これからはこのままで
非現実的な状況が続いたが、それもやっと終わってくれるんだろ。そうでもなきゃ変な気を張り続けてしまって疲れてしまう。
たゆんたゆんは除く。
「じゃあ説明させていただきますね」
「うん。ってか、俺は天使になったんなら敬語を使うのは俺の方じゃないのか? ほら、天使って神様の下なんだろ」
あ~、と手をポンっと叩き理解した。下の立場で見るたゆんたゆ⋯⋯辞めよう、それはただの変態だ。
「今さらって感じですのでこのままでも良いかと。それに下と言っても私では無くいばちゃんのですし」
「良きに計らいなさいよ」
なるほど。
急に変わったとしても、見た目も同じなら変わらないものもあるんだな。良くわかった。
イラっとするわ。コイツに言われると。
コイツの事はほっといて、具体的に何が変わったのかをたゆんたゆんに聞くことにしよう。そう思いたゆんたゆんへと目を向ける。
「⋯⋯頑張って下さい。それはそうとこれは憶測まで入りますが説明致しますね。赤城さんも感じてはいると思いますが、今までと何も変わらないと思います」
「あ、やっぱりそうなのか」
「ですので、普通の天使と赤城さんの違いについて説明をした方が良いかと思います」
そういえば、天使がいるって話しは聞いていたけど、実際に見たことないし気になるところだな。
「普通の天使は、人の目には見えませんし触れることも出来ません。身長も1mほどと小柄で悪魔討伐を日々行っております。武器は皆さん殆ど矢を射つと言った遠距離攻撃です。ですので近距離では弱く、悪魔に近づかられると大抵はやられてしまう存在です」
「つまり俺とは全く違うって事だな」
そりゃそれが天使なら、天使になったはずの俺が今と同じ姿って言うのには驚きもするか。
「そうですね。天使になった赤城さんにはこれからは天使が見えるようになっているので、困っている天使に会ったら是非助けてあげてくださいね」
「おう! ってか、天使って言うのは悪魔退治だけをし続ける存在って認識で合ってるのか?」
一生悪魔討伐ってよくよく考えたら、キツくないか?
「いえ、そう言うわけではありませんよ。全ての天使が戦えるわけでもないですので、恋のキューピッドやサポート役、天国への道案内など様々です。それに昇格して神様になる天使もいますし」
「はいっ?」
やっぱり会社なのか。天使が神様になるって仕事が出来る奴は昇格するシステム。
「最初から神様って事は殆ど無いのですよ。私もいばちゃんも天使から神様になったのですよ」
「いや、たゆ⋯⋯東京神はわかるが、コイツは嘘だろ?」
「ちょっ、ちょっと! どーいう意味なわけ?」
急に話しに入ってくるなり、俺の胸ぐらを掴んでくる。
「そのままの意味だろ⋯⋯。今日までのお前の行動振り返ってみろよ。俺の復活からな」
そう言うと、掴んでいた力が弱まり、目を泳がせ始める。
しばらく黙っていると、俺の胸ぐらを掴んでいた手はテーブルに置いてあったポテチへと進む。ダメだコイツ。
「そう思う気持ちは良くわかります。ただいばちゃんの場合、エネルギーが日本一なのですよ。それはスキルを受け継いだ赤城さんならわかりますよね?」
「ま、まぁ確かに。名前はふざけているがスキルの能力はとんでもないよな」
「はい。サボってばかりではありましたが、悪魔討伐も日本一でしたし。前茨城神が大神様へ昇格することもあって神様へ昇格したのですよ」
んっ? って言うとあの横になって喋ってた人が前茨城神って事かよ。二代揃って茨城ダメダメだろ。
「まぁそんな顔になりますよね⋯⋯。ただ大神様のサポート能力がとても凄く、あれでも仕事は完璧にこなせていましたので」
「人は見かけによらないってことか。あっ、人じゃなくて神様か。なら俺も神様になる可能性があるってことか?」
まぁ神様になるきは今のところ一切無いが、情報としては知っておきたい。そんなわけで軽い気持ちで聞いてみた。
「そうですね。なれるとは思いますが、そうすると本当に下界から消滅してしまうので結婚して生涯をまっとうしてからでも良いとは思いますよ。年を重ねて体を消滅させても天使なので魂は消滅しませんので」
結婚か。まずは童貞を卒業してからの話しだけどな。
まぁ何はともあれ、現状はわかったし今後としても100体ってノルマも無いわけだし、定期的に悪魔討伐しながら普通の生活を送っていこうと考える事にした――――
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「起きなさいよ! 天使がいつまでも寝てるってサボってるとしか思えないわよ。自分の存在を忘れた訳じゃないでしょうね?」
うるさい声と苦しさで目を覚ますと、俺の腹の上にまたがり揺すぶってくるコイツと目が合った。
「うるせーな。ってか今何時だよ?」
目を覚ましても退かないコイツのせいでスマホに手が届かず時間を聞いてみた。
「もう、九時よ」
「はえーよ。昨日も仕事だったんだ。たまの休みくらい午後まで寝たってバチは当たらないだろう。むしろなんでお前がここにいるんだよ?」
そう言いながら、シッシッと手を振りどけと合図する。俺が起きたことを確認すると、俺から離れテーブルに置いてあったポテチを食べ始める。
「今日は筑波山に登りに行きたい気分なのよ! さぁ、さっさと着替えて準備しなさいよ」
あれから休みの日や、仕事帰りなどで悪魔を見つけてはやっつける日々を送っているが、定期的にコイツが暇になると俺の所へとやってくる。
断って二度寝するのもいいんだけど、高確率でたゆんたゆんや他の神様が来るので、目の保養の為にも了承してしまう俺だった。
「ほら急ぎなさいよ!」
「⋯⋯はいはい」
こうして俺は未だに彼女も出来ずに、神様から貰ったスキルで悪魔討伐をしながら神々と遊ぶ日々を過ごしていく――――
~fin~
ここまで読んでいただきましてありがとうございました。
少しでも茨城県の魅力を感じてもらえたら嬉しいです。
本編はここで一旦は終わりますが、このあとは閑話として、茨城県の魅力を書いていきますのでブックマークや評価宜しくお願い致します。




