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>私立、尾世ヶ瀬学園
関東のどこかにある高校、私立尾世ヶ瀬学園(しりつおよがせがくえん)。マンモス校という訳ではないが、全国平均よりも学力は高いと思われる共学制の高校だ。寮と家との通学方法がある。
この学園の校舎は十字の形になっていて、部室は主に西側の建物に集中している。部屋の大きさはほぼ一定だ。
大体、畳十畳分くらいで大きめかもしれない。その1室が何やら騒がしい。
「なんでだめなのよ」
「だめなものはだめです!」
『新聞部』と表記されている部屋で男女が言い合っていた。
「長谷川さん、本気なんですか?」
「本気よ。何がいけないっていうの」
女生徒の言葉に、細身の男子生徒が頭を抱えた。
「どうして、よりにもよって彼に目を付けるんだい」
「この学園いちの有名人だからに決まってるでしょ」
鼻を鳴らして胸を張る女生徒、1年の長谷川 奈々(はせがわなな)に男子生徒は呆れて溜息を漏らす。奈々は新聞部の副部長、言い合っている相手は部長の鈴木 俊和。3年生だ。ちょっとはねた髪が愛らしい。





