美少女とドライブと言えば夢がある
久しぶりの休みでやることもないし、目的も無しにドライブを楽しむことにした。
『免許はとっておいた方がいいぞ! 女にモテるからな!』
と、高校時代にクラスメートから言われて、必死に勉強して取ったけど、東京生活ではまったく乗らなかったから俺はペーパードライバーだ。
そう言えば、結局三回落ちてやっと免許を取れた彼は元気だろうか? 顔も名前も思い出せないけど、童貞って事だけは覚えてる。免許のお陰で随分とおモテになったようだ⋯⋯
ちなみに車から流れくるのはラジオ番組だ。上田さんのオススメの79.5。茨城の運転手はみんな聞いているそうだ。
なぜ、埼玉の番組なのか? 茨城なら茨城の番組を聞けばいいのに⋯⋯。東京のタクシーからは80.0が流れてるのに。
まだまだ俺の知らない茨城があるんだろうと、車を走らせていた。車も信号も少ない道もそうだが、天気も良いし、少し開けた窓から入ってくる風も心地が良い。
ただ、一点気に入らないのは、ラジオの音と一緒に届くボリボリというポテチを食べる音だ。
⋯⋯コイツいつからいたんだよ?
ほっときたい気持ちもあるが、もしかしたら何か大切な用があるかも知れない。コイツが俺の目の前にくるのは茨城に来てから初めてだからな。
「⋯⋯お前なんでいる?」
「んっ? あ、セーコマに寄って! 茨城のソウルコンビニ!」
コイツ、フリーダム過ぎるだろ。なんでもソウルつければいいってもんじゃねーぞ。
「セコマじゃないのか?」
「はぁ~、茨城は殆どがセーコマなの。セコマなんて呼んでたら、北海道民の回し者かと思われちゃうよ」
⋯⋯回し者と思われるからなんなんだよ。
とりあえず、セーコマに寄ると、一人でトコトコと入っていったので、その間にネットで調べてみる。気になることは調べないと落ち着かない性格らしいな。
――――調べていると、コーラとポテチを買って出てきた。⋯⋯コイツまだ食うのかよ。
「おい、セーコマって北海道出身じゃねーか。何が茨城のソウルコンビニだよ。ソウルは北海道だろーよ」
「えっ? 良いのよ。良い! 一位の北海道様が、最下位の茨城に恵んでくれたんだから。茨城のものよ。茨城チャンスよ!」
絶対にそんな理由じゃねーだろ。チャンスでもないし、バカなのかコイツは⋯⋯。
「⋯⋯で、なんでここにいんだ? 何かあったのか、それとも何か用なのか?」
「別にないよ、暇だったからよ。それにポテチも食べたかったし。あっ、海行こう! 大洗ね!」
隣に美少女を乗せて海までのドライブ⋯⋯。旗から見たらそうだ。なら当事者だってそう思っても良いだろう。逆にそう思わなければやってられない。
現実を見たら負けだ⋯⋯。
「そーいや、悪魔倒した時の特典ってなんだ? 栃木神がその特典ってやつで栃木の隣町まで行けたんだが、倒せば倒した分だけ行ける範囲が広がったりするのか?」
⋯
⋯⋯
⋯⋯⋯ボリボリボリ。
ゴンッ!
「いたっ~い! ねえ、パンピーがゴットに、アタックとかナンセンスよ!」
「お前はどこのルーだ? 特典忘れやがったな?」
俺の質問に答えず、無言で自分で自分の頭を擦りながら無言でポテチを食べ始めた。あぁそうだ。コイツに聞いた俺がバカだった。コイツがここにいるってことはメモ紙も無いだろうから答えられる訳がない。
コイツまじで何が出来るんだろう――――




