part2-登録
ヘンリーについて行き暫くしてこちらをヘンリーが見た。
「ここだ。」
指を指す建物は堅牢さを思わせる石造りでメインギルドという看板がかけてあった。
ヘンリーに
「このメインって何ですか?」
と聞くと
「ああ、それはだな冒険者登録や上位依頼の受注。高価な物品の取引が出来るギルドの事だ。」
少し気になった事があり俺が
「一つの街に1つのメインギルド何ですか?」
と聞くとヘンリーは
「基本的にはそうだが王都等では1層に1つ2層に1つメインギルドがある。」
と少し自慢げに喋る。
「1層とか2層とかって何です?」
と聞くとヘンリーは少し驚いたような顔をして
「ついつい、自慢みたいに話しちまったがまさか本当に何も知らないとは…あのな、1層は王城の近くの事で有力貴族やハイランクの冒険者がいる場所だ。2層は信用がそれなりに出来る人間が来れる場所だ。3層は王都の守護結界の外だが外壁よりは中。まぁ安全性はそこまで高くないがそれでも普通の街よりも活気のある感じだな。3層は庶民的な商工業街だと思ってくれていい。そして外層。ここは貧民が沢山いる。稀に掘り出し物が取引される事もあるようだが普通の人間は近寄らない街だ。」
「なるほど、ありがとうございます!ヘンリーさん!」
俺が笑顔でそういうと少し照れながらいいってことよ呟きヘンリーは門に向かって歩き出した。
俺はそれを見送り、ギルドの扉を開けた。
中は思ったよりも静かだった。右手にはボードが所狭しと並び紙が沢山貼られている。
左手には3つカウンターがあり入口に近い方から冒険者登録、依頼管理、物品取引とあった。
俺は冒険者登録のカウンターに行く。俺以外登録をしようとするものは居らず直ぐに出来そうで嬉しい。
カウンターのお姉さんは栗色のボブカットで活発そうな美人さんだ。
「すいません冒険者登録したいんですが。」
「んえぇ?…はっ!すいません!新規登録ですね!それではこちらに情報を御記入下さい。代筆が必要でしたら気軽に言ってくださいね。」
俺は代筆をお願いしそうになったが少し考えたら文字が分かるのだからそれの形を書けばいいと思い書いた。
登録者用紙は名前、性別、年齢だけで良いようだ。年齢はさっきの自分の見た目から12と書いた。杜撰に感じたが出自は問わないという事なのだろう。
少し伝わるか不安になりながらも文字を書いて渡したら普通に通った。これで文字に関して悩みは全てなくなった事を思うと少し楽に感じる。
戻ってきたお姉さんが
「それでは、登録料銀貨3枚です!」
ファッ!?
「す、すいません街に来る前に無くしてお金がないんです…」
咄嗟についた嘘だったが信じてもらえたのか
「そうですか…ギルドでは登録者は借金をする事もできます。銀貨3枚はミオさんの借金として乗せて置きますね。利子は無いですが期日を大幅に過ぎますと犯罪者として追われますので気をつけてください。」
「すいません、ありがとうございます因みに期日はいつまでですか?」
恐る恐る聞くと良い笑顔で
「2日後です!」
大丈夫かな俺…転生1日目でピンチな気がする…