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風
懐かしい匂いがした
風が運んだ枯れ草の匂い
一瞬で過去の自分に戻った
切ない気持が蘇った
涙が溢れてきた
帰りたいと…思った
あの頃から髪も伸びて 黒から赤茶に変わって
着る服も 随分派手に成った
純情と呼ばれたあの頃には戻れるはずも無くて
甘酸っぱい思い出も ただ遠くから眺めるしか出来無い
新たな風が吹き
枯れ草の思い出は 跡形も無く消えた
振り向かずに進んで行こう
甘酸っぱい思いを 置き去りに
その先に待つ
新たな風に 包まれて
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たまに、懐かしい匂いが蘇る事ってありますよね。




