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魔剣と少女の物語  作者: 池中織奈
第二章 魔剣と少女の森での生活

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《まず、レイシア、どういう所なら人は暮らしていけると思う? 国を作る第一歩として村を作る場所を確保するべきだろう》

 なぜか、『魔剣』である霧夜が仕切って話は進められていた。レイシアもチュエリーもおとなしく話を聞いている。ちなみに、会話している間に襲い掛かってきた魔物に関してはレイシアが対処をした。

 レイシアは頭は足りないが、強さという点では流石加護もちだといえる。

 「どんな場所でも死ななきゃ人は生きていけるわよ?」

 《それはそうだけど、実際にこの場所で暮らすとなると、少なからずメリットがないと定住はしないだろう。キレイドアは魔物が溢れる地なんだ。少なからず家を建てられる場所にすべきだ。あと周りから攻められにくい土地。ってなると、探すのは結構大変だぞ》

 そういいながら霧夜は考える。

 この、キレイドアという土地について。

 (キレイドアは未開の地。長い間そこに存在する事を認知されながらも、人が攻略することが出来なかった地。探索する事さえ、誰もがあきらめる土地。そんな土地に国を作ろうなんざ、よっぽどの馬鹿ではなきゃ考えない)

 新たに国を作っても、周りに認められなければ潰されるだけである。だからこそ、この未開の土地に国を作るという選択肢は、そんなに悪いものではない。それほど危険で周りに認知されていない土地だというのならば、周りから攻められることもそうはないからだ。

 しかしだ。この土地がいつまでも未開の土地である意味は、それだけ危険であるということ。この場所に国を作ると決意したとしても、この場所で生きていけるかはわからない。

 レイシアとチュエリーはこの場所で生活していけているが、それは少数であるが故といえるかもしれない。逆に集団で行動をするとなると、犠牲が出ないという事はまずありえない。

 魔物を相手に戦う際に、その人物が足手まといなら死ぬ。ここはそういう土地である。

 (そういう意味では、レイシアが戦える脳筋な奴だけに声をかけているっていうのはある意味正解か。いや、でもこいつの事だから絶対何も考えてねぇな)

 霧夜は国を作るという事が面白そうなので、実際に国を作った場合の事をただ思考している。

 「アキ、どうしたの、だまって」

 《ちょっと考え事をしているだけだ》

 「ゼクセウス様は『魔剣』ですが、理性的ですよね」

 レイシアの言葉に、霧夜が答え、それを見てチュエリーが言う。

 「ふふ、私のアキは特別なのよ!」

 《……俺が凄いのであって、レイシアは凄くないからな? まったく、レイシアが今まで通りくるってくれてれば俺は何も考えず、本能のまま動くのに従っていればよかったんだがな》

 「残念ね! 私はアキに思いっきり考えてもらうわよ」

 『魔剣』の意見を聞くとばっさり言い放つレイシア。

 《そうか》

 「ええ。それで、村をどこに作るかだったわよね? そんなの、住めるならどこでもいいわ」

 《あのなぁ…確かに住めば都っていうけどな》

 「何よそれ」

 《どんな場所でも住み慣れてくれば居心地が良いって意味だ》

 「ふぅん。アキは博識ね。でも、いいわね。その言葉。キレイドアをそんな風にかんじられる土地に是非したいわ」

 霧夜の言葉に、レイシアは面白そうににこにこと笑っている。

 《村を作るのなら、なるべく人が訪れないキレイドアの奥がいいな。まぁ、キレイドアの奥地は山があるし、ある程度奥なら問題ないだろう。俺たちの生活圏は森だから、森の範囲内で場所を探した方がいいだろうな。下手に奥に行くと予想外の出来事に遭遇して大変なことになりそうだ》

 「そうね。それに、森の範囲は広いもの、確かに山は見えるけどそこまでまだたどり着けないわ。でも、いつか、全部私の場所にしてやるわ!!」

 キレイドアは人の生活圏に接している森の範囲が広い。その奥地の方に山が見えるが、現状そこまでたどり着けたものはいないだろう。キレイドアはまさしく未開の地である。

 「レイシア様と一緒に居ると飽きる事もなさそうで、嬉しいですわ」

 「飽きさせるわけないじゃない。大体、飽きさせたらアキが私の元から去っちゃうわ」

 《そりゃそうだろ。俺は面白いからレイシアに使われているのであって、面白くないレイシアには用はない》

 幾ら理性的に見えようとも、霧夜は『魔剣』である。望むのは、愉悦。求めているのは、楽しいか、楽しくないか。本当にそれだけである。

 《森の中に村を作るとなると、木の上に家を建てるとかも一種の手だが……正直それは難しいな。普通の場所ならともかく、ここはキレイドアだし、木は魔物がいるし》

 「じゃあ平地?」

 《それが一番何処から敵がやってくるかわかりやすくていいだろうな》

 「じゃあ、木を倒して平地作ればいい?」

 《ちょっと待て、それもいいけどそんな単純な話じゃないからな? そんな、今すぐなぎ倒しに行くとばかりに俺をつかむな》

 「ダメなの?」

 《ダメっていうか、レイシアの場合単純だからその辺にある木々をバッタバッタなぎ倒していく気だろ。木も成長するのには時間がかかるんだ。あまり切りすぎてもよくない。村を作るとして周りに木があって、そこに魔物が生息しているっていうのは、周りへの防波堤になる。ちゃんと、どこを拠点にするか、考えてからな!》

 レイシア、霧夜の危惧通りに周りの木をどんどん切り倒す気であった。





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