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2 歴史学的説明図

2枚目は、歴史学的説明図です。


挿絵(By みてみん) 


(1) 長期的な変化


この図の特徴は、長期的な現象面における、

文明要素の変化や環境条件の課題化の順序を、

右回りの矢印で示していることです。


時々刻々《リアルタイム》の実質的な作用としては、

科学・技術が物的資源に具現化されて経済・社会活動を豊かにし、

制度・政策が人的資源を通じて経済・社会活動を健全に保つ、

右上・左上から下に向かう矢印になります。


しかし、歴史的な規模スケールで見ると、

人的資源が確保できないと制度・政策も確立できないので、

このような図になります。


農業・工業・情報文明といった各発展段階は、

科学・技術の開発によって始まり、

次世代技術の開発方針も含めた制度・政策の確立によって

完成する、と言えると思います。



(2) 価値観の位置づけ


この体系図では分かりやすくするため省略していますが、

文明活動の要素には、人々の価値観(価値体系)というものもあり得ます。


この図で言うと、経済・社会活動の一部に含まれると共に、

制度・政策の基盤でもあります。


たとえば工業時代の大量生産・消費・廃棄の価値観を例に取れば、

もったいない!という考え方や、その方が経済的!という考え方、

社会の中にも色々な意見があります。

そこで、争いがあったり、起きたりしそうなことについては、

皆の状況をみながら、為政者がバランスをとりつつ、制度・政策を決める。


それが受け入れられ、上手くいけば、

社会の価値観も全体としてその方向に進み、制度・政策が確立される。

そうならなければ、それを受けて新しい制度・政策が考えられる。

そしてまた、時代が変われば、それが見直される。


全体としては、『社会が変われば政策も変わる』んだけど、

細かく見ると、経済・社会活動と制度・政策の間には、

社会の人々の価値観を仲立ちにした、

そんな相互作用があると思います。



挿絵(By みてみん) 



(3) 巨大化と分権化の同時進行


制度・政策の、巨大化と分権化の同時進行については、

世界史を勉強していて気づきました。


戦後世界の特徴は、米ソのような超大国の出現と、

国連加盟国の増加に見られるような多極化だ、というところでした。


あれ、これ矛盾するじゃん! どっちなの? ということで考えたところ、

『必要とあれば大勢が動くが、それに当たっては衆知を活かせるようにする』

ことだ、と思いました。


調べてみると、国内でも行政国家化と民主化や官民協働、地方分権、

産業でも大企業の発達と労働法制の整備、

地方自治でも地方分権と住民自治の拡充……といった流れがあります。


交通・通信あるいは軍事技術が発達すると、

より大きな国や組織ができ、社会の集権化が可能になる。

良くも悪くも組織管理技術が発達し、

管理範囲スパン・オブ・コントロールが広がって、

より少数の人間で大勢を見ることができるようになる。


一方、人々の生活は豊かになって余裕も増えるし、

色々な新しい問題も出てきて社会がややこしくなり、

一部の人々だけでは手に負くなっていくところも増えるので、

皆の考えも活かすため、教育や保健で人的資質を高めたうえで、

分権化も同時に進めていく……ということかな、と思います。


ただし、『文明の逆説』(立花隆)が指摘したように、

少子高齢化が進んだり、格差が拡大したり、

技術の進歩が加速化したりして、、

肉体的・精神的・社会的健康水準が低下したり、

教育が社会の変化に対応しきれなくなる恐れがあります。


従来はそこで戦争や災害、疾病などにより、

私のような虚弱者などが淘汰されてきたのかもしれません。


しかし、世界的に生活水準が向上し、少子高齢化が進み、

地球的な自然の限界や社会統合が見え、

AIのようにさらなる可能性と危険性をもった技術革新も迫るなかで、

もはやそのような行き当たりばったりの方法は、

持続可能ではなくなってきています。


そこで、人道的な医療技術や保健・教育政策により

人々の資質を維持・向上させたうえで、

制度・政策全体の高度化と巨大化・分権化を図っていくことが

求められているのではないかと思います。


〝組織階層の平準化〟などと言われるように、

幾つかの高い社会階層のピラミッドが、

より少なく、傾斜のなだらかなピラミッドに

まとまっていくイメージです。


実際の労働は加速度的に発達する機械が担うと考えれば、

あるいはオベリスクのようなイメージかもしれません。

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