~Sleeping Princess...~4
続きです
テニス部の顧問である近藤先生が出張で居ないため、今週は部活がいつもより一時間ちかく早めに終わっていた。
いつもなら練習をしている時間なのに、先生が戻ってくるまでは部活動が早く終わる。
習慣化していることをしないのは、どこか奇妙な感覚だった。
特に、文化系ならともかく運動系の部活だから体を動かしたくなってうずうずしてしまう。
そんな部活後の帰ろうとした時、あることに気が付いた。
「あれ。無い……」
ラケットをケースに仕舞い込み忘れ物が無いか確認をしていると、今日の分を写すためのノートが見当たらないのだ。
たしか、最後に見たのは教室でみゆきから借りたときだったはず。
その時の記憶を、わたしはもう少したどってみることにした。
借りたノートはすぐに鞄に入れて、自分の分は、
あ! そうだ。
机の上に鞄を置いたから、ノートは机の中に入れたんだ!
わたしはやっとのことで思い出すと、ラケットケースと鞄をコートの脇に置いたまま、教室へと向かった。
放課後になり人気の少なくなった校内は、意外と好きだ。
生徒達の声が無い代わりわりに、校舎の中を吹奏楽部の奏でる様々な音色が大きく響き渡る。
オレンジ色に染まった廊下と相まって、昼間とは全く別の顔を見せてくれるのだ。
まるで、どこか違う世界に迷い込んでしまったかのような錯覚さえ覚えてしまう。
などと考え歩いている内に、目的の教室の前へと着いていた。
はぁ。
学校を出る前に思い出せてよかった。
「あれ?」
誰かがまだ中に残っているんだろうか、教室内から物が落ちたような鈍い音がした。
おかしいな。
人がいるような気配はないんだけど。




