんだけど。と、スーを見てみるが。
「プ~?」
と、まるで首を傾げるような仕草。……うん、カワイイ。でも強いんだ。……強かわいい? いやそれだとハクもだし。っとハクの方にも視線を向ける。
「……ン?」
と、ちょっとはにかみながら首を傾ける。……うんメチャ可愛い。
カワイイわ正義です! よって問題無し!!
もし、異を唱える奴がいたならば……八つ裂きニしてヤル。イヤ、一片ノ欠片スラ残サズ塵ニ返シテヤル。
『フフフッ。まあ、癒やしではありますね。だから余り、殺気は出さないようにしましょうね』
……おい、人権どこ行った。イヤ、狼だけども。……プライバシーは守られるべきだろう。
『フフフッ。相変わらず読みやすいですね、シロウ』
「そ、それよりボクたち三人が試練を受けるって言うことだよね」
『……正確には違いますね。試練を受けるのは――』
「――フォッフォッ。待たせたかのう。ホレ、皆を連れてきたぞい」
と、どこからともなく翁が現れた。その後ろには、見たことのあるような銀髪の少女、金髪の少年……って二年前、ボクを襲ってきた二人じゃないか!?
「なっなんで、二人がいるの?」
「フンッ。何を言っている、試練を受けるために決まっているだろう」
と、銀髪少女からお言葉をいただきました。……デスよね~。うん、最初からわかってたよ? ホントだよ? ……うん? あれ!?
「あの……さ、二人共、その耳と尻尾、何? 前は無かったよね?」
「ん? ああそれはな、人化のスキルに使っている魔力を減らしたからだな。魔力を減らすほど元の姿に近くなるのだが、基本完全な人の姿か、今の獣人の姿になる」
成長して魅力の上がった金髪少年が、丁寧に教えてくれた。金髪少年への好感度が上がった。……久しぶりに思う……イケメン死すべし!!
読んでいただきありがとうございました。