ランナーズプライズ
誰にでも読みやすいように意識して
書いてます。楽しく読んで頂けると幸いです。
走ることはキツいし大変だと思う。でも、それ以上に目標を達成した時が一番気持ち良かった。まさかその走ることが俺達の未来を大きく変えることになるとは、この時は思ってもいなかった。
桜舞い散る四月。横浜港に日の丸のロゴが大きく張られたピンク色のジャージを着た若きランナー達が集う。その姿はまるで国家を代表するという覚悟が表れてるようだった。
「優輝、おまえなら必ずやれるぞ!」
見送りにやってきた友人達が横断幕を作って盛大に大島の旅立ちを激励する。「大成……。気持ちは嬉しいんだけど、一生会えない訳じゃあないんたからここまでしなくても……。」
「何言ってんだよ!我が山牙高校陸上部からマラソンオリンピック日本合宿に選ばれたんだからそりゃ、めでたいことだ!」
大成が言うことも一理ある。うちの陸上部は俺以外は全国になど無縁な選手ばかりだ。といっても、俺もインターハイは予選落ちでたいした記録もない。だが、一般的に実業団や大学生の選出が多いこの合宿に数少ない高校生の一人として選ばれた。正直、いい結果も残せなかったためこの合宿に参加できるのは本当に嬉しかった。幼い頃見たオリンピックのマラソンで金メダルだった日本人選手の勇ましく走る姿に心奪われ、オリンピックで金メダルを獲ることを決意した。
「それにしてもよ。見送りが多いな。」
大成が何か疑問があるような顔で呟く。
「別に見送りなんて普通だと思うけど……。」
「いや、それはそうなんだけど。オリンピック合宿といえど、ここまで見送りに来るもんなのか?」
確かに回りを見渡すとほぼ全ての選手に家族はもちろんのこと親戚や友人などが一斉に見送りに来ていた。まるで戦時中の兵隊が戦場に向かうのを総出で見送るのに似ているようにも見えた。
『まあ、そういうもんじゃあないのか?滅多にあることじゃあないし。』
「……。そうか。でも何にせよこの合宿を乗り越えればオリンピックも夢じゃあないぞ!」
この合宿は一年間とある孤島の施設で全国から集められた強者のランナー達が篩に掛けられ代表枠を争うという熾烈なサバイバルなのだ。百人以上いるランナーの中から代表に選らばれるのはたったの三人。正直自分が代表枠に入れる可能性は今の実力では厳しいだろう。だが、オリンピックを目指す志は絶対負けない自信はある。
「とにかく、俺は自分を信じてみんなの期待に応えられるように頑張るよ!」
チームメイトと記念の写真を撮ったり、寄せ書きの色紙をもらっていると
「相変わらず友達が多いな優輝。」
振り返ると、そこには長身のスラッとした少年が立っていた。
「瞬弥!久しぶりだなー!」
彼の名前は大月瞬弥。インターハイで二種目三年連続優勝という前人未到の記録を持ついわゆる天才ランナーである。幼稚園の頃からの古い仲でもあるが、俺なんかとは比べものにもならないくらい速いから少し引け目を感じていた。
「優輝も元気そうで良かったよ。そういえば、風華もこの合宿に参加しているようだよ?」
「え!?風華も?すげぇ……!!まるでちょっとした同窓会だね。」
風華というのも幼なじみの一人だ。昔から芯が強く走りも迷いがなくて何よりモデル顔負けの容姿をしている。この間の陸上雑誌にも彼女の写真が取り上げられて、「陸上界のニューヒロイン」と訳されていた。
「俺はさっき風華に会ったけど、優輝に会いたがってたよ。」
「おお……、そうか。まあ、小学校以来だもんな。あいつも元気そうなら安心だよ。」
「はは……。直接会って言ってあげなよ。きっと想像以上に喜ぶから。」
そんな雑談をしていると船の出発のアナウンスが流れる。
『いよいよだな。俺は瞬弥に負けるつもりはないからな!』
俺は気持ちだけでは負けまいと宣戦布告を仕掛ける。
だが、瞬弥はどこか複雑そうな表情で
「そうだな……。俺も負けないよ。」
そう言い残し船の乗り口へ向かって行った。
俺は幼い頃からあいつのことはよく知っている。悔しい時には大声で泣き、嬉しい時には無邪気でいい意味で子供っぽい笑顔をする奴だった。でも、今の瞬弥はなにか底しれない重圧を背負っているようにも見える。
春風と共に船が出港する。多くの見送り人が大きな歓声を挙げて俺達を激励するかのようだった。その反面、なぜかその場でうずくまり号泣している人もいた。だが、そんなことよりも今はこれからのことに気持ちが向いている。絶対に
夢を叶えるんだという強い意気込みを抱いていると
「優ちゃん久しぶり!」
いきなり後ろから抱きつかれて心臓が止まりそうになった。
「……‼風華?!びっくりさせるなよ。ってか、人前なんだから離れろよ。」
「いいじゃん。幼なじみなんだから減るもんじゃあないし。お!いい身体してるじゃん!」
中年のエロ親父のようなことを言いながら俺の腹筋を擦ってくる。こいつは昔から距離が若干近い気がする……。
「まあ、元気そうで良かったよ。あ、それと。去年のインターハイの1500m優勝おめでとう。」
「え……?見てくれてたの?」
「まあ、あの時は俺も出場してたから。といっても、予選落ちだけどな。」
あの時のレースは鮮明に覚えている。ラスト100mの直線で一人抜かせなくて決勝行きを逃した。あれほど悔しいレースはない。それに比べて風華は圧倒的な力の差でランナー達を置いてきぼりにし、余裕で優勝。自分なんかより結果も出している。
「そっか……。ありがとう……!」
満面の笑みで微笑みながら愛らしい瞳で見つめてくる。そんなに嬉しかったのだろうか?
『俺は風華や瞬弥と違って全国で優勝してるわけでもない。でも、気持ちだけでは負けるつもりはないからな。』
慣れ合おうとする風華に対抗心を見せる。
「優ちゃんはすごいね。そうやって自分を奮い立たせて頑張れるんだから。私が持ってないものだよ……。」
風華は顔は笑っているが何とも言えない複雑な表情をしている。少なくとも俺よりは実績はあるのだから充分じゃあないかとは思うが。
「とにかく合宿頑張ろうね!私も負けないよ!」
そう言い残して風華は上機嫌にスキップをしながらデッキを後にした。あいつは変わってないな、と海を眺めながら呟いていると瞬弥が隣にやって来た。
「こうやって二人きりで話すのは久しぶりだな。」
「ふふ……。風華と話す時にもそう言えば良かったのに」
やたらと風華の話題を出してくる瞬弥の心意は読めないがこうやって古い仲同士で話すのは心休まる。海の心地よい風がなびく中、二人の沈黙が続く。何か話題を出さないと、とは思うがなぜかこの静寂の時がずっと続けばいいとさえ思う自分がいた。
その空気を入れ替えたのは瞬弥だった。
「優輝はさ……、何のために走ってるんだ?」
「え……?」
思いもよらないことを聞かれて戸惑いを隠せなかった。なぜそんなことを聞くのかと聞こうとするが、とっくの前に死を覚悟した傭兵のような鋭い眼差しを向けてくるため怯んで言葉が出て来ずに俺は素直にその理由を口にする。
「うーん……。単純に好きだからじゃあないかな?」
瞬弥の視線が強くなるが構わず話を続ける。
「俺も瞬弥も好きだからこれだけ長く続いてるんだと思うよ。嫌いだったらとっくの前に止めてるだろうし、そんなに深く考えることはないと思うんだ。」
俺達ランナーは始めた時期や目的は違えど走ることが好きなのには変わりない。好きなことだから全力でぶつかれるし、限界まで頑張ることができる。それはどんなことでも言えることだ。
「……。お前はもしその好きなのものが自分の脅威になったとしても好きでいられる覚悟はあるのか?」
優輝を問い詰めるようなその言葉には並々ならぬ重みがあった。一切の有無を言わせないような殺意が込もったような圧迫感に胃が痙攣しそうになる。
「俺は……。」
答えを出そうと言葉を発しようとした瞬間、船がひっくり返ったように大きく揺れた。
「わっ……‼」
衝撃でフロントの窓ガラスが割れ、乗客の持ち物が散乱していた。皆、何が起きたのか解らずパニックになっていた。
「一体何が……⁉」
暗礁にでも乗り上げたのだろうか。それより風華は無事か?!、と思考を巡らせると
「もっと……。もっと……。私は知りたい……。」
この世の物とは思えない綺麗な女性の声が聞こえてきた。その声はまるで何かを
欲しているようにも聞こえる。
「……‼しまった……。待ち伏せされていたか……‼このままじゃあ手遅れになる!」
そう言って瞬弥は慌てて持っていたキャリーバックから何かを出そうとする。
「瞬弥、一体何が起きてるんだ?!何か知っているのか?!」
「今は説明している時間はないからそこにいろ!俺がなんとかする……!」
某サバイバルゲームに出てきそうな注射器をポケットに入れて
瞬弥は血相を変えて声のする方に走って行った。
一方に何が起きているかわからない優輝はどうしたものかと
思考を巡らす最中……、惨劇は起きた。
突如、船底やフロントの壁から無数の茨のような触手が侵食してきて甲板にいた人達を次々に取り込んでいった。辺り一面が血の海に変わってゆき、まさに地獄絵図そのものだった。
優輝は風華を探すために客室へと駆け出す。
「風華!!どこにいるんだ!?」
辺りを見渡すが風華の姿は見えない。血の匂いで頭が割れるくらいくらくら
して吐き気が止まらなかった。意識が朦朧とする中……、
「もっと……。もっと……。私は知りたい……。」
あの声がはさっきよりもはっきり聞こえてきた。しかも、前に進むたびに
その声は次第に大きくなっていく。この上ない気味の悪さに俺は悪寒が止まらなかった。
休憩室の辺りに来るとその声はピタリと止んだ。なんだか急に聞こえなくなるのも逆に恐い。そんな恐怖心を抱いていると……、
「優ちゃん……?」
振り返るとそこには、なにかを手にした風華が立っていた。
「風華!!無事だったのか?!」
俺はすぐさま風華の元へ駆け寄るといつも以上に激しく抱きついてきた。
「怖かったよ~。急に船が揺れて女の人の声が聞こえてきたと思ったら
こんなことになって……。」
風華は泣き泣き震えた手で俺にしがみつく。いつも威勢がいいコイツがここまで怯えるなんてよっぽど怖かったんだろうなと思いながら俺は風華の背中を擦る。
「もう大丈夫だ。とにかく安全なところへいこう。」
そう声を掛ける中、風華の持っていた物に目をやる。宝石のように透き通った青色の見たことがない綺麗な花だった。
「それ、どうしたんだ?」
「デッキの隅に落ちてたんだ。綺麗だから持っておこうと思って。」
風華が大事そうに花を手に持ちながらそう言った直後だった。
突如、先ほどの触手が天井や壁から濁流のように侵食してきた。
「逃げるぞ風華!!」
俺は風華の手を引っ張って触手から逃れようと必死で駆け出した。飢えた狼の群れのように触手が勢いよく二人に襲いかかる。
なんとかデッキに出て振り切ればと思い懸命に出口へと向かう。
だが、そんな淡い希望も打ち砕くかのように、触手が出口の扉を
塞いでしまった。
「しまった……!逃げ道が……!!」
別のルートを行こうとするが、触手が二人の行き場を奪われてしまう。すっかり囲まれ、まさに万事休すの状態だった。
「もっと……、もっと……、私は知りたい。」
先ほどの声が二人の恐怖心を煽るように聞こえてくると同時に
触手も二人にじりじりと距離を縮めてくる。
ーーここまでかと死を覚悟した瞬間だった。ーー
突如、謎の斬撃のようなものが触手を凪ぎ払ったのだ。
何が起こったのか分からずキョトンとしていると、聞き覚えがよくある
声の主が日本刀のようなものを持って現れた。
「優輝、風華!!無事か?!」
「瞬弥!!どこいってたんだよ?!それより、その刀は……?!」
「今は詳しく話している時間がない。もうすぐ島から救助隊が来るから安全な
ところに行こう。」
俺の質問を遮り部屋を後にしようと瞬弥は促すが、優輝は更に問い続ける。
「瞬弥、お前何か俺達に隠してるな?この事態が起きた時まるで、こうなることがわかっていたみたいだった。その武器も触手のことも何か知っているんじゃないか?」
瞬弥は黙ったまま持っている刀に視線をやる。
「話してくれよ。俺は別に瞬弥がこの惨劇の主犯だとは思っていない。
ただ、幼馴染みであり、ライバルである俺たちには隠し事はして欲しくないんだ。
だって、本音が言えないと苦しいだろ?」
瞬弥は何かを考えるかのような仕草をしながら重い口を開く。
「……。これから向かっている島に俺達が集められたのは、オリンピック強化合宿のためじゃない。」
俺と風華は瞬弥が並々ならぬことを言おうとしていることを感じとっていた。
まるで、判決を受ける被告人のようか気持ちだった。
「ハーティネスと呼ばれる生命体の駆除のためだ。」
予期せぬことを言われ思考がついていかない。駆除?ハーティネス?
聞き慣れない言葉に二人は混乱する。
「駆除ってどういうこと?!私達、ランナーなんだよ?!さっきみたいなやつ
と戦えるわけないでしょ?!」
風華は明らかに動揺を隠せていない。だが、構わず瞬弥は話し続ける。
「あの生命体は元々人間によって造られたモノだったが、ある事故でそいつらが研究者から島中に逃げ出してしまったんだ。」
『それと私達になんの関係があるの?!』
「……。さっき俺がこの刀で茨を斬っただろ?
これは奴らを倒す唯一の武器、
『走行持続武装兵器』通称、『走武装』だ。」
「走武装……!?」
聞き慣れない言葉が次々に出てきて風華と俺
は理解が追いつかず戸惑う。
『……。まあ……、こんなこと急に言ってもわからないだろうから実際に見てもらった方が早いか。
そう言いながら瞬弥はさっき刀で凪ぎ払った触手の
残骸に手を差し出すと────
例えるなら何ヵ月も餌を食べていない獰猛な肉食獣が久しぶりの獲物に歓喜して喰らいつくように触手が
勢いよく瞬弥の右腕に張り付いた。
「……!?何やってんだよ瞬弥!!?」
優輝と風華がその異様な光景を見て止めようとする
が───
「……。これはハーティネスの補食活動だ。
といっても……、血を吸ってるわけではない。
人間の心臓から発生するエネルギーを喰っているんだ。」
「心臓から発生するエネルギー……?!ってか……、
そんな危ないもの手にのっけるなよ!!」
俺の心配には構わず瞬弥は説明を続ける。
「ハーティネスには通常の武器は効かない。
そこでさっき説明した走武装が活躍する訳だ。」
瞬弥は刀の刃先で触手を払い器用に斬ると
触手は雪が溶けるように綺麗に消えていった。
「この兵器は人間の心臓から発生するエネルギーを
武器に変換することで力を発揮する代物だ。 」
「でも……、どうしてそれをランナーである私達がやらなくちゃいけないの?!全く話が見えてこないよ!!」
「さっき人間の発生するエネルギーを利用するって
言っただろ?そのときにかかるエネルギーの消耗量はフルマラソンを全力で走ったのと変わらないものだ。また、エネルギーを持続する持久力や心肺機能の
上昇に対する負荷に耐える精神力も求められる。」
「……!!それって俺たち長距離ランナーにはもってこいじゃあ……!?」
「ああ、もちろんそれもあるが合宿といえば多くの優秀なランナーを集める手段にもなる……。」
全てを明らかにした瞬弥の言葉を聞いた俺たちは
絶句するしかなかった。さっきまでは夢と期待に
満ちた心意気だったのが、一転して地獄のような
現状になるとは誰が想像しただろうか。
「ひどいよ……!!私達が何をしたっていうの……?!
こんな仕打ちないよ……!!」
風華はジャパンと記されたジャージをしわになる程強く握りしめながら震えていた。
「正直俺も泣き出したい気持ちだ。でも、ここで
ウダウダしていても変わらない。瞬弥、俺たちは
これからどうしたらいい?」
絶望の中にも希望はあると信じ、唯一の光の
瞬弥に生き延びる手段を問う。
「……。お前はやっぱり昔から強いな……。
お前なら……、」
───そう言い終わらないうちにその光さえも
打ち砕くかのように先程とは比べものにならない巨大な大木のような触手が瞬弥を船上のデッキに吹き飛ばした。
「瞬弥!!大丈夫か?!」
投げ飛ばされた瞬弥はデッキのフェンスがへし折れる程めり込んでいた。優輝と風華が駆け寄るとなんとか立ち上がろうとするが、かなりの重症のようでとても戦えるような状態ではなかった。
「瞬弥!!無理すんな!!俺に出来ることはないか?!」
「……。優輝……、よく聞け。このままでは全員奴等に殺される。俺もこのとおりだ。だから───
瞬弥はポケットからさっきデッキで出していた
注射器のようなものを出し、優輝に手渡す。
「これは走武装のエネルギー注入機だ。これを投与することで心肺機能の上昇を起こし、武器に変換する
ことができる。ただし、急な全身運動を身体にさせるわけだから心臓が耐えきれず破裂するリスクもある。本当は試験投与が先だが今は時間がない!!
戦うには覚悟が必要だ。どうする?!」
一刻を争う事態の中、俺は無言で注射器を受けとる。
「そんなの危険だよ優ちゃん!!いくらこんな状況だからってこんなの……!!」
風華が俺の手を強く握る。それに対して俺は
満面の笑みで手を握り返しながら───
「大丈夫!!風華、俺は絶対に戻る!!
お前もみんなも俺が守ってみせる!!」
そう言い残すと優輝は触手の大群に堂々と向かい
注射器を首元におもいっきり射した。
「ぐっ……?!があああああああ!!!」
身体中が熱くなっていくのがわかる。激しい胸の鼓動に今にも心臓が破裂しそうだった。
──やっぱり……。無理なのか……?!あのインターハイの予選のように俺は……。───
意識が朦朧とする中───瞬弥と風華の叫ぶ声が聞こえてきた。
「優ちゃん頑張れぇぇ!!」
「優輝!!諦めるな!!お前は心が誰よりも強い!!生きて俺を追い越すんだろ!?」
───その言葉に俺の心拍数の上昇が安定する。
そしてその瞬間──アニメのヒーロー様々に
武装を始め───
無数の触手を拳一振りの衝撃波で全て
消滅させてしまった。
「これ……、俺がやったのか……?!」
圧倒的な力を手にした優輝は唖然としていた。
しかし、それ以上に驚愕していたのは瞬弥だった。
──すごい……!!部分的な武器の生成ならまだしも……、全身武装のレアケース型とは……‼️
これなら奴等に対抗できるかも知れない……‼️ ───
──走ることはそれまでは生きる喜びだった。
しかし今は───
───戦うための武器となったのだった。──
もし良かったら感想を頂けると
嬉しいです。