11 プライベートはないだと!?
どんどん強くなっていく
「これは一体・・・」
寝室に入ると簡素なベッドが豪華なダブルベッドになっていた。しかも他の物は全部消えてその部屋はベッドオンリーになっていたのだ。
「俺の荷物は一体どこに?」
「隣ですよ」
「でも、隣は玲奈ちゃんの部屋じゃなかったっけ?」
俺は隣に移動すると、そこは衣類や雑貨が綺麗に並べられており、PCやエロゲーやラノベもそこにあった。
「あの、これは一体・・・」
「夫婦の寝室のためにここは書斎とクローゼットを兼ねています。先生がどうしてもえっちなゲームをやるなら私の前でしてください」
「それなんてプレイ?」
妻の前でエロゲーをする夫って一体・・・
「で、でも夫婦でもプライベートはあった方がいいんじゃ?俺は別にいいけど、玲奈ちゃんはいいの?」
「はい。だって私の全ては先生のものですから。それに夫婦の仲を円滑にするためにはきちんとしたコミュニケーションとこうしてお互いの全てを曝すことが大切ですから」
どうやら俺にはプライベートというものは存在しなくなるらしい。良くも悪くもこれは束縛というのだろうか?初めて経験するが、今までモテなかった俺には少しだけ嬉しいと感じてしまう。いや、見ず知らずの人ならちょっと嫌だけど、玲奈ちゃんからの束縛なら悪いとは思わない。
「そういえば俺のベッドは・・・」
「私の実家の倉庫にあります。他の替えた家具家電も売るにしても先生の許可が必要だと思ったので」
「そ、そうなんだ。いや、生活費の足しになるなら売っていいし、ゴミなら処分していいけど、その前に確かめたいことがあったから」
果たして朝のシーツに付いていた血痕が玲奈ちゃんの純潔の証なのか少しだけ疑問になったからだ。朝は動揺していたのでもしかしたらあれは別の何かかもしれない。例えば俺か玲奈ちゃんが怪我をして出来たものとか、あるいは他のトマトケチャップとかそういうのでドッキリかもしれないしね。まあ、玲奈ちゃんの態度とビデオとやらの存在でそれは限りなく薄くなったけど・・・
「先生は私の純潔の証を見たいのですね」
「その言い方は変態みたいけだけど・・・もしかしたら昨夜のことを思い出せるかもしれないから」
そもそも俺は記憶が飛ぶ程には飲んだことがないのでわからないのだ。自分が酔いすぎるとどうなるのかを。そんな俺の言葉に玲奈ちゃんはくすりと笑って言った。
「心配しなくても取ってありますよ。私と先生の初めての証拠ですから」
「そ、そうなの?」
「はい。それにしても先生は酔うと凄く可愛いですね。情緒不安になるけど、暴力とかは決してしない。むしろ甘えてきますよね。それが可愛くて、私凄くキュンとしちゃいました」
「お願い、もうやめてぇ・・・」
かなり恥ずかしい。年下の女の子相手に甘えたとか凄く恥ずかしすぎる。でも、暴力とかをしないのは朗報かもしれない。これで仮に泥酔してもそこまでしないとわかるからだ。まあ、極力お酒は控えるけどね。




