交点
結局私たちは特別休暇になったらしい。
私はあの後すぐに倒れてしまったらしい。
私がはじめに見たのは清潔そうな白い天井と椅子に座って寝ている慶だった。
「せんせぇ、雪のやつ起きました。」という和星の聞きなれた声だった。
大丈夫か、と不安そうに顔を覗いてくるので出来るだけ元気に答えた。
それでもまだ不安そうだったがそのまま先生のところに歩いていった。
連れてこられた保険の先生は顔色を見た後に体温計を渡して測るように言われた。
なにも考えずにただ窓の外を見ていると慶が目を覚まして飛んできた。
「雪大丈夫?顔色悪いけど。力になれなくてごめんね。どこも痛くない?おなかすいてない、おトイレに行かなくても大丈夫?お風呂に入る?和星になにかされてない?」
と後半はあまり関係なかったけれど大丈夫だよ、和星にお尻触られたけど。と言うとすごい剣幕で和星に言い寄っていた。
その後冗談と伝えると紛らわしいことしないでと理不尽に怒られていた。
なんてみんなとじゃれ合っていたら柊先生と校長先生が入ってきた。
立とうとしたらそのままでいいと校長先生に言われたのでそのまま話を聞き始めた。
「今回の事は本当にこちらの警護管理がいきとどいておらんくてすまんかった。
相手は知っていると思うが『不動の碑王』(フドウノオウ)じゃ。
何をするためにこの学校に訪れたかは分からぬがおそらくIMの差し金だと思う。
どうにかしたいのは山々だが世界政府となるとそう易々とこちらの意見が通るとは思えぬ。
なので今回関わった三人にはEPを渡しておく。
魔力を注いでくれればすぐに私か柊君がその場に移動できる。
本来はある程度の魔術の扱えるようになった7月から配布するのだが今回は事情が事情なので渡しておく。
それから普通は一般教員が行くのだが特別に私たちが行く。
それにみな魔法レベルが高いので大丈夫だろう。
今日はもう遅い一人一人送っていくよ。では柊君頼んだよ。」
そう言って転移魔法を使い消えてしまった。
その後私達は重たい沈黙の中でそれぞれの家に送ってもらった。