想像とは枕を殴ることである
一人になった俺は、スキルを試すことにした。
どれ程のものか知っておいた方が良いと思うしね。それに、今度アイツに会う機会があったら一発ゲンコツをしてやりたいし。
2mほど先に枕を置き、これで試そうと思う。
枕なら殴っても痛くないし、万が一に備えて壊れる心配も無い。よし行くぞ!
《超素早くゲンコツをする》
ふざけている感じはするがそう思いながら、枕に向かって一歩踏み出し⋯⋯
⋯⋯ボコンッて音とともに枕に穴が開いた。
えっ? 何これ? ⋯⋯バカなの?
手に刺さった枕を見ながら呆気にとられた。意識が追い付かない速度で体が動き、ゲンコツで枕を突き抜いた。また枕を買わなきゃな。
⋯⋯いやいやいや! 物には限度ってものがあるだろうよ。何が【超素早くゲンコツ出来る】だよ。そういう次元じゃないだろ? ふざけた名前のスキルの癖にとんでもねーぞこれ。
人様をこれで殴ったら即死レベルの凶器スキルじゃねーか。
ただ、意識が追い付かないのはヤバい。制御出来るようしなくては、過ちを起こしてしまう可能性だってある。
制御できませんでしたー。で刑務所とかマジで洒落にならん。
そう思い、近くの公園まで出向き、気がついたら朝方までスキルの練習を続けてしまった⋯⋯。
死ぬ可能性も、殺してしまう可能性もあるわけだから、必死になるのは当然だ。
練習のお陰で制御出来るようになった。スピードもコントロール出来るようになったし、ゲンコツの威力もコントロール出来るようになった。
悪魔がどれ程のものかは知らないけど、これを防ぐならハードモードっていうレベルではない、勝てる見込み0だ―――




