貝を食べよう
折角海までの来たことだしこのまま帰るのもなんだし、海鮮を食べて帰りたいなと思って、焼き貝を食べにきた。
あれなんでだろうね、海辺の出店ってなんであんなに良い匂いするんだろうな。無性に腹が減ってくる。商売上手なの?
さて、何を食べようかなと貝を吟味する。左から、サザエ、アワビ、ホタテ、赤貝、悪魔⋯⋯。
うん⋯⋯、悪魔か。なぜここにいる?
1m程の悪魔。今まで見た悪魔と同じ紫色でお決まりの角。そして羽もあるし、フォークも持っている。悪魔ってみんな同じなのかね。違うのは大きさとスタイルだけ。
2m級のやつは、有無も言わさず攻撃してきたけど、コイツは睨んでいるだけだ。もしかしたら大きさによって行動が違うのかもしれないな。
と、悪魔をぼ~っと見てたら、
「お兄さん買わないの?」
と、痺れを切らしたのか、お店のおばちゃんに声をかけたられた。
「あ、すみません。サザエと赤貝を一つづつ下さい」
と、伝えて無言で悪魔にゲンコツを食らわす。プシュンと消滅する姿を見ながら、《あぁ、このスキル強すぎるわ》と思った。
「焼いてる所すみませんが、最近なんか良いことと悪いことってありました?」
お店の人とはいえ、急に悪いことだけなんて聞くのは申し訳ないので一緒に良いことも聞いてみる。
「なんだろね~、良いことは今の旦那と結婚出来たことだね、悪いことは生まれたときからずっと風邪が引きやすいってこと」
もしかしたら悪魔と関係あるのかな。
「風邪が引きにくくなればいいですね」
なんて話しをして貝が出来るまで待ち、お金を払って貝を持って食べ始めた。わざわ言わなくてもわかるうまいやつ!
肉派の俺でも、一ヶ月に一回は来ようと思えるレベルだった。
***
帰りの車でも79.5を流しっぱなしで運転し続ける。
行きと同様に帰りも渋滞などする事もなく、のんびりとしたドライブが出来た。
少しずつではあるけど、田舎っていうのも悪くはないと思う。まぁ、神様があれだっていうのが意味がまったくわからないのはあるが⋯⋯
道が空いていてくれたお陰で家に着いたのも夕方前と、このあとの時間ものんびりと使うことが出来る。
美少女とドライブして、海を見て、人助けして、焼き貝を美味しく食べた。
単語単語で言うと、なんとも充実した休日では無いだろうか。これだけ聞けば茨城の生活って良い事だらけだと錯覚してしまうほどだ。中身を知ればそうは言えないだろうけど。
⋯⋯なんて事を考えながら駐車場に車を停めて、部屋までの階段を上り部屋に帰ってきた。
ペーパードライバーには、そこそこ疲れたドライブもここで終わりだ。
あとは、なぜか俺の部屋でくつろいでやがるこのバカタレをどうにかすればゆっくり休めるんだろう? ⋯⋯きっとそうだろう?
コイツはいったいなんなんだよ。海に置き去りにして、一度も連絡せずに人の部屋でテレビ見てられるって⋯⋯
「おかえり。疲れたでしょ? 疲れたときは甘いものが良いんだよ、ほらマッ缶!」
そう言ってコイツは俺にマッ缶なる物を投げてきた。
マジでうるせーな⋯⋯




