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森で目覚めた子犬?

 とある世界にある、広大な森。そこは、強大な力を持つ物が数多く存在する場所。

 そんな危険な場で目覚めようとしている弱き存在がいた。


 ――――


「んっ、うん? ここは……どこ?」


周りをキョロキョロ。


「森の……中? 何だってこんな所に」


 状況を確認しようと、体を起こそうとするが。

 んっ、なんだろう? 体が思うように、動かない?

 ……な、何か、嫌な予感がする、とてつもなく嫌な予感が。


 恐る恐ると、自分の手を見てみると、そこには、…………モフモフした動物の手があった。


「………って、動物の手!? えっ!? なにこれ!?」


 どれだけじっくり見ても、動物、しかも犬とかそんな感じの動物の手、って言うか前足にしか見えない。

 しかも、明らかに小さい。


「なにがどうなってるの、これ~?」


 ちょっと、涙がでてくるんですけど。本当にどうなってるんだろう?


「え~っと、確か、………人間、だったよね………ボク?」


 なんか、頭に(もや)がかかったような感じがする。ぼんやりとしか思い出せない。


「名前は……そう、シロウ、シロウだったよね。日本に……住んでた、はず?」


 ダメだ、それ以外の自分の事が、全然思い出せないや。

 一般的な常識とか、サブカルチャーの知識とかは、何となくだけど、分かるかな、って感じがする。

 それにしても、なんで森の中にいるんだろう? いやそれ以前に、なんで、動物? しかも明らかに子供の動物になってるんだろう?

 ……ダメだ全然わからない。いや、もしかしてこれが世間でいう異世界召喚かな?いや異世界転生っていう可能性もあるかな。

 でも転生ってことなら、ボク死んでるっていうことだよね。事故死、病死、もしかして殺されたのかな?

 ハッハッハ、後ろから女の子に刺されて死んだかな?

 モテる男は辛いよね。…………何だか悲しいやら、虚しいやら、…………深く考えるのは止めよう、うん。

…………リア充爆発しろ。

 にしても、もし、できれば、老衰とかが良いな~、余り苦しまず、家族とか友人に看取られながら、……笑って逝けたんなら幸せかな~。

 

 まあ、楽観的な願望かな。……でも、そうだな~、まあ新しい人生だし、いや動物生かな? まあどっちでもいいかな。とりあえず、新しい生を満喫しよう。

 あっそうだ、召喚か、転生かは別にしても、こういった場合ステータスがあんるのかな、やっぱり。


「……よしっ。いくぞ、ステータス!」


 し~~ん。

 …………出ないんですか?! うわ恥ずかしい~、思いっきり叫んじゃったじゃないですか!

 ふ~、落ち着け~ボク。確かに叫んだ。だけど、よく考えるんだ。周りには、誰もいない、聞かれてはいないんだ。 …………ふ~、にしても、ステータスは無いってことかな? いやもしかして……むむむむっ、ステータス!


 ポン!


「やった! 出た!」


 なんだ、念じれば良かったんだ。言葉にすれば良いってわけじゃないんだ。


「まあ、何はともあれ、ステータスの確認だよね」


 名前 シロウ

 スキル 鑑定 念話 影魔法


 ユニークスキル 異世界言語 異世界文字 アイテムボックス 纏衣魔法


「これだけなんだ、数値で力を表示したりはしないのかな? まあ、スキルが解るだけマシかな」 〈鑑定〉、〈異世界言語〉、〈異世界文字〉、〈アイテムボックス〉辺りは、異世界物のテンプレだよね!

 〈念話〉か、これは、意思疎通のため……だよね。まあ試そうにも、相手がいないし。

 ふむ、にしても、今の今まで気にしてなかったけど、動物なのに普通に喋れてたのは、スキル〈異世界言語〉のお陰だったんだね。

 後、気になるのは、〈影魔法〉に〈纏衣魔法〉。〈影魔法〉は、何となくわかるけど〈纏衣魔法〉?

 う~ん。……ん?


「おお! これクリックすると説明文がでるんだ! え~っと何々?――」


 〈影魔法〉

 影を操作することのできる魔法。闇属性に属する。

 魔力量、熟練度、イメージ力で威力や能力が変動する。


〈纏衣魔法〉

 あらゆる属性を、纏い力にする魔法。

 纏衣可能属性 影

 魔力量、熟練度、イメージ力で威力や能力が変動する。


 うむむむ、微妙に解るような、解らないような、う~ん。


「よしっ、こんなとこで考えても仕方ないよね。取りあえず最優先は、飲み水の確保だかな。あとは、食べられそうな物を探さないといけないかな」


 まずは、行動あるのみ。やれる事最優先。

 てっいっても今は子動物、…………やれることってあるんのかな? キノコとかなら探せばありそうだけど、毒キノコとかの見分け方はわからないし、うん。

 果物とか木の実、……熟して落ちてるのなら大丈夫かもしれないけど、まだ実ってるのはどうしようもなよね。

 こんな幼気な身体で木登り? 小さな動物の手足、いや、前足と後ろ足かな、とにかくこんな身体で木に登って果物確保、更に木から降りる。

 無理無理。絶対無理。例え木に登れて実を確保出来ても、絶対降りられないよね。

 前テレビで見た猫みたいに、登れても降りられずプルプル震えてる状態になれる自信があるね。 …………言ってて悲しくなってきたな、グスッ。

 後は、ボクより弱そうな動物、獲物を見つけて狩るぐらいかな?

 魔法があるんだし、いけそうな気はするけど……取りあえずもし、獲物を見つけても様子見かな。 ぶっちゃけ気がするだけだし、ボク、子犬だし、……うんメッチャ怖い。

 と、とりあえず出発だ!




 楽観的な感じで、出発したシロウだが、草影から、先程までの独り言(奇行)を、見つめていた存在が居たことも気付かず、さらには、この後、危機に陥る事になろうとは、思ってもいないシロウなのであった。


 ――――


「……さて、彼は何処まで行けるのか、楽しみですね。…………人化のスキルが手に入れることができれば、その時に、また会えることを、楽しみに待っていますよ、神薙祠狼(かむなぎしろう)さん」



読んでくださりありがとうございます。出来ればこれからもよろしくお願いします。

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