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~Sleeping Princess...~8

続きです

 

 「ばかみたい」

 誰に言うのでもなく、自然と口から出た。

 体育座りで、ぬいぐるみに顔を埋めている今のわたしは傍から見るとどれだけみじめなことだろうか。

 

 タイミングを見計らったかのように、テーブルの上の電話が鳴った。

 画面に着信を知らせるメッセージが表示される。

 電話はみゆきからだ。

 わたしはのそのそとくまを抱えたままベッドを移動し、電話を取った。

 「・・・・・・はい」

 「佳奈ー。ノート写すのがんばってる?」

 最悪だった。

 タイミングが的確なら、電話の内容も的確だった。

 「ゴメン。ノートさ、学校に・・・・・・置いてきちゃったんだ」

 「ふぅん」

 「ごめんね」

 

 「ねぇ、どうかした?」

 突然、電話越しに声の雰囲気が変わった。

 どこか探りを入れているような声だ。

 「・・・・・・ううん。べつに」

 電話越しに聞こえるんじゃないかと言う位に、心臓の音が激しくなる。

 ゆきが目の前に居るわけじゃないのに、バレてしまわないかが凄く怖い。

 

 「そう。どうして隠すの?」

 すかさず左手で勢い良く口を押さえる。

 驚きの余り、わたしは声を出しそうになったのだ。

 「知ってるよ。彼のことでしょう」

 「ち、ちがうからっ! 誰が優一のことなんて・・・・・・」

 くすり、という小さな笑い声がした。

 もちろん、電話の向こうから。

 

 「へぇ。そう。そうなんだー」

 とても嬉しそうな声。

 にやにやと笑顔を浮かべるみゆきが、簡単に想像できる。

 「あぁっ! 違うよ。そう、あいつは」

 言いかけて言葉を見つけられなかった。

 一体、わたしは何を言おうとしていたんだろう。

 「どうせアレでしょ。わたしの優一がーとかそんなカンジ」

 「・・・・・・それは」

 「あら。図星」



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