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魔剣と少女の物語  作者: 池中織奈
第五章 魔剣と少女と国民探し

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「チュエリー退屈だわ!! 何か私が退屈しないことない?」

 レイシアは早速チュエリーの元へと向かっていった。突然、レイシアにそんなことを言われたチュエリーはといえば、特に驚いた様子もなくレイシアに答える。レイシアが突拍子もない行動を起こすことにはすっかり慣れてしまったようだ。

「レイシア様が退屈しないことですか……。そうですね、今すぐには思いつかないです」

「そうなの? しばらく悩んだら思いついたりするかしら?」

「そうですね……、レイシア様を退屈させるのは少し嫌ですね。私は楽しそうにしていらっしゃるレイシア様の事が好きですもの。レイシア様は生き生きとしてこそだと思いますもの」

「ふふ、じゃあ考えてくれるかしら? アキと一緒に」

《俺もやるの決定事項かよ!!》

 霧夜が突っ込みの声をあげるのが、レイシアはそれに対して返答もせずにチュエリーに一生懸命話しかけている。

「私は新しい事をしたいわ!! もっと沢山の出会いをして沢山の経験をしたいわ!! もっと楽しい事をいっぱいしたいのよ。竜人たちが仲間になったのはとっても楽しい事だし、面白いけど!! 思ったより面白いことがなかったから、私はもっともっと、楽しい刺激が欲しいわ!!」

「はい。分かりました。私とゼクセウス様でちゃんと考えますからね。レイシア様が楽しめるようなことを」

《って勝手にチュエリーも決めんなよ……》

「ふふふ、じゃあよろしくね!! アキはおいていくわ!!」

《って待て、レイシア!!》

 レイシアは霧夜の言葉を聞く事もなく、レイシアは霧夜を置いて飛び出して行ってしまった。

 残ったのは、チュエリーと霧夜だけである。

 






《で、チュエリー、レイシアが退屈しない案とかあるのか?》

「今の所ないですね。でもそれを考えるのが私たちの役目でしょう?」

 呆れた様子で立てかけられている霧夜の言葉に、チュエリーはクスクスと笑いながら言った。彼女はこの村を上手く回していくために様々な事務的なことをしている。

 現在村に住んでいる人間やかかわりのある竜人たちのやっていることをまとめたり、食料関係のことを進めたり――戦闘能力がない分、こういう所で役に立っているのである。

 レイシアがそのあたりを考えない分、チュエリーや霧夜がそのあたりをまとめているのである。《赤鴉》のメンバーも総じて脳筋なメンバーばかりであるからチュエリーの負担は大きいと言える。

《俺らの役目か……? 少しぐらいレイシアに考えさせた方が良いとも思うが》

「ふふふ、レイシア様はああだから良いのではないですか? レイシア様は先導してくれる強者としての王でもよいと思うのです。あれだけ前に立って、行動を起こして、突拍子のない方だからこそ、レイシア様を支えようと私のような人間が増えると思いますし。一概に悪いとは言えないでしょう」

《そうか……?》

「ええ、そうです。私はレイシア様がああだからこそ、余計に魅力的だと感じますから。ゼクセウス様は人ではないから分からないかもしれませんが、人の中にはレイシア様のような方に惹かれる事が多くいるのですよ。特に私のような人にとってはレイシア様のように行動的で、先導していくような方は憧れます。私一人だったらきっと、こうやって国造りに関わることなんてなかったでしょうから。私がこうして国を作ることに関わることになったのはレイシア様とゼクセウス様に出会えたからですもの」

 霧夜はチュエリーのそんな言葉を聞きながら、そう言えばチュエリーがどうしてこのキレイドアにやってきたのかも知らないと考える。聞く必要もないと思い聞きもしていていない事情。

 ただチュエリーの言葉を聞いて、チュエリーは自発的にレイシアのように動くような人間ではないのかもしれないと霧夜は思った。レイシア達がいなければ、キレイドアに入ったチュエリーはすぐに死んでしまったかもしれない。もしくはひっそりとただ生きていたかもしれない。

 そんなチュエリーはレイシアに憧れているという。

「私はレイシア様を輝かせ続けていられたらって思うんですよ。それはゼクセウス様もでしょう?」

《輝かせてというか、まぁ、このまま国造りが成功していけばいいとは思うけど》

「ふふ、ならレイシア様を退屈させないようにしなければなりませんね。あまりにも私たちがその案を出せなかったらレイシア様は暴走して変な事しだすかもしれませんし」

《あー、確かにな》

「私たちが考えなければならないことは、この村のためにもなって、レイシア様を退屈させずに済むような案を考えましょう」

 にこにこと笑うチュエリーに促されて、霧夜も考え込むのであった。



 そして一つの結論として、もっと国民を増やすための行動を起こすべきだろうという事が出た。



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