表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔剣と少女の物語  作者: 池中織奈
第四章 魔剣と少女とある出会い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/197

15

 結局のところ、竜人たちに関しては何名かをこちらに定住させることにして、残りは定期的に使いを行き来させることになった。とはいえ、あんな場所まで行くのは普通の人間には至難の業なので、こちらから出向く場合はレイシアか霧夜が行くという事が決定している。

 一応、国になる予定の村のトップとその武器なのだが、場所が場所なので下っ端がやりそうな仕事をするのも仕方がないことである。

「本当に、レイシア様とゼクセウス様は予想外のことばかりを起こしますわ。だからこそ、退屈しないんですけれども。本当に素晴らしいですわ」

 チュエリーはなぜか、レイシアと霧夜のことを絶賛していた。予想外のことを起こし、本当に国を作るのだとその揺るがない意志を示し続けるレイシアをチュエリーはいつだってキラキラした目で見ているものだ。

《俺をこの脳筋と一緒にすんな》

「まぁ、一緒にするなとはいってもレイシア様とゼクセウス様って似ているじゃないですか」

「ふふふ、アキも私のお仲間なのよ!!」

 レイシアと似てるなどと言われて、少し微妙な気分になる霧夜であった。

 確かに面白いことが好きなことなどは似ているかもしれないが、レイシアほどの考えなしではないと重たい霧夜である。

「それにしても空を飛べる存在がいるのならば、もっとこのキレイドアも住みやすくなるでしょうし、良いことだわ!! もっとこのキレイドアについての情報を聞きださなきゃだし。聞き出した内容はアキが覚えてね!」

《まて、レイシア。俺が居ない時はどうする気だ!》

「大丈夫よ。戦闘に必要なこととかなら覚えられるから。それだけ覚えとけばアキが居ない時でもどうにかなるでしょ? でもそれ以外は私は覚えられる自信ないからよろしくね」

《……本当、レイシア、俺に任せすぎだろ。もっと嘘を教えるんじゃないかとか疑えよ。いつか騙さそうだな本当に……》

「あら、私のことを心配しているの? アキってば『魔剣』の癖に相変わらず心配性ね。大丈夫よ、私は私の直感を信じているから。アキは少なくとも建国っていう面白いことを達成するためにちゃんと協力をしてくれるでしょう? もしアキが私を陥れるっていうならそれはそれで私の直感が間違ってたってだけよ。その時はその時でどうにでもするわ」

《……ぶれないよなぁ、レイシアは》

「そりゃそうよ。私は私だもの。そもそも簡単に揺らぐようなら国造りなんて出来ないわ」

 レイシアはいつだって自信満々だ。亡国の姫――という過去がありながらも過去を振り返らない。さっぱりしていて、そこにネガティブな感情はない。ただ目標である国造りに向けて一心に行動している。そして自身の直感を誰よりも信じている。

「さて、じゃああいつら呼びに行きましょうよ。ずっと話し合いしてて体動かしたいわ!」

《待て待て待て。レイシア、俺たちは話し合いをするために今日下りてきたばかりだろうが! せめて明日にしろ。疲れてないのかよ、体力馬鹿か!》

「疲れ? そんなに疲れてないわ。私は今からでも竜人たちの元へ行くので大丈夫だわ」

《はぁ……そうかよ》

「何よ、アキは疲れてるの?」

《いや、俺は『魔剣』だし疲れてない》

「なら、いいじゃない。行くわよ!! チュエリー、カイザー、じゃあ私行ってくるわね!!」

 レイシアは全くの疲れ知らずなようだった。

 霧夜は『魔剣』でレイシアに背負われているだけなので疲れなどは全くないが、大剣を抱えて移動しておきながら全く疲れてないとは普通ではなかった。

「では、いってらっしゃいませ、レイシア様、ゼクセウス様」

「おう、いってこい。俺たちはこの村が魔物にやられないようにちゃんと警備しとく」

「ええ。ちゃんとしなさい。ここは危険だわ。でも、だからといってこの場所が壊滅されたら困るもの」

 チュエリーとカイザーの言葉に、レイシアはそういうと霧夜を背中に抱えて山に向かった。


 その道中でもレイシアと霧夜はいつも通り元気であった。



「竜人たちがいれば何が出来るかしらね?」

《空を飛ぶ魔物への対策に役立つな。飛んでいる魔物を相手にするのは大変だからな。あとはこのキレイドアのこともあいつらは俺たちよりも詳しいだろうし。それにもしかしたら竜人達以外にもこのキレイドアに隠れ住んでいる連中がいないとは限らないだろう。ここは未開の地だからな》

「何それ。考えるだけで楽しそうだわ。居たらいいのだけど」

《いや、そんなわくわくした顔するな。そういう可能性があるかもってだけで、実際にいるかは分からないし、居ない可能性が高いからな? 国の人口増やすっていうなら既存の国から人を引っ張ってきた方が断然安全だろ》

「そうね。村が安定したら人を増やすために一度人里の方に行きたいわね」

《俺たち聖教会に目をつけられてるから面倒だろうけどな》

「まぁね、でも大丈夫よ。面倒な連中は全部蹴散らすから」

 そんな未来の話をしながら彼らは竜人たちの集落へと舞い戻るのだった。

 こうしてレアシリヤに新しい住民が増え、レイシアと霧夜の国づくりが一歩前進したのだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ