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魔剣と少女の物語  作者: 池中織奈
第六章 魔剣と少女と王位の話

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 霧夜はレイシアに言われて、早速トラップについて学んでいる。《魔剣》という立場でありながら、元々人間だった頃の霧夜はそれなりに無垢で真面目な人間であった。というのもあり、何だかんだレイシアに言われてトラップ作りをしている。このトラップを使って、この村の人たちの戦争訓練に使おうと思っていた。

 正々堂々戦わないものは卑怯だなどというものも当然いるだろうけれども、戦争というのは言ってしまえば勝った方が歴史をつくる。そういうものなのだ。だからこそトラップを使おうが、毒を使おうが勝てればそれでいい。

(俺は人を切ればその魂を喰らうことは出来る。人の姿になることも出来るし、ある程度出来ることはあるけれど……トラップや毒なんて人間だった頃も、《魔剣》になってからもそういうのはやってこなかったからなぁ。まぁ、長く《魔剣》として過ごしているからある程度の情報は持っているけれど)

 霧夜は大剣の姿のまま、思考している。

 霧夜は人間だった頃に、創作物を結構読んでいた。その創作物の中では、創作物だからこその無茶ぶりが結構されていた。だけれどもその通りにやってしまえば、この土地が人が住めない土地になってしまう可能性も高い。

 それを考えると、霧夜はどの程度までトラップや毒を使っていいのか考えている。

(……毒って難しいよな。俺は《魔剣》だから正直毒なんてどうでもいい。毒があったとしても生きていけるだろう。でもこの国の国民達が亡くなったらレイシアの国が作れなくなる。作った先を見た方がきっと面白いからなぁ)

 最強の国をつくるというレイシアの目標。その目標が叶えばきっと霧夜にとっても面白いことだ。だからそれを叶えるために短慮的なことはしない。

(毒も、すぐに浄化できるものとか、自然に影響しないものならいいけど。この場所は自然豊かで食べるものがあるからこそ、やっていける。ならそれを駄目にするのはきっとやらない方がいい)

 霧夜は元人間だからこそ、そういうことを思考した上で行動しようとしている。

(村人たちには分かるようにトラップをしかけるか? そしてトラップをさけるような訓練もした方がいいか? そのあたりもちゃんと考えた方がいいだろうな。レイシアはそのあたりをきっと考えてないし。となれば……よし)

 霧夜はそう思考して、自分の姿を人間の姿に変化させる。

 傍に居た村人が驚いた顔をしていた。……ちなみに霧夜は基本的に必要以上に人型の姿にならないので、その人は霧夜の人の姿を見たことがなかったのだろう。

 何故人の姿になったのかといえば、自分で一回トラップを作成してみようかと考えたからである。

「チュエリー」

「あら、ゼクセウス様、人の姿とは珍しい。どうしました?」

「この村にトラップをつくろうかと思って。周りから人が攻め立ててきた用と、訓練用に。だから死ぬようなものじゃなくていいとは思うけれど」

「トラップですか……それもいいですね。この村は今のところ、誰かに見つかることはしてないですけど、人が増えてきたから見つかる可能性も高まってますから。……私は流石に殺傷能力があるトラップを設置されたらどうにもできないかもしれないですけど。でもこのレアシリヤの一員としてそういうトラップは見破れるようになりたいです」

 チュエリーは戦闘能力をほとんど持たない。この村では珍しい存在だと言えるだろう。

 チュエリーは、この場所で腐ることなく、自分の役割を真っ当したいと思っている。そしてこの村の一員として、力をつけていきたいと思っているようだ。

 だからこそ目を輝かせている。

「そうだな。そういうのを見破れるようになったら大きな戦力になりそうだよな」

「そうですよね。トラップならば私でも学べるかもしれないですし、もっとトラップをどんどん仕掛けられたらきっとレイシア様も喜びますよね!」

「そうだな」

 レイシアはチュエリーがどんどんトラップについて学び始めたらそれはもう喜ぶことだろう。レイシアは人が予想外のことをするのが結構好きである。

 丹精を込めて霧夜とチュエリーがトラップをつくればレイシアはきっと面白がって喜ぶことだろう。そのトラップの中でアトラクションなどをつくるのもありかもしれないと霧夜は考える。

(あれだなぁ。昔テレビで見たようなアトラクションみたいなのも作っても楽しそうだよなぁ。敵を追い詰めるトラップだけじゃなくて、この村の訓練になるようなものをつくるのもアリか)

 霧夜はそんなことを考えながら楽しそうに笑みを浮かべた。


 そして霧夜とチュエリーは、トラップの作成を進めていくことになった。

 ちなみに中身についてはレイシアには秘密で進めている。出来たものを見せて驚かせようと思っているためである。



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