中編
10日じゃなくて、7日までには終わりそうです。
なんかえらいややこしくなりました。すみません。
ある日、医者でもある友人からカードを渡された。
「なんだこれ?」
「セキュリティーカードだ。それを病院の全てのドアの機械にスキャンすると、ドアが開く仕組みになっている」
「今は閉じているんだろ?」
「ああ。でも、第3段階のゾンビなら、簡単に壊せるようになるだろう」
「…」
そして、終わりの時はやってきた。
いつものように病室であいつの見舞いをしていると、無線電話が入ってきた。相手は医者でもある友人だ。
『ちくしょう!ゾンビ共が入口ぶち壊して入ってきやがった!第3段階だ!』
「そりゃあ、ゾンビ共からしたら、俺たちはただのエサだからな」
『のんきに言っている場合か!お前らはカードを使って裏口から出ろ!』
「お前はどうするんだ?」
『……あとで裏口で会おう』
プツっ!
電話が切れた。
「…ねえ、さっきの電話、何?」
「ああ、起きたのか。じゃあ、行くぞ」
「……え?」
「早く!」
「う、うん」
あいつは寝起きだから、少しボーっとしている。でも、まだ第1段階にもなってなくて、少し安心した。
……枕元の銃も持っていくか。これはあいつが暴走した時用だしな。
中に入っている弾を確認して、俺たちは部屋を出…。
「きゃ!」
「どうした!」
あいつは床に座り込んでいる。
「もしかして…立てないのか?」
「そう…みたい」
「……くそ!」
よく考えてみれば、ウイルスに感染して体が弱る奴は珍しくない。こいつも感染して、体が弱っているんだろう。
…たしかこの部屋のドアにも機械が付いていた。それならば、この部屋はカードでロックする事ができる。
ゾンビ共にブチ破られる可能性もあるけどな。
「俺は車いすを探して持ってくる。ドアはちゃんとロックするから、待っていられるか?」
「……わかったわ」
こいつ…不満げな顔しやがって…。まぁ、まだあの事で怒っているんだろう。
「行ってくるからな。大人しく待っていろ」
俺はあいつの返事も聞かず、部屋を出てドアをロックした。
「……病院で働いている医者なら、車いすの場所ぐらいわかるだろう。裏口に行こう」
裏口に行っても、友人はいなかった。
「…まさか喰われたんじゃないだろうな」
ガンッ!
「ん?」
物音がした方を向くと、友人がいた。
「おぅ、遅かった…な…」
…目が赤い。感染している。多分第1段階で、まだ人間だ。感染率が上がっているのか、もう自我はないけど。
人肉を求めるようになる、第2段階になるのは近いだろう。
早く1度殺して、逃げないと。1度感染したら、頭を撃ち抜かない限り死なないから、頭を狙わないと。
俺は友人に銃を向ける。
「……」
友人はフラフラと、しかし確実にこちらに近づいている。
「……」
撃たなきゃ俺が殺される。
「……」
でも撃てない。
「……」
感情が邪魔をする。
「……」
ここで友人を撃たなきゃ、あいつも死ぬ。
「……やっぱり、お前は撃てない。だって…お前は俺たちを助けてくれたから…撃てない…」
ダランと銃を下す。
「うわっ!」
友人は俺に襲い掛かり、俺は押し倒される。
命の危機を感じた俺は、もう1度、今度は友人の心臓近くに銃をあてる。でも…引き金が…引けな。
バン!
引き金が引かれ、友人は俺に覆い被さるように崩れ落ちた。
俺は今の状況についていけず、唖然としている。
引き金を引いたのは…友人自身なのだから。
「…………おい、起きろ。……起きろよ!」
俺はまだ息をしている友人を揺する。
「バカが!」
「……」
「なんで自分で引き金を引いたんだ!」
「……俺はもうだめだ」
「!おい、気付いたのか!?」
「お前は…彼女を守らなければいけない。生きなければ…いけない。どんな事になっても…何をしてでも……」
「俺たちにはお前が必要なんだ!」
「……」
「医者じゃなく…」
「……」
「友人として」
「…………ありがとう」
友人の体は一気に冷たくなった。第1段階が第2段階になる前の、低温化だ。
俺は友人から離れて距離を取った。
「………………逃げるかもう1度殺してとどめを刺すか…の、2択…」
友人は最後に喋った時、目が普通だった。これは、第1段階が一時的に人間に戻ったことになる。これはありえない…奇跡だ。
「奇跡を信じて…か」
死んだ友人は、ゆっくりと起き上がる。
「ははっ、でも、奇跡は…1度しかおきないんだ」
俺は今度はちゃんと、友人の頭を撃ち抜き、殺した。あいつの彼氏を殺した時のように、感情を捨てて…。
あと1話、よろしくお願いします。




