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>語り部

「そんなに知りたいの?」

 次の日、学食に1人でいた健を見つけて奈々は再び問いかけてみた。聞き返してきた健にしっかりと頷く。

「欲しいもの1品、おごります」

「交渉成立!」

 健はニパッと笑って券売機の食券を指さした。

「……」

 くっ……これは食堂でも高めのメニューじゃない。足下あしもと見たわね。奈々は苦笑いを浮かべて券売機にお金を滑り込ませた。

「で、何があったんですか?」

 デミグラスソースのかかったオムライスの横にカツが2切れ添えられている皿にスプーンを沈めて健は問いかける奈々に目を向ける。

「この学校って、入学式の時に色々やるでしょ」

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