子狼、ついに
どうも、スルーされまくりのシロウです。いや~どうにか翁以外の人? との手合わせを激しく、それはもう激しく! 願い出たのですが……みんな無視、それどころか、今現在、ハクとスーに捕まっています。
それはもう、身動きが一切できないくらいにね!!
ハクにキツく抱きかかえられ、スーは触手で雁字搦め!! ……口すら塞いでいるよぉ。
「ん~~、ん~~っ、ン~~~ッ!?」
小さな狼が見るに見られない無惨な姿……ダレ得だよ!?
「フォッフォッフォ。では、始めるとするかのぅ」
まさかのこのまんまスルーぅ!?
『フフフッ。ハクビ、スー……その位にしてあげなさい』
「ム~~」
「プ~~」
『フフフフッ。二人がシロウのことが好きなのは解りますけど。あまり聞き分けがないと、離れ離れにしますよ?』
「ヤッ!」
「プッ!」
おおぅ、二人とも……そんなにボクのことを。
『フフフッ。ならちゃんと試練を受けましょうね』
「でも、翁が……相手」
「ププ~」
あの、でも、そんなに心配ならなんで……なんでさっき翁との対戦を否定してくれなかったの!?
しかも今現在進行中で、ちょっと笑ってるよね!?
「……そんな事、ナイヨ?」
「……プ、ぷぷ~?」
……ハク? 肩が震えているよ? ……スー? 微細振動がおきてるよ?
……いつからうちの子等はこんな極悪な仕打ちをするようになったんだ!?
実質、翁の実力って母さんに次いでNo.二か三、四の実力だよ!? 確かに手加減するって言ったけども、簡単に覆すような発言してるんだけど!?
『……さて、手合わせの順番ですが 』
……あれぇ? 母さんや、普通に進めちゃうの? …………進めちゃうンダネ。
『フフフッ。それでは、発言順にしましょう。まず、レグルス対スコル。ハティア対ハクビ、グラニア対スー。最後にシロウ対翁で手合わせを行います。良いですね?』
……みんな反対は無いみたいだね。……勿論ボクは反対なんですけど!? 特に相手のチェンジを要求します!?
『フフフッ。……却下です』
「ワフゥゥ」
……もう、いいよ。好きにしたらいいじゃん……焼くなり煮るなり好きにすればいいよ。……確か日本には犬鍋って言うのがあったような、なかったような。……未来は明るくないな。
「なあ、そろそろオレは闘いたいんだが、良いか?」
「……この状況でそれはヒドいと、オレは思うんだが……オレだけか?」
レグルスに同意、ハティア。スコルに同意、グラニア。他、四名は……オモシロがってやがる!!
ふん、いいさいいさ。どうせ最後の方だ。それまでの人達の技を観て盗んでやる(・・・・・)!!
(フフフッ。いい感じに、やる気をだしていますね)
(白虎殿もヒドいですのぅ。クロ坊に最後の稽古を付けさせるためとはいえ)
(フフフフッ。翁も楽しんでいたではないですか)
(まあ、クロ坊はからかうと……面白いですからのう、それに……)
(ええ、これは……シロウの為、ですからね)
ブルルッ。……なんか、寒気みたいなものを感じる。
こう、なんていうか……相手に気づかれないように、魔改造していこうって感じの……気のせいだろうか、気のせいだよね……身の、身の危険を感じる。気の、せいだよね?
いつ、バトルパートに移るんだろうか……