2 朝起きたら隣に美少女が裸で寝てた!?
朝チュン
「うぅ・・・頭痛い」
翌朝の目覚めは最悪だった。久しぶりにお酒を飲んだせいか頭がガンガンする。普段からほとんどお酒は飲まず、飲んだとしても寝れない時に缶ビールを一本飲むだけなので慣れないことはするものではないと思う。そうしてダルい身体をなんとか起こしてから、俺はなんでこんなに頭がガンガンするほどお酒を飲んだのかふと、疑問になる。
「あれ・・・なんか大事なことを忘れてるような・・・」
そう思いながらゆっくりと隣を見てからフリーズする。
「すぅ・・・すぅ・・・」
「れ、玲奈ちゃんだよね?あれ?な、なんで?」
そこには何故か裸で寝る昔の教え子の姿が。いや、ちょっと待て。なんか大事なことを忘れている気がすることに気づく。
「思い出せ・・・確か昨日は、そう、同窓会があったんだ。それで、えっと、玲奈ちゃんに婚姻届を書かされて、それで・・・」
あれ?そこから先の記憶がない。いや、そもそも俺は何故婚姻届にサインをしてしまったのだろうか?確かにこんなに美少女になった教え子から迫られて嬉しくなったのは事実だが、しかしこの状況はまるで一夜を共にしたようなものじゃないか?
「いや、落ち着け。まだそうと決まったわけじゃ・・・」
そう思いながらベッドのをじっくりと観察してから何やら血痕のようなものが見えて俺は思わず崩れ落ちしてしまう。
「そ、そうか・・・俺はとんでもない過ちを犯してしまったのか」
酒の勢いで未成年に手を出した。立派な不祥事だ。しかも自分の教え子を襲うなんて最低だ。こんなクズは早く罪を償わねばならないが、しかし玲奈ちゃんの純潔を奪ってどうやって償えばいいとのか。責任を持って結婚するとか?どのみち婚姻届にサインはしてしまったが。
「うぅん・・・先生?」
そんなことを一人で呟いていると玲奈ちゃんが起きた。な、なんて声をかければいいのだろうか?いきなり泣き出したり、助けを求めたりしないよなと、心配する俺を他所に玲奈ちゃんはニッコリと言った。
「おはようございます、先生。昨夜は大変楽しかったです」
「た、楽しかった?」
「ええ。同窓会で先生にお酒を勧めたら先生凄く飲んで酔ってらしたので家まで送ったのです」
そ、そうか。もしかしたら婚姻届にサインをしたことやベッド上の血痕も全部俺の勘違いだったのかもしれないと少しだけ胸が軽くなる俺だったが次の一言それが消え去る。
「それに、こうして初体験を先生と出来て幸せです。婚姻届も今日提出すれば晴れて夫婦になれます」
・・・勘違いではなかったようだ。
「れ、玲奈ちゃんはそれでいいの?」
「ええ、先生と結婚できるのは私の夢ですから。それとも先生は嫌ですか?」
「そ、そうじゃないけど・・・」
「私の初めての責任を取ってくれますよね?」
「ま、まあ、もちろんそうだけど・・・」
「先生。きちんと言葉にしてください」
ニコニコと圧力をかけられながら俺は思わず口にしていた。
「わ、私、寿湊は九条玲奈さんと結婚します」
「はい。よく言えました」
すでに主導権は彼女にあった。俺には拒否権はないようだった。しかし教え子だった生徒と結婚というのは本当にいいものだろうか?しかもまだ未成年だし。本当に親の許可などを取れたのだろうか。まあ、役所に持っていって不備があれば受理されないだろうし、それなら大丈夫かと少しだけ楽観視していたこの時の俺はかなり甘かったと言わざる得ない。彼女の想いがどれだけ深いものかをこの後に身を持って知ることになる。