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SNOW  作者: 涼瀞
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終焉

辺りには真っ白な桜が舞っている。


樹の根元には二つの人影。


二人を囲むように少年達が寝転んでいた。


黒髪をなびかせて二つの影を見上げる少女がいた。


「お願い、やめて、私が死ぬから、あなたは生きて。」


少女は消えてしまいそうな声で影に話しかける。


綺麗な黒髪に純白のワンピース。


瞳は全てを包み込むような漆黒。

花見にでも出かけるような姿には似つかわしくない大きな赤い花がお腹に咲いていた。


身体は動かないらしく、それでも影に向かって身体を動かそうと息を切らしながら向かって行く。


「雪、来ないでくれよ。俺はもう決めたから。


いや、決められていたんだよ。いつか分からない昔から、みんなを助けるために生まれてきたんだよ。

俺は今幸せだからいいんだ。お前はまだ幸せを掴んでいないだろ。


ならちゃんと捕まえて生きていけ。


さてここで問題です、この世界で魔法を使うのに一番大切なことは何でしょうか、答えろよ雪。」


少年は諭すように優しく訊ねる。


「そんなの分からないよ、お願いだから止めてよ。ねえ、夕紀(ユキ)私も一緒に殺してよ、女の子に優しくするのが信念なんでしょ。」

 

しかし夕紀と呼ばれた少年は何も話さない。


「さようならだよ、雪。半年も経ってないけど幸せだったよ。自分の使命を忘れてしまうくらいに。


蛍火、白銀、白夜、雪の華降りし夜に姿顕すのは天壌の羽衣、七色の天使いの涙。


『天束の掛け衣』最期に言うな、好きだよ。


死ぬのが怖くなるくらいに、じゃあね、雪。こんな酷い奴なんか忘れていい奴を見付けろよ、すぐに見付かるよ、お前ならな。


でもやっぱり、妬いちゃうや。」


途端に視界が消えていくのが分かった。


目が覚める頃にはあいつも居なくなることも。


「待って、いかないで・・・」


最後に見たあいつは微笑みながら心臓を奪われていた。




高校一年生になってはや二月。

私、華神 雪 (カガミ ユキ)は遅くなってしまったクラブから帰るためにいつもの通学路でなくて裏道を通って帰ろうとした。


それが全ての始まりだとは知らずに・・・


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