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神不在のテスト世界で、努力だけがチートだった件  作者: おぐ式
第一幕 報われない努力(村編)
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第2話 最弱ステータスの少年

俺――シエル=アークライトは、辺境の小さな村に生まれた。

 静かな草原と、どこまでも続く青空。

 そんな平和な場所で、幼いころから木剣を握っていた。


 十歳のとき、村の神殿でステータス測定を受ける。

 水晶盤に手を置き、祈るように息を止める。


 ――結果、すべて「E」。


「シエル、悪いけど……今年の狩りは無理そうだな。」


 村の男たちは苦笑し、俺の肩を軽く叩いた。

 彼らに悪意はない。ただ、現実を突きつけられただけ。


 努力が数字に出ない世界。

 なら、数字じゃない形で証明するしかない。


 翌日から、俺は丘で素振りを始めた。

 百回、千回、万回。

 手の皮が剥け、血が滲んでも、やめなかった。

 前世で一度だけ感じた“動けた瞬間”の感覚を、もう一度掴みたかった。


「……また倒れてる。」


 振り返ると、幼馴染のミリアが薬草を抱えて立っていた。

 柔らかな金髪と、真っすぐな瞳。治癒魔法を学んでいる彼女は、いつも心配してくれる。


「うん。でも、昨日より少しだけ長く立てた。」


「努力してる人って、きれいだよ。」


 その言葉が、胸の奥に残った。

 笑われても、成果がなくても。

 この言葉だけで、剣を振る理由ができた。

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