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後編

終わりです。

この小説を読んでくださった方、そしてこんなグダグダなのにお気に入り登録してくださった音無様、本当にありがとうございました。

友人を殺した後、俺はあいつがいる部屋に行き、ドアのロックを解除した。

「……なんだ、生きてたの」

「生きてちゃ悪いか」

「別に。それより、車いすは?早く外に出たいの」

「…車いすの場所、分からなかった。だから、お前を背負って行く」

「えっ!いや、でも、」

あいつは顔が真っ赤になっている。

「体重の事なんか気にすんな。それとも、彼氏に殺された奴の背中には乗りたくないか?」

「……」

「じゃあ、俺は行くぞ」

俺は部屋を出…。

「…ま、待って。……ごめんなさい、私も連れて行って。お願い」

…可愛いな。少し泣きそうになっている。

「よし来い」

「うん」



そして俺たちは、病院を脱出した。もちろん、無傷でとはいかなかったが、2人ともなんとか噛まれなかった。

「…あ~、痛って~」

「私をかばった時に怪我したの?」

「ん、そうみたいだ。でも、これくらいはなんともない。お前こそ、足、大丈夫か?」

「感覚はないけど…痛みはないわ」

「目…見せてみろ」

俺はこいつの目を見るため、顔を近づける。キスしそうな距離なので、こいつは照れている。

「…まだ大丈夫だな。第1段階の低いところ…だと思う。自我はどうだ?」

「大丈夫よ」

「そうか。……何か、やりたいことはあるか?」

「……私…」

こいつは俺の耳に向かって、コソコソと小さな声で話す。

「…えっ?いや、でも、それ…俺でいいのか?」

「もう、あなたしか代わりはいないの。お願い」

「時間はかかるぞ」

「待つわ」

「わかった。じゃあ、とりえず移動だな。いつまでも町の路地裏にいると、ゾンビがやってくる」

「うん、行こ」

俺たちが住家として選んだのは、友人の家だ。

「ここなら1軒家だし、襲われる可能性も少ないだろう」

「……ねぇ、お風呂…入ってきてもいい?」

「俺がいなくても入れるか?」

「足が動かなくても、なんとか1人で入れるわよ!」

あいつはプンプン怒りながら、風呂に入って行った。

「……この先、どうするかな」

銃はあるが、弾はあと2発。武器は他にない。

もう、ゾンビが来ても、倒せない…可能性が……高…い…………。









ガタ!

「…………んあ?何の音だ?」

ヤバい…完全に寝て…。

「うお!」

俺は何かに押し倒された。姿は見えないが、ゾンビだろう。

「……っ、この…」

ゾンビの力は強く、俺は頭を押さえられたまま、立てないでいた。

俺は死を覚悟した……その時!

「あああああああああああああああ!」

ゴス!ゴス!ゴス!ゴス!


この音…人間の頭を殴っている音…。あいつか?

「…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…大丈夫?」

あいつの手には、血まみれの花瓶。そして死んだゾンビ。これでゾンビを殴り殺して、俺を助けてくれたのか。いや、それより…。

「お前…足、動くのか?」

「…火事場の馬鹿力で、治ったみたい」

「そうか。ありが…」

俺はあいつの姿に、くぎ付けになる。

「?何見て…い、いやーーーーーーーーーーーーーーーー!私、裸のままじゃんーーーーーーー!」

大声を出して、あいつは風呂場の脱衣所に戻っていった。

「……なぁ、聞こえるか?」

「…何?」

「…さっきの状況、お前がゾンビになった彼氏に襲われた時と同じだな」

「…あなたは、私の彼氏を金属バットで殴り殺した時、どう思った?」

「……不思議と何も感じなかった。何も感じずに殺した。それよりも、傷ついたお前を見た時の方が、感情があった」

「どんな?」

「……恐怖。お前を失うかと思って…怖かった」

「……」

…なんか、雰囲気悪くなったな。話を変えるか。

「そういえば、お前がやりたい事に使う物、どこにあるか分かったぜ」

「本当!」

あいつの声は嬉しそうだ。

「ああ、本当だ。でも……どうやって取りに行くんだ?」

「……私がゾンビを引きつけるから、そのうちにお願い」

「いや、でも、」

「私はいつまでも守られるのは嫌なの!私も…戦いたいの!」

「…わかった。その方法で行こう」

後日、俺たちは協力し合い、ある物をゲットした。

「大丈夫か?」

「少し怪我しちゃったけど…このくらい平気。早くあの場所に行こ」

「ああ」

それにしても…これ、デカくて邪魔だな。

「ねぇ、ゾンビ来てるよ!」

「なんとかなるだろ!」

全速力で走り、俺たちは教会へ逃げ込んだ。

「イス持って来い!バリケード作るぞ!」

「うん!」

なんとかバリケードを作ったものの、長くは持ちそうにない。

「早くこれに着替えてこい!」

「わかった」

隣りの部屋の窓も封鎖して、あいつは着替え始めた。そして、おれも着替える。

数分後。

「……よし、終わった」

「私も終わったわ」

着替え終わったあいつは、隣りの部屋から出てきた。

「…すごく綺麗だ。そのウエディングドレス」

「ありがとう。あなたのタキシード姿も似合っているわ」

「ありがとう。さぁ、行こう」

「うん」

あいつは俺の手を取り、バージンロードを歩く。


ドンドンッ!バリケードが(ゆが)む。


ゆっくり、だけど確実に歩いていく。


グシャ!バリケードが少し壊れた。


そして、祭壇の前で、偽物の愛を誓う。


ガタガタ!ゾンビ共はバリケードのイスの(かたまり)を壊そうとしている。


「……ありがとう。私の彼の代わりに私の新郎役になって、出来なかった結婚式をさせてくれて」

彼女の眼は、どんどん赤くなる。

「……今、幸せか?」

俺はズボンのポケットに手を入れる。

「うん!私、今すごく幸せ!」

あいつは笑った。こんなにうれしそうな顔を見るのは、久しぶりだ。

「そうか。じゃあさようなら」

バン!


俺の撃った弾により、あいつは頭から血を流して崩れ落ちた。

「愛していたよ…」

もう、バリケードはもたない。

俺は自分の頭に拳銃を突きつける。

「…お前が最後に希望を胸に抱えたまま死ねたことが…俺はとてもうれしいんだ。なんて言ったら、あいつ、怒るかな?」

俺は引き金を引いた。








次に生まれた時は、普通の世界で、君と普通に恋がしたい…。



あなたはこのエンド、ハッピーエンドと思いますか?

それとも、バッドエンドだと思いますか?


誤字脱字ありましたらごめんなさい。

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