大神様
どこかの一室。大きなテーブル、花瓶、TV、大きなソファー。そしてそのソファーで横になっている美女。とりあえずキョロキョロしてみるけど。
どこだここ?
「頭がたかーい! 面をあげよー!」
残念、色々と間違っている。寝っ転がりながら言う言葉でもないし、頭が下げきってない人に言う言葉だ。下げてもいないし上げるってなんだ。むしろ誰だよこの人。
二人の方へと顔を向けると、二人してジト目で美女を見ている。
「なにかようなわけ?」
「いっつも急ですよね」
「いやいや、私の力を使って出来るだけの事を特別にやったんだぞ。感謝だろ?」
美女は起きる気がないのか、横になったままニコッと笑いながら喋る。
「⋯⋯帰るわよ」
「⋯⋯ですね」
二人して同じ顔になっているが、もしかしてコイツを越える逸材なのか?
「おいおーい! ちょっとふざけただけだろうよ。そんな顔するなよ⋯⋯」
多分この人が大神様なんだろ。きっと俺が天使になったからだろう、ダメな人のオーラが見える。
「ちゃんと説明してくれる?」
「ふむ。頑張ったのだ!」
あ~あ、ダメな人だわ。何でこうも会う神様、会う神様、残念ばっかりなんだよ。
「そー言うことね。本来は、姿形全てが天使になるはずが、内面だけを天使にして外見はそのままにしたってことね」
お前は神か? よくあれだけで理解して納得できたな。
「よくそれだけでわかったな?」
「まぁね。私の元直属の上司って感じだったのよ」
「上司? 神様ってのは会社か何かなのか?」
「その辺は後で説明するわよ。そんなことより今の状況を整理したいのよね」
そう言ってコイツは再度、大神様へと目線を移した。
いや、一個一個クリアにしてもらいたんだけどな。スタートがわからない状態で話しが進むとどうにも頭に入ってこないし。まぁそんな俺には構わず話しは進むんだけどね。
「私は楽をするためにお前を神にしたのに、お前のせいで苦労している。そこでだ、お前を神に戻し地上から天使に監視させ、悪魔討伐を進める。一石二鳥だな」
「そう。で、どうして人間の姿のままかってのは教えて貰えるのかしら?」
「そんなのは簡単だ。人間の姿の方がキミはいいだろう?」
急に話しを降られたがまた姿が変わるのも面倒だし、このままの方が童貞も卒業出来るだろうから、この姿でいられるならそっちの方が助かる。
「えぇ、まぁ」
「なら決まりだ。これからは天使として頑張ってくれたまえ」
結局は今のままで、何も変わらないのか? 聞くだけ無駄なような気もするけど、聞かないわけにはいかないよな。
「えっと、よくわかって無いんだけど⋯⋯。俺は結局何も変わらないの?」
「ん⋯⋯? キミは何もわかってないようだね。全然違うさ。昨日までは人間、今日からは天使なんだから!」
「⋯⋯うん。で、具体的に昨日までと何が変わったのでしょう?」
「えっ⋯⋯、具体的⋯⋯? え~⋯⋯あっ、そうそう! 東京神さっきから喋ってないではないか。喋らせてやろう」
目を泳がせ、キョロキョロし始め、目が合ったたゆんたゆんへとバトンタッチ。
嘘だと言ってくれ。
「赤城さん⋯⋯。帰ったら私がわかる範囲でお答え致します。申し訳ございません。⋯⋯バカで」
「お、おい! 今バカと言わなかったか? 立場をわ⋯⋯」
「正確に伝えられますか?」
あっ、たゆんたゆんが被せてきた。ストレス貯まってるのかな。
「⋯⋯」
黙るなよ。よく日本は潰れないな。
「では、赤城さん帰りましょう!」
こうしてよくわからない時間は終わりを迎えた。
選択間違えた感が止まらないぞ。




