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~Sleeping Princess...~1

本文です。


・眠る想い

 

 子供のころの約束というものは強いけど脆く、ひどく純粋で、その綺麗すぎるものはどれだけ貴重なんだろう。

 なんてことをぼうっとしながら過ごす午後、何を言っているか聞き取れない先生の声を子守唄にしつつ、うっとりとわたしは思うのだった。

 このまま眠り、授業後の目が覚めたころには、アラビア文字みたいな字で書かれたノートの完成だろう。

 いや、「字」なんてかわいらしいもので済むならまだいい。

 (ちょっと、何これ。ありえないんだけど)という心の叫びと共に、謎の線が引かれたノートを見つめる姿が簡単に想像できる。

 想像し終えて、わたしは思わず離れた席にいる友人を見た。

 友人はちゃんとノートと教科書を机の上に広げ、黒板の内容を写しているようだ。

 よし、だいじょうぶ。

 

 (次の時間はちゃんと起きてるから、お願いね)という願いを、友人めがけテニスのサーブを打つように勢い良く投げつけた。

 投げつけられた相手、今川みゆきは私の視線に気付いたらしく、(え、またなの。ちょっとは努力しなさいよー)という顔でこちらを見返す。

 そして諦めたように、はいはいというような顔のあと彼女は黒板に視線を戻した。

 

 まさに親友の仲だからこそ出来る、テレパシーでの会話が成立だ。

 みゆきは呆れた顔をしていたけれど、ちゃんと見せてくれるだろう。

 これで、あとは眠るだけ。

 だったけれど、わたしの目はついついあの背中を見つめてしまった。


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