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始愛
ここに来てからもうどれくらい経っただろうか__
六畳ワンルームの部屋__
今は何時なのだろう__
どうでもいいか。そんなこと。
閉鎖された窓、明かりのない部屋。
窓を開けるのも、電気を付けるのも、全てがリモコン操作でしか作動しないようになっている。
リモコンは玄関の靴棚の上。
私の行動可能範囲はこの六畳の部屋と部屋を出た先のトイレまで。
私に許された行動は食事とトイレのみ。
お風呂は__
ガチャ、と扉が開く音と共に部屋の電気が付く。
「ただいま」と言ってこちらに微笑みかけるのはこの家の家主である西条ゆいり。
お風呂は彼女と一緒でなければ許されない。
私は立ち上がり彼女の方へ歩いて行く。
彼女の前に立ち、「おかえり」 と言って顔を近づけ
チュ、とキスを一つ落とす。
満足そうに微笑む彼女に向かって私も微笑む。
どうしてこんなことになったんだっけ___