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4 ご両親も納得済みだと!?

両親の挨拶イベントのはずなのに和やか



まあ、どんな覚悟をしたところで、この状況を乗り越える自信はなかったりする。えらく豪華な屋敷に入ってからメイドさんに案内されて通された応接室、そこには玲奈ちゃんが小学生の頃から全く変わっていない若々しい姿の玲奈ちゃんのお父さんとお母さんがいた。ダンディーな大人の男という感じのお父さんに、玲奈ちゃんがさらに美しくなったようなお母さん。


童顔の俺からしても全く年月を感じさせないこの二人を前に何を言えばいいのだろうかと一瞬思案する。娘さんを下さい?いや、すでに貰ってるしNGだろう。結婚させていただきましたとか?相手も了承済みだろう。何を言えばいいのか迷っていると、先に切り出したのは玲奈ちゃんのお父さんだった。


「お久しぶりですな、先生」

「ご無沙汰しております。お二人ともお変わりないようで何よりです」

「いやいや、私はここ数年でめっきり老けてしまいましたよ」

「そうですか?お二人とも若々しくて羨ましいくらいです」


思ったより普通に話せてホッとしていると、隣の玲奈ちゃんが笑って言った。


「心配しなくても大丈夫ですよ。二人とも先生のことをきちんと認めていますから」

「むしろ、玲奈がご迷惑をおかけしたようで申し訳ない。とはいえ既に婚姻届は提出したのですよね?」

「ええ、あっさり受理されて今は夫婦になりました。なのでお二人とも家族になるのですが・・・そのよろしかったんですか?」

「もちろんですわ。娘の選んだ人ですから。それに失礼ですが、先生のことを全部調べさせてもらいましたわ。正直、ここまで好感を抱いた人間は初めてです」


上品な口調のお母さんにそう言われてからやっぱり俺のことは全て知ってるようなので少しだけ気まずくなるが、玲奈ちゃんのお母さんは気にせずに言った。


「この子が高校卒業までずっとストーカー紛いの行為に手を染めていたことを許していただけるのでしたら是非私を義母と呼んでください」

「もう、ストーカーは失礼じゃないかな?お母様」

「事実でしょう。それでどうでしょう?」


そう聞かれて俺は少しだけ考えてから答えた。


「ストーカーの件は気にしていません。知られたところで価値のないことですから。それにこうして自分のことをここまで慕ってくれる女の子に応えないのは男としてもダメだとわかっていますから」

「先生・・・」

「なるほど、よくわかりました。こんな不出来な娘ですが今後ともよろしくお願いします」


そう言いながら握手を求めてくる玲奈のお父さんに答えると、玲奈ちゃんのお父さんはホッとしたように表情を和らげた。


「よかったです。先生が優しい方で」

「いえ、それよりも家族になるのに先生は少しだけ気まずいです」

「それもそうですね。では湊さんでしょうか?あんまり慣れないのでしばらくは先生でも構いませんよね?」

「ええ。慣れてからで構いません」


それからしばらくご両親と話してわかったことは本気で金持ちということと、玲奈ちゃんの想いがいかに強いかということをかなり知ることができたのだった。





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