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【完結】どうやら、乙女ゲームの皮を被ったRPGの令嬢に転生したようです  作者: 田中佳奈
第2部 どうやら、少女は世界を救うようです
14/21

どうやら、きゃぱおーばーになったようです

長くお待たせした割に短くなってしまいました。

来週も更新できるように祈っています。

 アリスの「転生者なんだよー」という、衝撃の告白を受けて、もう、あたまのなかが、きゃぱおーばー。


「あ。クロちゃんが固まっちゃった」


 シェルリィがあわあわと困り、学園長はやれやれという風に、首を横に振る。

 いやいやいや。学園長が呆れる理由がわからない。

 教えてくれなかったじゃないか。


「どうして教えてくれなかったの?」

「学園長が言ってくれてたと思ってたのー。王様の言葉にも動揺してるように見えなかったし。それで、勘違いしちゃった」

「……学園長」

「すまなかった。君たちのことだから、もう話し合っていると思っていた」


 お互いが大丈夫だろうと思った結果、こんなすれ違いが……。


「クロちゃん迎えに行ったら、ものすごくポカンってしてたから、これはやっちゃったなーって」

「当然でしょ!もう!嵌められた可能性まで考えたんだから!」

「ごめんねー」


 もう!本当に驚いた。

 アリスから紅茶を受け取り、一口飲む。

 少しだけ落ち着いた。


「それでは、お互いの情報をすり合わせよう」

「時間はどのくらい余裕がありますか?」

「アリスの面会は王に無理を言って実現したものだ。次の食事の時までは大丈夫だろう」


 うーん、思ったより時間あるな。


「私からでいい?」


 アリスが手をあげた。その顔は早くしゃべりたいとうずうずしている。

 どうぞと促すと、嬉しそうに話し始めた。


 ※


 えっとねー、私が転生者だって思い出したのは、入学式の前くらいかな。夜中に目が覚めてね、あっ、転生してる!しかもアリスだ!って。


 それでね、とりあえずレベル上げないとなーって思って。だって、主人公に転生だよ?シナリオ通りに進めば、学園長やシギンとも戦うかもしれないし、最悪クロちゃんと戦うことになるかもしれないって考えたら、私だけでも強くならなくちゃって思うでしょ?

 だから、ダンジョンに潜ったの。効率よく『アリス』をレベル上げする方法は知ってたから。


 クロちゃんも?やっぱりそうだよね!


 クロちゃんとダンジョンで会わなかったのは、単に効率がいい狩り場が被らなかっただけなのと、人に会わないように注意してたのと……たまたまかなー。


 クロちゃんが転生者かもって思ったのはねー、学園長との模擬戦で無詠唱使っちゃった時かな。でも『クローディア』だから使えるかもしれない可能性もあったから、確信できなかったんだよね。


 シェリちゃんと一緒にナイトシーカーを相手にした時に、あっ、クロちゃんも転生者だって確信したんだよね。

 え?だってあの時『剣を降ろして!』って叫んでたでしょ?あのモーションって武器構えてたら必中の攻撃繰り出すやつだって知ってたから。

 あれは初見じゃ無理だし、次回作からしか出ないんだから。

 だったら、クロちゃんも私と同じ転生者だなって。


 その後すぐにクロちゃんに話そうって思ってたんだけど、クロちゃんが忙しすぎて二人きりになれるタイミングなくて、気づいたら私も忙しくなっちゃって。


 そう!シュルツにプロポーズされたの!

 すぐクロちゃんに言いたかったよ!でも公式に発表するまで誰にも言えないし!

 発表される場でクロちゃんが断罪されちゃうかもしれないし!

 もう、ボスである学園長に頼ろうって!クロちゃんとも仲良くしてるみたいだし!


 それで相談したら、今回のことを提案されて。すれ違いが起きて。今になったよ。


 ※


 なんということでしょう。

 色々と衝撃的過ぎて、あたまが、また、きゃぱおーばーにー。


 え?

 アリスもレベル上げしてた?

 あの模擬戦で、アリスも気づいてた?

 私は何にも気付かなかったよ?

 ナイトシーカーは仕方ないよね?必死だったからね?

 私を頼ってよ!

 なんで、学園長を頼るんだよ!


「なんで学園長を頼ってるの?私を頼ってよ!」


 しまった。心の声があふれ出てしまった。


「ごめんねー。クロちゃんに言いたかったんだけど、本当にタイミング合わなかったんだよ。……あと、クロちゃん少しだけポンするからー」

「しません!……たぶん」


 自信がなくなってきた。


「大丈夫。クロはしっかりしてる」


 シェルリィに励まされてしまった。

 これは本当にダメなのでは……?

お読みいただきありがとうございました。


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