私、(一応)勇者様と旅に出ることになりました
前回のあらすじ
本物の勇者と旅に出ようと思いましたが
辞めることにしました
以上!
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酒場入口前
ルチア「いや辞めるって何でですか!?」
ヒカリ「何でって断られましたし、第一あんな態度とる人と旅なんかできませんよ!」
ルチア「そんな!困ります!それじゃあ神様に怒られちゃいますよぉ!」
ヒカリ「そんな事知りません!約束も無かったことに....!それじゃあ私帰るんで」
ルチア「ま、待ってください!もしこのまま帰ろうとすると....」
ルチア「...ヒカリさんを殺すしかないんですよ!!」
ルチア「殺して勇者の力を返して貰い、あの子に託すしかなくなるんですよ!」
ルチア「ヒカリさん死ぬのは嫌ですよね!?だったら協力してください!」
自分のことしか考えてないこのサイコ女神が...!
ヒカリ「...いいですよ。好きにしてください」
ヒカリ「もう貴女の言う通りになるのはうんざりなんで!」
ヒカリ「それにあの子の性格じゃ勇者の力が宿っても魔王討伐出来る気がしないですけどね」
あの性格じゃ仲間ができなくて1人で旅をするが
途中で放り出すのが関の山だろう
ルチア「むううう!!」
ルチア「こうなったら仕方がありません!出来ればしたく無かったのですが...!」
どうやら私の命もここまでか
本当に散々な人生だった....
ルチア「はぁーっ!!!」
その声と同時に私は何か黒いモヤのようなものに包まれ
私はこの訳の分からんモヤで死ぬのかと思ったが
そんなことは無くモヤは身体を包んだ後すぐに消えさった
....なにこれ?
特に体に異常はないけど何をされたんだ
ヒカリ「....一体何をしたんですか?」
ルチア「ふふふ...ヒカリさん自分の町に帰るって言いましたよね」
ルチア「どうぞ帰ってください〜。私は止めませんから」
怪しい...どう考えても怪しい
こういう事を言うと言うことはなにか企んでるに違いない!
しかしまぁここにいる理由もないし
帰る事にするか
私は人混みの中をぬけラダム城を後にしようとした
しようとしたが.....頭がッッッ!!!痛いッ!!
何この頭痛は!??頭がかち割れそうだ...ッッッ!
ルチア「ふふふ〜これはヒカリさんにかけた呪いです」
やっぱりあんたかッ!!...〜っっ!!!
本当にろくでもないなこの女神!!
私はこの頭が割れそうな頭痛に耐えながらアホ女神を呪った...!
ルチア「ヒカリさん町の方に歩いてください」
誰が言うことなんか....ぐっっ...!!!
ルチア「良う通りにした方がいいと思いますよ〜
頭痛で苦しいですよねぇ〜だったら言うこと聞きましょうよ〜」
なに他人事みたいに言ってるんだああ!!!
全部あんたのせいだぞ!!!
だが....このままだと気がおかしくなりそうだ...!
くそぉ....!
私は言う通りにした
すると....
頭痛が...治まった!?
ルチア「頭痛が治まりましたよね〜」
ルチア「実はヒカリさんにかけた呪いは、勇者から半径300m離れると死ぬほど辛い頭痛が発生する呪いです!」
ルチア「あとひかりさんには苦しみから逃れようとしする恐れもあるので、自殺できない呪いもかけました!」
....本当に悪魔じゃないのかこいつ...!?
ヒカリ「待ってください!私を殺せばいいだけの話じゃないですか!」
ヒカリ「なんでこんな回りくどい事してるんですか!?」
ルチア「あのですね...女神がそう簡単に人殺して言い訳じゃないんですよ!!」
ルチア「色々手続きしないといけないし、面倒臭いし汚れるし!何より私のミスがバレる可能性があるんですよ!」
ルチア「簡単に殺すとかそんな事言わないでください!」
どの口で言ってんだ!!??
あんたから言われても何も響かねぇし腹立つだけだよ!!ってか呪いはかけていいのかよ!?
ルチア「死ぬような呪いじゃなければOKです〜」
何そのガバガバ!?
ヒカリ「私、貴女に魔王討伐しないと殺すとか脅迫されて旅に出ましたけど、本当はそんなことできなくて...」
ヒカリ「無視しておけば普通の生活が送れたって事じゃないですか!!」
ルチア「あ、その場合旅に出ないと苦しむ呪いかけてましたので〜」
こいつ本当に自分勝手すぎる!!
ルチア「ひとまず勇者に会ってもう一度旅に同行させてくださいとお願いしましょう」
くそぉ...何もかもこのアホ女神の言う通りにされてる
私に拒否権というものはないらしい
全部このアホ女神がまいた種で、私は被害者なのに!
なんでこんな目に遭わなければいけない!??
神様、私がなにかしましたか..?
ルチア「うーん、運が悪かった...もしくは掃除しなかった罰ですかね〜」
うっさい!!あんたは喋んな!
ルチア「酷い!!一応私、女【神】ですよ!!」
あんたを女神とは思ってないよ!悪魔!!
私はそんな言い合いをしながらフェリアの酒場に戻った
ルチア「さーて、では作戦タイーム!」
何楽しそうに言ってだ!?
ルチア「さっきと同じようにやっても断られるだけだから、ヒカリさんの力をアピールしていきましょう!」
私の力...?
ルチア「そうですよ〜折角勇者の力があるんですから
、それをアピールしないでどうするんですか」
まぁ...それもそうか....
ルチア「ヒカリさんの見た目だけじゃ、そこらのミドリムシにも負けそうですからね〜。アピールは大事です」
ミドリムシと比べんな!!
まぁとりあえず
この怪力か魔法を見せればあの生意気勇者をギャフンと黙らせる事が出来るだろう
やってやる....!やってやるぞ...!
あれ...私なんかノリノリ!?
私はもう一度勇者と話すことにした
ヒカリ「あの勇者様〜!もう一度話を」
シキ「あぁ、お主か。悪いがお主は仲間には入れんぞ」
ヒカリ「ちょ、ちょと待ってください!話を聞いてくれませんか!?」
シキ「嫌じゃ」
ヒカリ「なんで!?」
シキ「さっきも言ったろう。お主はどう見ても弱い、ひ弱で風が吹いただけで吹き飛ばされそうじゃ」
私は木の葉か何かか!?
シキ「それに幸薄そうじゃ。厄介事に巻き込まれる気配しかせん」
くっ...!確かに今私は絶賛巻き込まれてますけど..!!!
シキ「あと最後にお主に魔王を討伐したいという強い気持ちが見られん。まるで仕方なくやってるように見える」
シキ「そんな者と一緒に旅をしても足でまといになるだけじゃ」
.....ッ当たってる...!
なんかこの子ムカつくけど...ムカつくけど...
何も言い返せない自分がいる
私は...本当は...魔王討伐なんかどうでも良かった
町を出たくないと言いながら
内心実は1度町を出てみたかった
色んな景色を見てみたかった
きっかけが欲しかった
1度も町を出たことがない私は
外の世界がどんなものか気になっていた
だが、今は元の生活に戻りたい
...平穏で代わり映えのない何時もの日常に戻って欲しい
ってかこんなゴタゴタに巻き込まれたら誰でもそう思うよね!?
シキ「話は以上じゃ。分かったら帰るが良い」
この子私より年下の癖になんでこんな偉そうなの!?
ヒカリ「ま、待ってください!!」
シキ「お主...くどいのぉ...」
シキ「何故そこまでしつこい?....まさかお主ロリコンか!?」
違うわ!!
シキ「私の美貌に惚れるのは仕方がないが....気持ち悪いから離れてくれ...」
何勝手にドン引きしてんだこいつ!?
話聞けよ!!
ヒカリ「あのせめて私の力をみてk」
シキ「いや、ロリコンの話を聞く気は無い」
何勝手にロリコン認定してんだ!
シキ「もう良い!ここの連中は腰抜けばかりだ。私1人で魔王を討伐してやる!この勇者シキがな!!」
そう言ってシキはフェリアの酒場を出ていった
ルチア「ヒカリさん何やってるんですか!?ただ単にロリコン認定されて自分の評価下げただけですよ!」
いや私何もしてないし勝手にロリコン扱いされただけなんですけど!
なんで私何時もこんな酷い目に会わないといけないんだ....
本当に幸薄...
....ッ!!頭痛が!!!!
もう半径300m離れたのか!?くそぉ!!
どんなスピードだよ!ゴキブリか!?
兎にも角にも今すぐ範囲に入らなければ!!
ルチア「走っていって町を出ていったみたいですね〜追いかけましょう」
追いかけるしかないんでしょ..!くそぉ...!
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シキ「さて....1人で魔王討伐の旅か....」
シキ「まぁ良い!足でまといなんて要らぬ!私は勇者だ!勇者は1人でも困難を乗り越えるもの!」
ヒカリ(...何ひとりで言ってんだろう)
ルチア「ヒカリさん木に隠れて何コソコソ見てるんですか....?気持ち悪いですよ....本当にロリコン..?」
ヒカリ「仕方ないでしょ!こうするしかないんですから!」
ヒカリ「あれだけボロくそに言われて着いて行けるはずないですし」
ヒカリ「かと言って離れると頭痛で苦しいですし..!半径300mの範囲に入ってコソコソするしかないでしょ!」
ルチア「うーん...もうちょっといい方法があると思うんですけどねぇ...」
ルチア「あ、それとヒカリさん」
ヒカリ「なんですか...?」
ルチア「シキさんに勇者の力が無いと言う事を悟らせないでください」
ヒカリ「え...!?」
ルチア「つまりヒカリさんが色々頑張って、シキさんに勇者の力が無いことを1度も疑わせること無く魔王を倒してもらうんです」
ヒカリ「はいいいいい!???」