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子犬?いや子狼修行することになった

遅くなりました。すみません。

「ダメ、この子は、ハクのもの」


 …………うん? えっと~~、どゆこと?


「……あなたのもの? どういうことですか?」


 あっ、ナイスです、銀髪の少女さん。ボクも気になります、どういうことですか?


「ハクは、あなた……達より、先に、眼を……つけてた」


 え~っとぉ~……どゆこと?


「……それは、その獣はあなたの食糧……とゆうことですか?」

「違う、ハクは、この子に、興味……ある、だから、一緒に、いたい」

「あの方の娘である、貴女が、何故(なにゆえ)そのような物を気にかけるというのです!」


 ん、何だろ、今の物言いにイラっとしたぞ。


「ん、ハクが、気に……入った、から?」

「っ! そんな勝手気儘なことで――」

「――アネキ、ここは退こう」


 あっ金髪少年が初めて喋ったぞ。やっぱり声変わり前だからか、中性的な声だな。しかも、顔まで中性的って……将来有望そうだな。…………イケメン死すべし!!


「なにを言っている! ここまで来ておいて――」

「――此処までやれただけで充分だ。自分の理想を他のものに強要しようとするのはアネキの悪い癖だ。若いヤツらに経験をつませたいのは分かるが、要らない争いを招く必要は無い」


 お、おう。無口キャラかと思ったら結構喋るのね。


「しかし!!」

「彼女と争うと言うことはあの方、そしてあの方を慕うこの森の強者達を敵にするということだ。母だけではない、一族を危険に曝すことになる。」


 うを!? 金髪少年から威圧感が!?


「……チッ。分かった。お前たち、撤退だ」


 銀髪少女の一言で近くで威嚇していた狼達は、潮が引くように去っていった。そして銀髪少女が一睨みして去り、金髪少年が会釈してから消えた。


 ……なんでボクが睨まれたんだろうね。金髪少年が申し訳なさそうに軽く頭を下げてくれた。……金髪少年の好感度が上がった、だがイケメン死すべし!!


 …………場を沈黙が支配する。


 き、気まずい。やっぱりお礼は言ったほうが良いよね。


 そう想い助けてくれた女の子の方に顔を向ける。


 眼が合った。それはもうスゴい至近距離で、擬音にすると「ジ~~~~っ」ッて感じで――。


「――って近い!?」


 うわぁ~。ビックリした、顔近づけすぎだよ。ドキドキが止まらないよ。


 キュルルルルルル~。


 ………………くっ、まさか自分がヒロインの萌シーンみたいな事態になるなんて! はじゅかしい!!


「ンッ。お腹……減った?」


 やめて、もうボクのHPはゼロよ!


「……ンッ。これ、あげる」


 そうして女の子が差し出してきたのは……数枚の干し肉だった。


 って肉! 干し肉だけど、肉!!


「た、食べていいの?」


 空腹なボクは涎を垂らしながら聞いた。


「ンッ。良いよ、はい」


 許可がでました!!

 ボクは貪るように肉を食らった。干し肉だけどね。


「まだ、ある。ゆっくり、食べてね」


 天使だ。天使がいる!

 は~~食べた~。幸せ。…………ハッお礼言わなきゃ!?


「あっあの、ありがとう。助けてくれたことと、お肉」

「ンッ。気に、しないで」


 可愛い笑顔。笑顔可愛い!


「それじゃ、お母さんの……とこ、行こ」


 へ?


 ――――


 そしてやって着ました森の最奥!

 女の子に抱えられて。…………くぅ。

 …………気を取り直して。どうやらここは神聖な地らしいです!!

 そんな所にボクみたいな子犬が来て良かったのかなと、女の子の腕の中で考えています。森のクマさんに出会えるかな? もちろんデフォルメされたクマさんね。


 ――――


 アタマの中で童謡が聞こえるよ。でもなぜかクマさんじゃないんだ。

 ……トラさんになってるんだよ。

 …………ってなんで虎!? しかも何この大きさ!? 寝転がってる状態でちょっとした小山かそれ以上の巨体デス!!??


 混乱の極みに達して語尾が可笑しくなったシロウは、ハクの腕をポフポフポフと叩きながらハクに逃げるように発言する。


「ハ、ハクさん。は、速く逃げ――」

「――ン、ハクで、良いよ」

「違っ、今はそれより速く――」

「――ン、そう、だね」


 わかってくれた。なら速く逃げ――。


「――お母さん、ただいま。この子と……一緒に、いたい」

「ほへ?」

『フフフッ。ハクビが他に興味を示すなんてね』


 巨大虎の視線がアホ面晒しているシロウに向けられる。


『幼き狼よ、私は白虎。他の者達から四神と呼ばれています』

「へ? 狼? てっきり子犬かと想ってた」

『フフフッ。今ので気にしたのは、そこですか。フフフフッ』

「ホワッ。し、失礼しました。ボクの名前はシロウって言います。……あれ? ハクさんって本当はハクb――」

「――ハク」

「えっ、でも」

「ハク」

「ハ、ハクさ――」

「ハ・ク」

「う、うん。ハク」

「ンッ」

 あっ、やっぱり笑った顔……可愛い。


『フフフッ。ハクビがそこまで頑なになるなんてねぇ』

「ふわっ。た、大変失礼しましたっ」

『フフフッ。構いませんよ。それよりシロウよ、ハクビの願いを、聴いてくれますか』


 そう言われ、ハクさ、ハクを見る。

 なんでそんな、信じきったような眼をするのかな、この子は。

 ……この子の眼を、笑顔は、裏切れないよね。


「はい、ボクも、……ハクと一緒にいたいです!!」

「ンッ!!」

『フフフフッ。それではシロウ、アナタには強くなってもらいます』

「わふん!?」

『ハクビと、娘と共に生きたいのならば、強くなってもらわなくては安心できませんからね。さあ修練を始め栖ますよ』


 い、今からデスか。どうやらボクはこれから修行漬けの日々が始まるようです。、……あっ今更ですけど、スキル〈念話〉ちゃんと発動されていたようです丸。

楽しんでいただけましたら幸いです。これからも読んでいただければ、嬉しいです。

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